【うつ病】うつ病で性格が変わる例5つ【精神科医が11分で説明】抑うつ状態｜うつ｜精神科 скачать в хорошем качестве

【うつ病】うつ病で性格が変わる例5つ【精神科医が11分で説明】抑うつ状態｜うつ｜精神科

0:00 （１）はじめに 0:20 （２）うつ病と性格の変化 2:00 （３）うつ病で性格が変わる例5つ 2:08 ①悲観的になる 3:32 ②無関心になる 4:55 ③頑固になる 6:12 ④攻撃的になる 7:22 ⑤回避的になる 8:33 （４）うつ病で性格が変わった場合にできる対策 10:06 （５）まとめ うつ病では様々な症状が出現し、それに伴っての思考・反応や表現の変化が目立つと、外からは「性格が変わった」ように見えることがあります。あくまで症状による変化と見極め、巻き込まれず対応することが大事です。 「うつ病で性格が変わる例5つ」について、精神科医が11分でまとめています。 出演：春日雄一郎（精神科医、医療法人社団Heart　Station理事長） こころ診療所吉祥寺駅前　https://kokoro-kichijoji.com 府中こころ診療所　https://fuchu-kokoro.com 府中カウンセリングルーム（提携カウンセリングルーム）https://fuchu-counseling.com チャンネル登録お願いします　   / こころ診療所チャンネル   ↓詳しい内容はこちらです。 （１）はじめに うつ病は単なる落ち込みだけではなく、様々な症状が複合的に現れる疾患です。その結果、周囲から見ると性格が変わったように見えることがあります。うつ病に伴う性格の変化は、本人も気づかないうちに起こり、対人関係や日常生活に大きな影響を与えることがあります。 本記事では、うつ病による性格変化の具体例と、その背景にある症状、さらには対処法について解説します。 （２） うつ病と性格の変化 うつ病の基本的な理解 うつ病は、落ち込みなどの症状が続く脳の不調です。主に脳内物質セロトニンの不足が背景にあるとされています。症状が重くなると、単なる落ち込み以外にも様々な症状が現れ、日常生活への影響が強まります。 うつ病の主な症状 **こころの症状**：落ち込みや不安、意欲の低下に加えて、集中力の低下なども現れます。 **からだの症状**：不眠や疲れやすさのほか、吐き気などの自律神経症状も出ることがあります。 **行動の変化**：人を避けたり、声が小さくなるなど、外から見て分かりやすい変化が現れます。 性格変化のメカニズム うつ病になると、しばしば「性格が変わった」と周囲から指摘されることがあります。性格とは、考え方や反応、表現などが合わさった結果、周囲から認識されるものです。うつ病の各種症状によって考え方や反応が変わることで、外からは性格が変わったように見えるのです。 **性格の変化につながるうつ病の症状要素**： 1. **考え方の変化**：うつ病の症状や否定的思考から、物事の捉え方が変化します。 2. **反応の変化**：興味や感情が乏しくなる一方で、ストレスには過敏に反応するようになります。 3. **表現の変化**：表情や声の抑揚が乏しくなります。 （３） うつ病で性格が変わる例5つ うつ病に伴う性格変化は様々ですが、特に顕著な5つの例を詳しく見ていきましょう。 ①悲観的になる うつ病でしばしば思考パターンが自己否定的に変わり、悲観的になることが目立ちます。これは主に落ち込み（抑うつ気分）を背景とした思考パターンの変化が、周りからは性格の変化として認識されるのです。 **背景となる症状**： **抑うつ気分**：落ち込みだけでなく、空虚感や絶望感も生じ、悲観的な考えにつながります。 **反芻思考**：自己否定的なことを繰り返し考えることで、さらに悲観的になります。 **興味や喜びの喪失**：楽しむことができなくなった結果、否定的な部分だけが強く残ります。 **影響**： **症状の悪化**：特に反芻思考が大きなストレスとなり、うつ状態が悪化します。 **拒絶と孤立**：他者との関係にも悲観的になり、相手を拒絶して孤立しがちになります。 **治療への拒否**：治療や治療者にも悲観的になり、受診拒否や治療中断につながることがあります。 ②無関心になる うつ病では、以前と比べて様々なことに対して無関心になり、無愛想に見えることがあります。症状としての興味や感情の減退が主な背景となり、性格が無関心に変わったように見えます。 **背景となる症状**： **興味の減退**：以前あった好奇心がなくなり、進行すると自分や周囲にも興味を失います。 **喜びの喪失（アンヘドニア）**：肯定的な感情が生じにくくなります。 **意欲の低下**：関心を持つこと自体への意欲が低下します。 **影響**： **症状の悪化**：気分転換ができなくなりストレスが蓄積し、状態が悪化します。 **孤立**：他者に無関心になった結果、人との関わりが減り孤立しやすくなります。 **生活困難**：セルフケアにも無関心になると、整容が乱れたり生活が破綻することもあります。 ③頑固になる うつ病になると、以前と比べて頑固さが目立つようになることがあります。思考力など脳機能の低下に否定的思考など他の症状が重なり、柔軟性が失われます。 **背景となる症状**： **脳機能の低下**：思考力が低下し、柔軟な思考が難しくなります。 **否定的思考**：自己否定的な思考から、思考がより硬直します。 **意欲低下**：変化するための意欲がわかず、現状維持にこだわるようになります。 **影響**： **症状の悪化**：周囲の影響を拒み、反芻思考を続けることで悪循環に陥ります。 **対人トラブル**：相手と意見を合わせられず、自説に固執して衝突しやすくなります。 **受診拒否**：うつ病の可能性を認めず、治療につながりにくくなることがあります。 ④攻撃的になる うつ病になると、人によってはイライラや攻撃性が目立つようになります。ストレスへの耐性が低下し、些細なことにも過敏に反応することが背景にあります。 **背景となる症状**： **易刺激性**：ストレスへの余力がなくなり、些細なことにも強く反応します。 **否定的思考**：自己否定だけでなく、周囲にも否定的になりイライラにつながります。 **脳機能の低下**：否定的感情を制御しにくくなり、怒りがそのまま表出します。 **影響**： **対人トラブル**：周囲に攻撃的になることでトラブルを引き起こします。 **孤立**：攻撃を受けた相手から避けられ、周囲から人がいなくなります。 **自己嫌悪での悪循環**：攻撃した後に自己嫌悪に陥り、さらに精神状態が悪化します。 ⑤回避的になる うつ病になると、以前とは違って人を避けるようになることがあります。うつ病の症状である「罪悪感」が影響することが多いですが、他の症状も絡み合って回避的になります。 **背景となる症状**： **罪悪感**：周囲に対する罪悪感から交流をためらうようになります。 **脳機能の低下**：会話についていくことが難しくなり、会話自体を避けるようになります。 **不安感**：相手から拒絶されるのではという不安から回避行動をとります。 **影響**： **孤立**：孤立状態が進行すると、引きこもりになることもあります。 **仕事への影響**：仕事で必要な関わりを避け、職場での悪循環が生じます。 **精神状態の悪化**：一人でいる時間が増え、反芻思考によりさらに状態が悪化します。 （４） うつ病で性格が変わった場合にできる対策 性格の変化はうつ病の症状の一部であり、適切な対策で改善が期待できます。 対策① 症状由来と知る 性格の変化を自分の本質と思い込むと、悪循環に陥りやすくなります。それが本来の性格ではなく、病気の症状由来のものだと認識することで、影響を軽減できる面があります。ただし、知識だけではうつ病自体は改善しないため、適切な治療も必要です。 対策② うつ病治療を継続する 性格の変化はうつ病の様々な症状に由来するため、うつ病治療によって性格の変化も改善が見込めます。自分に合う抗うつ薬を探しながら継続し、十分な休養を確保することが大切です。不安や罪悪感から休養が難しい場合は、睡眠薬や抗不安薬の併用も検討します。 対策③ 思考・行動面への対策 **考えが極端になっている場合**：別の見方を繰り返し探し、バランスをとります。 **無関心になっている場合**：以前楽しめた活動から少しずつ始め、徐々に改善を図ります。 **回避的になっている場合**：症状が安定した後、徐々に不安な場面に慣らす「脱感作」を行います。 （５） まとめ うつ病では様々な症状が現れた結果、性格も変化して見える場合があります。代表的な例は次の5つです。 1. *悲観的になる* 2. *無関心になる* 3. *頑固になる* 4. *攻撃的になる* 5. *回避的になる* これらの変化は、本来の性格ではなく「うつ病の症状」であると認識することが大切です。そのうえで、適切な治療を継続し、思考や行動面への具体的な対策を組み合わせることで、徐々に改善を図ることができます。 うつ病からの回復には時間がかかりますが、適切な治療と対策により、本来の自分を取り戻すことは十分に可能です。 こころ診療所グループ（医療法人社団Heart　Station） 府中こころ診療所（東京都府中市宮西町1-1-3三和ビル2階、☎042-319-7887) こころ診療所吉祥寺駅前(東京都武蔵野市吉祥寺南町1-4-3ニューセンタービル６階、☎0422-26-5695) #うつ病 　#性格 #変わる #精神科 　#精神科医　 【監修者】 医療法人社団Heart　Station　理事長　府中こころ診療所院長　春日雄一郎 精神科医（精神保健指定医、日本精神神経学会精神科専門医） 2005年東京大学医学部卒業、NCNP病院、永寿会恩方病院等を経て、2014年に府中こころ診療所を開設、その後医療法人化し理事長に就任、2021年8月に分院「こころ診療所吉祥寺駅前」を開業。メンタルクリニックの現場で、心療内科・精神科の臨床に取り組み続けている。