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"抜け道"防止「ゾーン30プラス」障害物や視覚効果でスピードダウン…住宅街とスクールゾーンの安全守れ (22/10/29

住宅街やスクールゾーンなどの生活道路を"抜け道"として利用する車が後を絶ちません。 　事故も懸念されるなか札幌市と道警は歩行者を守る、新たな取り組みを始めました。 　生活道路を猛スピードで駆け抜ける一台の車…あわや歩行者と接触しそうになります。 　こうした危険な運転から歩行者の安全を守るため、札幌市と道警が10月7日、新たな取り組みを北海道内で始めました。 　それが「ゾーン30プラス」 　「ゾーン30プラス」とはエリア内での最高速度を30キロに制限するとともに、車のスピードを抑えるためポールや段差など道路上に障害物を設置する取り組みです。 　熊坂 友紀子 記者：「"狭さく"が設置された場所を車で走ってみたいと思います」 　ゾーン30プラスに指定された道路…果たして一般的な道路との違いは。 　熊坂 友紀子 記者：「道幅が少しずつ狭くなっているように見えるので、スピードを落としたくなります」 　障害物などによるドライバーへの「視覚効果」を活用し、自然とスピードダウンを促します。 　今回、道内で初めて「ゾーン30プラス」に指定されたのは、札幌市豊平区福住の住宅街。 　住民からはこれまで交通安全対策の強化を求める声があがっていました。 　札幌市道路課 長南 成明 担当課長：「幹線道路に囲まれたエリアで、しかも小学校が近くにあり通学路もあるという状況。(幹線道路への)"抜け道"にもなっていて危険だという声が高まっていた」 　国道36号線などへの"抜け道"として利用されることが多く、通学する児童などはいつも危険を感じていたといいます。 　このため道警が9年前に制限速度を30キロに引き下げ。さらに効果を上げようと市が独自に道路上に"狭さく"を設置しました。 　すると事故が減少。設置前は5年間で9件の事故が起きていましたが、設置後は2件にまで減らすことに成功しました。近くに住む人は… 　付近の住民：「歩行者からしたら子供もいるし、犬の散歩もしているので、これで速度を落としてくれるならありがたい」 　付近の住民：「子供のスクールゾーンだし、高齢者も散歩をする。(ドライバーが)気を付けるようになるのでは」 　こうした成功もあって道警と札幌市はこのエリアを道内の「ゾーン30プラス」第一号に選びました。 　新たに路面表示や看板なども設置し、ドライバーにさらなる安全運転を促しています。 　札幌市道路課 長南 成明 担当課長：「路面標示や看板で注意喚起も行っている。ドライバーさんや地域の方にはより一層、交通安全に気を付けてもらいたい」 　「ゾーン30プラス」導入の背景には、「車の速度が時速30キロを超えると、はねられた歩行者の致死率が急激に上昇する」という事実があります。 　つまり死亡事故を減らすには車のスピードを30キロ以下に抑えることが重要です。 　このため速度を抑制する方法として、以下のような物理デバイスが考案され、全国で導入が進んでいます。 　■車道を局所的に狭くする（狭さく） 　■車道に隆起を作る（ハンプ） 　■車道をカーブ・屈曲させる（シケイン） 　札幌市と道警は今後「ゾーン30プラス」の指定地区を増やしていきたいとしています。