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「実在しない人間」がモデルの常識を覆す。AIモデル株式会社・中山佑樹氏に聞く、AIとクリエイティブの共生の形 AI(人工知能)が生成したモデルが、ファッションや広告の世界に革命を起こそうとしています。AIモデル株式会社のCTOであり、一般社団法人AIモデル普及推進協会の代表理事も務める中山佑樹氏が、AIモデルの定義からビジネスへの活用、そして業界の未来を守るためのルール作りについて語りました。AIモデルとは何か? CGとの決定的な違い中山氏によると、AIモデルとは**「AIで生成された、実在しない人間(バーチャルヒューマン)」**を指します。従来の3DCGによるモデルとの大きな違いは、以下の3点に集約されます。1. 2Dであること:3Dではなく2Dで生成されるため、制作工程が異なる。2. 制作コストと手軽さ:数千万円かかることもあるCG制作に比べ、AIはより手軽に生成が可能。3. 圧倒的なリアリティ:人によっては人間かどうかの見分けがつかないレベルに達している。現在、同社のクライアントの約6割がファッション・アパレル企業、残りの4割が広告系で、CMキャラクターや企業のコーポレートアンバサダーとしてAIモデルが活用されています。アパレル業界が注目する「スピード感」と「再現性」AIモデルの導入は、単なるコスト削減以上に**「ビジネスのスピード」**を劇的に向上させます。 通常、モデル撮影は数十着の服が溜まるまで行えず、撮影からサイト掲載まで1ヶ月ほどかかることも珍しくありません。しかしAIモデルであれば、小ロットから即座に着用イメージを生成できるため、売りたいタイミングを逃しません。また、技術的なこだわりとして、服自体は実際に撮影し、AIモデルに着用させる手法をとっています。これにより、AIが苦手とする「ボタンの細かな質感」や「服のドレープ感(しわや落ち感)」を正確に再現し、クライアントが納得する高いクオリティを実現しています。「人間の仕事を奪う」のではなく「働き方を広げる」AIモデルの台頭は、既存のモデルやタレントの脅威となるようにも思えますが、中山氏は**「モデル事務所とも協業し、共生する道を探っている」**と語ります。例えば、ファッションモデル業界には、20代と40代は需要が多い一方で30代の仕事が減るという「谷間」の時期があると言います。そこで、本人の許可を得てAIモデル化し、年齢設定を調整して活動の幅を広げるといった、本人に代わってAIが働く新しい仕組み作りにも取り組んでいます。信頼の基盤を作る「ガイドライン」の策定AIモデルという新しい文化を定着させるため、中山氏は**「AIモデル普及推進協会」**を立ち上げ、経済産業省の協力も得ながらガイドラインの策定を進めています。• 倫理的な利用:アダルトコンテンツへの利用制限や、学習素材の適切な扱い。• 類似性チェック:生成されたモデルが既存の誰かに似すぎていないかを確認するツールの提供。• 透明性の確保:広告におけるAI使用の開示など、消費者が安心してコンテンツを楽しめる環境作り。中山氏は、単にAIを効率化の道具として使うだけでなく、**「業界への愛を持って、クリエイティビティを拡張する視点」**で活用していくことが、結果としてビジネスの成功につながると強調しました。