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今回は、江戸時代の直訴のお話になります。 時代劇の直訴のシーンというと、悪代官に苦しめられた百姓の代表者が、死罪になるのを覚悟のうえで、幕府の幹部が乗る駕籠の側に駆け寄って、訴状を差し出すというものです。 そういったシーンを見せられていれば、誰だって直訴をすれば死罪になると思い込んでしまいます。 また、佐倉惣五郎などの、いわゆる義民と言われている人たちの言い伝えによっても、直訴は死罪というイメージにつながっていると思います。 しかし、実際には直訴で死罪になるということは、まずなかったと言われています。 そればかりか、主君を思って直訴をした百姓たちが、褒めたたえられるという事例も実際にあります。 そもそも、直訴が一切認められないとしたら、現地を支配する代官などはやりたい放題になってしまいます。 たとえば、現代の会社で、課長の不正行為を部長に相談すると首になるようなものです。 いくら江戸時代でも、基本的には、そんな理不尽なことはなかったのです。 ここでは、誤解されがちな江戸時代の直訴について、詳しく解説をしています。