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スルピリド（ドグマチール）【少量でうつ病に副作用の少ない抗うつ薬として使う、精神科医が5分でまとめ】

0:05 はじめに 0:29 スルピリド（ドグマチール）とは？ 3:01 スルピリド（ドグマチール）の実際の使い方 4:24 まとめ スルピリド（ドグマチール）は、今では少量を「副作用の少ない抗うつ薬」として使いますが、女性の場合、「プロラクチンの上昇」に伴う副作用に注意が必要です。抗うつ薬SSRIと併用することもあります。 精神科医が要点を約5分の動画にまとめています。 出演：春日雄一郎（精神科医、医療法人社団Heart　Station理事長） こころ診療所吉祥寺駅前　https://kokoro-kichijoji.com 府中こころ診療所　https://fuchu-kokoro.com チャンネル登録お願いします　   / こころ診療所チャンネル   ↓↓内容の詳細は下記になります。 （１）はじめに：抗うつ薬スルピリド（ドグマチール） 心療内科・精神科の薬。今回はスルピリド（ドグマチール）についてやっていきたいと思います。よろしくお願いします。この心療内科、精神科の（薬の）動画では、メンタル分野で使ういろいろな薬についてご紹介をしています。今回は、最近では、主にうつに際して使うことが多いとされます、スルピリド（ドグマチール）について見ていきたいと思います。 （２）スルピリド（ドグマチール）とは まず、このスルピリド（ドグマチール）なんですけれども、これは主に脳内のドーパミンの作用を調整する薬になってきます。基本的にはドーパミンの作用、少量だとむしろ作用を増やす一方、多い量だとその作用を減らすということを目的としています。なので量によって適応病名が変わってきます。今は、最近ではうつ病・うつ状態に対して使うのが主だと思われます。 （３）ドーパミンの働きについて このドーパミンの働きというところを見ていきますけど、このドーパミンというのは脳内物質でして、受容体・受け取るところに作用することによって、意欲や脳の働きの活発さなどに関わってきます。基本的には、この働きが少なすぎる・弱すぎると意欲低下などうつ状態になりますし、多すぎると逆に幻覚や興奮といった統合失調症や躁状態のような症状になってきます。 （４）スルピリド（ドグマチール）の働き・作用 その中でスルピリドの働きなんですけれども、これはいろんな不明点はあるんですけれども、基本的にはこのドーパミンの作用を少ない量だとむしろ増やす。それによってうつに効くというふうにされます。逆に量が多くなると、止める作用・遮断・ブロックすることによって、統合失調症などに有効というふうにされます。 補足としては、胃を守る作用ということですけど、このスルピリドは少ない量ですと胃の方にも効きまして、胃を守って食欲を増やすなどの作用を期待される、働きを強くする作用が言われます。ただし、H2ブロッカーなど今使う胃薬などよりは弱いともされます。なので、吐き気が出るようなSSRI抗うつ薬と一緒に使うということはありうることかという風に思われます。 （５）スルピリド（ドグマチール）の適応病名と用量 適応病名と使用量というところを見ていきますけれども、まずうつ病・うつ状態に関しては150ミリから300ミリで適宜調整するというのが添付文書になります。最大600ﾐﾘというふうに書かれています。 統合失調症に関しては、300から600ミリを使って最大1200ミリというふうに書かれています。 胃・十二指腸潰瘍に関しては、1日150ミリで適宜調整するというふうに書かれています。ただ実際、今おもに使うのはうつ病・うつ状態に関してかと思われます。 （６）スルピリド（ドグマチール）の副作用 主な副作用というところですけれども、一番注意が必要なのがプロラクチンというホルモンが増えるということ。具体的には特に女性ですと、いわゆる無月経・生理が止まる、あと乳汁分泌という副作用が出ることがあります。そのほか、眠気・パーキンソン症状というのはあるんですけど、少ない量でうつで少ない量を使う場合は、比較的頻度が少ないものになってくるかと思います。このプロラクチン上昇というのは、一番注意の副作用です。 （７）スルピリド（ドグマチール）のうつ病・うつ状態での使い方 実際、使い方ということですけれども、うつ病・うつ状態にせて使う時に今回絞りますけれども、単剤・それだけで使う時と、SSRIなどと併用・一緒に使うということがあり得るかと思います。 まず、単剤1種類で使うということですけれども、先ほどプロラクチンの副作用のことがあるので、実際にはもっと少なく、50ミリから100ミリ1錠から2錠で使うことが臨床的には多いと思われます。 この少なめの量だとさっきのプロラクチンなどの副作用も減るということがあって、そのほかの副作用はだいぶ少ないことが期待されます。 ただ、効果としてはこの量だと弱めです。なので効果が少ない場合どうするかというと、増やす方法もあるんですけれども、原則としては他の抗うつ薬に変薬・変えるということであったり、あとは後であげるような一緒に使う・併用ということを検討していきます。 2つ目の使い方としては、SSRIなどと併用・一緒に使うという方法です。 SSRIなどと、50ミリから100ミリ・少ない量で一緒に使う・併用するということがあります。 ここでSSRIの副作用として、吐き気やお腹の不調ということがあるんですけど、一緒に使うことで副作用を減らしながら、うつに対しては相乗効果を期待するというやり方になります。 一緒に使って少ない量でも、確かにプロラクチンの副作用、人によっては出ることはありますので、そこには注意が必要になってきます。 （８）まとめ 今回はスルピリド（ドグマチール）について見てきました。スルピリドは、今では主にうつ病に対して少量を使うことがあります。あと、胃を守る作用もあるとされます。なので、特に少量だと男性は特に副作用は少ないんだけども、プロラクチンの上昇、それによるいろいろホルモン的な副作用には注意が必要なものになります。うつ病・うつ状態に対しては、単剤・1種類で使うことと、SSRI・ほかの抗うつ薬と一緒に使うということ。この2種類があるかと思われます。 こころ診療所グループ（医療法人社団Heart　Station） 府中こころ診療所（東京都府中市宮西町1-1-3三和ビル2階、☎042-319-7887) こころ診療所吉祥寺駅前(東京都武蔵野市吉祥寺南町1-4-3ニューセンタービル６階、☎0422-26-5695) #スルピリド　#ドグマチール　#抗うつ薬　#プロラクチン　#うつ病　 【解説者】 医療法人社団Heart　Station　理事長　府中こころ診療所院長　春日雄一郎 精神科医（精神保健指定医、日本精神神経学会精神科専門医） 2005年東京大学医学部卒業、NCNP病院、永寿会恩方病院等を経て、2014年に府中こころ診療所を開設、その後医療法人化し理事長に就任、2021年8月に分院「こころ診療所吉祥寺駅前」を開業。メンタルクリニックの現場で、心療内科・精神科の臨床に取り組み続けている。