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地方自治法141条2項が 「長(知事・市長・町長など)は、自治体と契約する請負業者やその支配人になることを完全に禁止し、例外を一切認めない」 と定めている理由は、端的に言えば 自治体のトップは“利益相反”が許されない立場だからです。 議員には例外があるのに、長には例外がないのは、両者の役割の違いが本質的に大きいためです。 以下に説明します。 1. 長は「自治体の最終決定者」だから 長は、自治体の行政を最終的に動かす存在です。 • 予算の執行 • 契約の締結 • 公共工事の発注 • 行政組織の指揮監督 これらはすべて長の権限に属します。 つまり、長は自治体の「契約の当事者側」に立つ存在です。 その長が、同時に自治体と契約する側(請負業者)にもなる というのは、利益相反が極めて深刻になります。 2. 「自分で発注し、自分で受注する」構造が生まれてしまう もし長が請負業者になれたら、次のような状況が起こり得ます。 • 自分が経営する会社に有利な条件で発注する • 競争入札を形骸化させる • 監督権限を自分の会社に甘くする つまり、 行政の公正性が根本から崩れる。 だから法律は、長については一切の例外を認めず、完全に禁止 という強い規制を置いています。 3. 議員には例外がある理由 議員は「議決機関」であり、行政の執行には直接関与しない立場です。 議員は条例や予算を決めますが、契約の締結や工事の発注は行いません。 そのため、 • 議員が請負業者であっても • 行政の契約に直接関与するわけではない という構造があります。 もちろん議員にも利益相反の規制はありますが、長ほど厳格ではないのはこのためです。 4. 長だけが「例外なし」なのは、行政の信頼性を守るため 行政は住民の税金を使って事業を行います。 そのトップが • 自分の会社に発注する • 自分の会社を優遇する という疑いが生じるだけで、行政への信頼は崩れます。 だから法律は、長については「疑いが生じる余地すら排除する」 という立場を取っています。 これが、例外を一切認めない理由です。 ■ まとめ 地方自治法141条2項が長に対して 「請負業者になることを完全に禁止し、例外を認めない」 とする理由は次の通りです。 1. 長は自治体の最終決定者であり、契約の当事者側に立つ 2. 自分で発注し自分で受注する構造を防ぐため 3. 行政の公正性と住民の信頼を守るため 4. 議員は執行権限を持たないため、規制の強度が異なる つまり、 長は行政の「顔」であり、利益相反が許されない立場だから 例外が一切ないのです。