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＃6　子どもの睡眠について

子どもの睡眠とメンタルヘルスに関する解説 この文書は、子どものメンタルヘルスと睡眠に焦点を当て、睡眠が子どもの心身の健康にどのような影響を与えるかについて説明しています。子どものこころラボ第6回として収録され、国府台病院児童精神科が主体となって作成した動画シリーズの一部です。本シリーズは、専門的な知識をできるだけ分かりやすく伝えることを目的としています。 1. 子どもの理想的な睡眠時間と睡眠習慣の崩れ まず、子どもに必要な理想的な睡眠時間について触れています。6歳から13歳の小学生期には9～11時間の睡眠が、14歳から17歳の中高生期には8～10時間の睡眠が推奨されています。しかしながら、実際の調査では、小学生高学年からその睡眠習慣が崩れていく傾向が見られています。この背景には、勉強時間の増加やインターネット、ゲームの利用が影響しているとされています。 厚生労働省も、成人で6時間以上、小学生で9～12時間、中学・高校生で8～10時間の睡眠を推奨していますが、これらの数値には個人差があるとしています。特に現代の子どもたちは、スマートフォンやゲーム機など、夜更かしの原因となるものに囲まれており、十分な睡眠を確保することが難しい状況に置かれています。 2. 睡眠障害の判断基準 次に、DSM-5（精神疾患の診断基準）に基づく睡眠障害の判断基準について説明しています。具体的には、以下の3つの症状が週3回以上、3ヶ月以上続く場合、「睡眠障害」と診断されます。 入眠困難: 寝つくまでに長時間かかる。 睡眠維持困難: 夜中に何度も目が覚めてしまう。 早朝覚醒: 朝早く目が覚めてしまい、再び寝つけない。 これらの症状は、子どもだけでなく大人にも影響を与えますが、特に成長期の子どもにおいては、身体的・精神的な成長に深刻な影響を及ぼします。 3. 睡眠障害が子どもに与える影響 睡眠障害がもたらす影響は多岐にわたります。食欲不振や成長の遅れ、注意力の低下、肥満、行動上の問題（イライラや多動、衝動行為）など、子どもの生活全般に影響を及ぼす可能性があります。特に行動面では、衝動的な行動が目立ち、学校生活や家庭でのトラブルを引き起こすことがしばしばあります。 こうした問題に対して、単に「早く寝なさい」と叱るだけでは解決には至りません。現代の子どもたちは、夜更かしを助長するさまざまなデバイスやネットワークに囲まれているため、大人がそれらを理解し、生活リズムを整えるサポートが求められています。 4. 睡眠衛生指導の重要性 子どもたちが健全な睡眠習慣を取り戻すためには、「睡眠衛生」の指導が重要です。厚生労働省は、健康づくりのための「睡眠指針12箇条」を提唱しており、その中で「早寝早起き」の推奨と、崩れてしまった睡眠と覚醒のリズムの再調整を目的としています。 この指針の一部として、「朝日を浴びること」の重要性が強調されています。朝日を浴びることで、体内時計がリセットされ、夜に自然と眠くなるようなリズムが整います。こうした基本的な生活習慣の改善が、子どもたちのメンタルヘルスにも良い影響を与えるとされています。 5. 睡眠を阻害する要素への理解 睡眠を阻害する要因は、勉強時間の増加だけでなく、ゲーム、スマートフォン、SNS、インターネットといった現代の子どもたちを取り巻く環境にもあります。特に中高生においては、友達とのコミュニケーションがオンライン上で行われることが増え、夜更かしの原因となっています。 こうした状況に対して、学校や家庭、社会全体が協力して子どもたちの生活リズムをサポートすることが必要です。大人が子どもたちの心理的な悩みに耳を傾け、彼らが直面するストレスや不安を受け入れる姿勢を持つことが、健全な睡眠習慣の回復につながります。 6. 睡眠障害と関連するテーマ 動画の最後には、今後のコンテンツとして、以下のテーマについても扱う予定であることが示されています。 睡眠とADHD、ASDとの関連性: 注意欠如・多動症（ADHD）や自閉スペクトラム症（ASD）などの発達障害と睡眠問題の関連性を説明し、睡眠と薬物療法: 睡眠問題に対する薬物療法のアプローチ、睡眠衛生指導の具体的な方法: 睡眠指導における具体的なアプローチや事例の紹介しています。これらの内容については、別の動画で詳しく説明される予定であり、視聴者に継続的な学びの機会を提供しています。 ★本動画は非営利目的においてのみフリーで利用していただくことが可能ですが、営利目的などの場合には以下のフォームからお問い合わせください。 https://forms.office.com/r/D4ni2Q6yXy