恩返しではなく「恩送り」　知らない誰かのための”先払い”で優しさ広がる街づくり【福島発】　 (23/05/21 скачать в хорошем качестве

恩返しではなく「恩送り」　知らない誰かのための”先払い”で優しさ広がる街づくり【福島発】　 (23/05/21

「ペイフォワード」という言葉をご存知だろうか？英語の直訳は「先払い」だが「恩送り」という意味がある。自分が受けた善意を他の誰かに渡すことで、善意をその先につないでいくことを目的としている。これを地域で広げていこうと、福島県会津若松市では新たな取り組みが始まっている。 ＊＊＊ ＜知らない誰かのため＞ 福島県会津若松市の「焼きたてパン工房　モックモック」 30種類以上焼きたてのパンを提供するこの店で始まったのが「お互いさまチケット」　店内に置かれた値段が書かれたチケットは、来店した客が知らない誰かのために購入したもの。そのチケットを訪れた人が使いお得にパンを購入することができる。「お互いさまチケット」を使った人は受けた善意を、他の誰かにおくることで地域で善意の輪をつなげていくことを目指している。 利用した客は「思いやりの気持ちがあるのはいいなと思った。今まで無かった取り組みなのでいいと思う」と話す。 モックモックの林陵平店長は「使う側もチケットに込められた思いを感じ取ってもらいたい」と話し、この「お互いさまチケット」を購入した人に一言メッセージをお願いをしている。「おいしく食べてね」や「幸せをおすそわけ」など内容は様々。 購入した人は「自分の子どもはお小遣いが決まっているので、こういう取り組みがあれば気軽にお店に入れて、パン食べられる。いい取り組みだと思う」と話す。 この取り組みが始まり２週間ほど。これまで、主に子どもがチケットを使いおいしいパンを食べたという。 ＜取り組みを地域に広めたい＞ この「お互いさまチケット」を会津地方で広めようとしているのが、お互いさまの街づくりを目指すHoiHoiOHANAの高橋義人さん。 現在は会津若松市内の2つの店舗が取り組みに賛同しているが、約30店舗まで増やしていきたいと考えている。 高橋義人さんは「物価高騰で食料品など値上げしているなかで、子どもたちにはお腹いっぱい食べてほしい。ぜひ子どもや子育て世帯の方には使っていただきたいと思う。また、みなさんにも善意を繋いでいく輪が広がってほしいなと期待している」と語った。 ＜福島県で広がる善意の輪＞ 「お互いさまチケット」は、福島市のNPO法人「チームふくしま」が中心となって取り組んでいる。福島市内で12か所が導入していて、郡山市でも2023年6月から複数の飲食店が導入する予定。 ちなみに福島市では飲食店以外にも導入されていて、中古タイヤを販売する店では550円のチケットでタイヤ１本分の交換を行っているという。 恩返しではなく、誰かに善意を送る。自分の行動で地域全体が思いやりに溢れる、この取り組みが広まることを願う。