【うつ病】「落ち着かない」のもうつ病の症状？【精神科医が8.5分で説明】抑うつ状態｜うつ｜精神科 скачать в хорошем качестве

【うつ病】「落ち着かない」のもうつ病の症状？【精神科医が8.5分で説明】抑うつ状態｜うつ｜精神科

0:00 （１）はじめに 0:15 （２）うつ病とその症状・治療 1:16 （３）「落ち着かない」のもうつ病の症状 2:43 （４）「落ち着かない」に伴う影響とリスク 4:13 （５）「落ち着かないうつ病」と不安障害の関係 5:41 （６）「落ち着かないうつ病」の治療法 7:47 （７）まとめ 「落ち着かない」のもうつ病の症状でしょうか？うつ病では落ち込みの他不安・焦燥感などの不安障害とも似た「落ち着かない」症状が目立つ事があります。この場合、うつ病治療で大事な「休養」がとりにくくなって悪循環になる場合があるため注意が必要です。 ご質問「「落ち着かない」のもうつ病の症状？」について、精神科医が8.5分で回答しています。 出演：春日雄一郎（精神科医、医療法人社団Heart　Station理事長） こころ診療所吉祥寺駅前　https://kokoro-kichijoji.com 府中こころ診療所　https://fuchu-kokoro.com 府中カウンセリングルーム（提携カウンセリングルーム）https://fuchu-counseling.com チャンネル登録お願いします　   / こころ診療所チャンネル   ↓詳しい内容はこちらです。 （１）はじめに 今回お受けした質問は「落ち着かないのもうつ病の症状？」というものです。結論から言うと、「落ち込みと並んで出やすい症状であり、休養困難になる点に注意が必要」です。この記事では、うつ病の基本から「落ち着かない」という症状の位置づけ、関連するリスク、そして治療法について詳しく解説していきます。 （２）うつ病とその症状・治療 うつ病とは うつ病は、落ち込みなどのうつ症状が続く脳の不調です。主に脳内物質セロトニンの不足が背景にあるとされています。一般的に「うつ=落ち込み」というイメージがありますが、実際には様々な症状が現れることがあります。 うつ病の主な症状 *こころの症状* 落ち込みや罪悪感だけでなく、思考力などの脳機能の低下も見られます。 *からだの症状* 不眠や疲労感、さらには吐き気など自律神経に関わる様々な症状が出ることがあります。 *行動の変化* 人を避けたりイライラしやすくなるなど、外から見て分かりやすい変化が現れます。 うつ病の主な治療 *休養* ストレスから離れて脳をしっかり休ませることが基本です。働いている方の場合は、休職が必要になることもあります。 *薬物療法* 主に抗うつ薬（SSRI）を継続的に服用します。必要に応じて、抗不安薬などの補助薬を併用することもあります。 *精神療法* ストレスへの対処法の見直しを中心に行います。必要な場合には、考え方のパターンなども調整していきます。 （３）「落ち着かない」のもうつ病の症状 「落ち着かない」症状は、うつ病において落ち込みと並んでよく見られるものです。個人差はありますが、出現頻度が高く、治療にも大きな影響を与えることがあります。 人によっては、この「落ち着かなさ」、不安や焦燥感などが主に目立って、一見するとうつ病らしく見えない場合もあります。この症状が強くなると、うつ病治療で最も重要な「休養」を取ることが難しくなり、回復の妨げになることがあります。 激越うつ病について 落ち込みよりも強い不安や焦燥感が主に目立つ「激越うつ病」というタイプもあります。このタイプでは、強い不安から休養することが困難で症状が悪化しやすく、言動の混乱によるリスクも高まります。 治療はうつ病に準じますが、不安への対策も重要になり、症状が悪化する場合は入院が必要になることもあります。 「落ち着かない」と関連する症状 *不安や焦燥感* 単に不安を感じるだけでなく、落ち着くことができない苦痛を伴うことが特徴です。 *イライラ* 内面の不安や焦燥感が外に向かって表れ、相手にぶつける形になることもあります。これがトラブルの原因になることも少なくありません。 *言動の混乱* 外部からの刺激に敏感になり、それに影響されることで言動にまとまりがなくなり、衝動的な行動につながるリスクもあります。 （４）「落ち着かない」に伴う影響とリスク 「落ち着かない」症状が強くなると、治療への悪影響だけでなく、様々なリスクが生じる可能性があります。 うつ病治療への悪影響 うつ病治療では休養が土台となりますが、「落ち着かない」が目立つと休養を取ることが難しくなります。また、不安から先回りして考えすぎることでストレスが増し、症状の悪化につながりやすくなります。 抗不安薬などを使って休養に努めますが、悪循環に陥ってしまう場合は、入院治療が必要になることもあります。 対人トラブルのリスク 落ち着かない状態では、周囲の人を巻き込んで疲弊させてしまうことがあります。特にイライラとして表出した場合は、対人関係のトラブルにつながるリスクが高まります。 周囲の人は距離を取るなどの対応をしますが、症状が強い場合は対応が難しくなることもあります。 衝動行為のリスク 落ち着かない状態では、外部からの刺激に敏感に反応して混乱しやすく、その結果、衝動的に行動する傾向があります。特にうつ病が基盤にある場合、刺激によって急に強く落ち込むことがあり、さらにリスクが高まります。 対策としては補助薬を使いながら刺激を減らすことを心がけますが、リスクを十分に軽減できない場合は入院治療を検討することもあります。 （５）「落ち着かないうつ病」と不安障害の関係 「落ち着かないうつ病」と「不安障害」は基本的には別の疾患ですが、実際には共通点も多く見られます。 違いと見分け方 *うつ症状の有無* うつ病ではあまり目立たなくても、落ち込みなどのうつ症状が存在します。不安障害ではこのようなうつ症状はあまり見られません。 *不安が目立つ原因* うつ病ではうつ症状が引き金となって不安が生じることが多いのに対し、不安障害ではまず不安が先に現れます。 *経過の違い* うつ病ではまずうつが目立つ時期があり、その後に不安や焦燥感が前面に出てくることが多いです。 共通点 *強い不安症状* その場で目立つ強い不安や落ち着かなさについては、両者に共通点が多く、見分けることが難しいことがあります。 *メカニズム* 両方とも脳内のセロトニン不足が関係しているとされています。 *治療法* 抗うつ薬（SSRI）を主体に治療し、補助薬として抗不安薬を用いるという点が共通しています。 （６）「落ち着かないうつ病」の治療法 「落ち着かないうつ病」の治療は基本的にはうつ病の治療方針に従いますが、休養を確保できるかどうかが回復の鍵となります。 うつ病治療の基本 抗うつ薬（主にSSRI）で不安とうつの双方の改善を図ります。不安が強い場合には抗不安薬などを補助薬として使用します。 特に休養や睡眠が困難な場合は症状が悪化しやすいため、抗不安薬や睡眠薬を必要に応じて使用し、休養の確保を優先します。それでも休養が取れず悪循環に陥ってしまう場合は、入院治療を検討することもあります。 休養確保のためのポイント *十分な補助薬の使用* 薬の種類が増えることがあっても、休養と睡眠の確保を優先します。 *刺激を減らす* 外部からの刺激に敏感に反応して悪循環に陥りやすいため、意識的に刺激を最小限に抑える工夫をします。 *落ち着ける活動の活用* 先回りして考えすぎて悪循環になることがあります。その悪循環を断ち切るために、自分が落ち着ける活動や集中できることを見つけて活用することも検討します。 安定後の「脱感作」 治療によって症状が安定しても、不安や焦燥感が残る場合には、慎重にそれに慣らしていく「脱感作」を行うことがあります。ただし、これは状態が不安定な時に行うと逆効果になるため、病状が落ち着いた後に必要な場合にのみ実施します。 不安障害の治療と同様に、苦手な場面に最初は軽い負荷から慣らしていき、徐々に負荷を増やしていく方法を取ります。 （７）まとめ うつ病では落ち込みの他に、不安や焦燥感からくる「落ち着かない」症状も多く見られます。この症状は休養への悪影響を通じて、治療や病状に大きく影響することがあります。 症状が重くなると、混乱や衝動的な行動のリスクが高まり、急に状態が悪化することもあるため、早めの対策が必要です。 治療はうつ病に準じますが、休養の確保が鍵となるため、必要に応じて補助薬も十分に活用します。状態が安定した後も「落ち着かなさ」だけが続く場合は、それに慣らしていく「脱感作」の併用を検討します。 落ち着かない症状に悩んでいる方は、一人で抱え込まず、専門家に相談することをお勧めします。適切な治療によって、症状の改善と生活の質の向上が期待できます。 こころ診療所グループ（医療法人社団Heart　Station） 府中こころ診療所（東京都府中市宮西町1-1-3三和ビル2階、☎042-319-7887) こころ診療所吉祥寺駅前(東京都武蔵野市吉祥寺南町1-4-3ニューセンタービル６階、☎0422-26-5695) #うつ病 　#落ち着かない 　#抑うつ状態 　#精神科 　#精神科医　 【監修者】 医療法人社団Heart　Station　理事長　府中こころ診療所院長　春日雄一郎 精神科医（精神保健指定医、日本精神神経学会精神科専門医） 2005年東京大学医学部卒業、NCNP病院、永寿会恩方病院等を経て、2014年に府中こころ診療所を開設、その後医療法人化し理事長に就任、2021年8月に分院「こころ診療所吉祥寺駅前」を開業。メンタルクリニックの現場で、心療内科・精神科の臨床に取り組み続けている。