【うつ病】うつ病で寝てばかりの時どうしたらいい？【精神科医が8分で説明】抑うつ状態｜うつ｜精神科 скачать в хорошем качестве

【うつ病】うつ病で寝てばかりの時どうしたらいい？【精神科医が8分で説明】抑うつ状態｜うつ｜精神科

0:00 （１）はじめに 0:15 （２）うつ病と主な症状・治療・病期 1:35 （３）うつ病での「寝てばかり」症状とその影響 3:25 （４）うつ病で頭が寝てばかりの時どうしたらいい？ 3:59 ①急性期→そのまま休む 4:51 ②慢性的→徐々に動く 7:14 （５）まとめ うつ病で寝てばかりの時どうしたらいいでしょうか？うつ病では落ち込みの他、倦怠感や疲れやすさなどを背景に「寝てばかり」になる事があり影響が出ます。急性期であればそのまましっかり休むことで改善を見込む一方、慢性的な場合はやる気を待つのは得策ではなく、まず動くことが鍵になります。 ご質問「うつ病で寝てばかりの時どうしたらいい？」について、精神科医が8分で回答しています。 出演：春日雄一郎（精神科医、医療法人社団Heart　Station理事長） こころ診療所吉祥寺駅前　https://kokoro-kichijoji.com 府中こころ診療所　https://fuchu-kokoro.com 府中カウンセリングルーム（提携カウンセリングルーム）https://fuchu-counseling.com チャンネル登録お願いします　   / こころ診療所チャンネル   ↓詳しい内容はこちらです。 （１）はじめに うつ病は脳内物質セロトニンの不足などを背景とした脳の不調で、落ち込みなどの症状が続く状態です。多くの方がうつ病に悩まれており、特に「寝てばかりになってしまう」という症状に困っている方も少なくありません。この記事では、うつ病とその症状について解説し、特に「寝てばかり」の状態になった際の対処法について、病期に応じた適切なアプローチを紹介します。 （２）うつ病と主な症状・治療・病期 うつ病の主な症状 うつ病の症状は大きく3つの側面から現れます。 **こころの症状**：落ち込みや罪悪感、そして思考力などの脳機能の低下が見られます。 **からだの症状**：不眠や疲れやすさ、また吐き気などの自律神経症状も出ることがあります。 **行動の変化**：人を避けたり、イライラしやすくなるなど、周囲から見て気づきやすい変化が現れます。 うつ病の主な治療 **休養**：ストレスから離れて頭をしっかり休ませることが基本です。必要に応じて休職することも多いでしょう。 **薬物療法**：主に抗うつ薬（SSRI）を継続的に服用します。必要に応じて睡眠薬などの補助薬を併用することもあります。 **精神療法**：ストレスへの対処法を見直し、必要に応じて福祉サービスも活用します。 うつ病の病期 うつ病は大きく3つの病期に分けられます。 **急性期**：うつ症状や不安が重い時期で、休養を最優先します。 **回復期**：再発を防ぎながら徐々にリハビリを行い、活動の改善を図ります。 **再発予防期**：復職など社会復帰をしながら、再発を防ぐことに重点を置きます。 （３）うつ病での「寝てばかり」症状とその影響 うつ病では治療中に活動が減少し、「寝てばかり」になることがよくあります。これは直接の症状（過眠）の場合もありますし、他の症状で動けない結果として外から見ると「寝てばかり」に見える場合もあります。いずれも生活面への影響が大きいため、状況に応じた対応が必要です。 過眠が目立つうつ病のタイプ **非定型うつ病**：うつ病の中でも過眠や過食などが特徴的なタイプです。 **季節性うつ病**：特定の季節だけうつ症状が出るものです。特に「冬季うつ」が知られています。 うつ病で動けず「寝てばかり」になる背景 **倦怠感や疲れやすさ**：体が重く感じて動きにくく、動いてもすぐに疲れて続けられません。 **意欲や興味の減退**：やる気が出ず、活動しても楽しめないため、動く動機づけが大きく低下します。 **否定的思考**：何かをしようとすると先回りして否定的に考えてしまい、動く意欲が消えてしまいます。 うつ病で寝てばかりの時の影響 **社会生活の困難**：仕事の継続が難しくなったり、日常生活にも支障が出ることがあります。 **うつ症状の慢性化**：特に動けないことで葛藤して考えすぎると、悪循環に陥りやすくなります。 **対人関係の悪化**：寝てばかりは症状であることが多いのですが、周囲からは理解を得にくく、関係悪化や孤立の原因になることがあります。 （４）うつ病で寝てばかりの時どうしたらいい？ うつ病で寝てばかりになっている時の対策は、病期によって大きく異なります。急性期であれば休養の一環として捉え、慢性的な場合は徐々に活動を増やしていくことが大切です。 ①急性期→そのまま休む うつ病の急性期で休職など休養を始めた後、疲れが出て「寝てばかり」になることは珍しくありません。これはむしろ休職までの無理への反応であり、適切に休めるようになったサインとも言えます。このような場合は、あまり気にせず休養に専念することが大切です。休養を続けていれば、自然と動けるようになってきます。 急性期ではむしろ考えすぎが問題 人によっては急性期において、逆に考えすぎて不安から動きすぎてしまうケースも見られます。これはむしろ十分に休めていない状態で、悪循環に陥りやすいため注意が必要です。このような場合は、必要に応じて補助薬も活用し、寝てばかりでも構わないので、しっかりと休養を確保することが重要です。 ②慢性的→徐々に動く 一方、慢性的に寝てばかりの状態が続く場合、すでに休養だけでの効果は限定的になっています。むしろ、寝てばかりで動けないことによる様々な悪影響が目立つようになっているでしょう。この時期では徐々に活動を増やしていくことが対策となります。 やる気を待つのは得策ではない 急性期の場合は休養を続けていればやる気（意欲）も徐々に戻ってきますが、慢性的な場合は寝ているだけでは病状は改善しません。むしろ刺激がないために意欲も出てこず、症状が慢性化してしまいます。そのため、やる気を待つのではなく、先に動くことが対策となります。 動くことを刺激にして流れを作る 慢性的に寝てばかりの状態では、動かないことで刺激がなく、さらに意欲が出てこないという悪循環に陥っています。動くことが脳への刺激となり、その後の意欲につながることが知られています。これが次の行動につながり、徐々に流れができてきます。まずは動くことを刺激として、前向きな流れを作っていくことが大切です。 ただし動くのは簡単ではない 慢性的に寝てばかりの状態では、意欲がなく疲れやすいなど、実際に動くには不利な条件が多く、とても動きにくい状態にあります。ただ「動こう」と思っても上手くいかないことが多く、失敗すると自己嫌悪から悪循環に陥る可能性もあります。そのため、意識的に動きやすい工夫を取り入れることが必要です。 寝てばかりから動くときのポイント **はじめは軽いことから**：外に1分だけ出るなど、一見非常に小さな行動でも構いません。まずは「何とかできた」という経験を優先しましょう。 **楽しめることで動く**：ただ動くだけではしんどさが勝ってしまいます。なかなか楽しみを見つけるのは難しいですが、以前楽しめたことなどを思い出し、少しでも楽しめる要素があると状況が変わってきます。 **動けた自分を認める**：外に1分出るなど、一見些細なことでも、できたことを自分で認め、達成感を持つことで、継続・反復につなげていきましょう。 （５）まとめ うつ病では症状として動けなくなり、寝てばかりになることがあります。特に慢性的に続くと様々な影響が強まるため注意が必要です。 急性期の休養初期に寝てばかりになるのは正常な反応であり、むしろしっかり休むことが改善につながります。一方、慢性的な場合は休んでやる気を待っても逆効果になることがあるため、まずは軽い活動から始め、その動きによる刺激から行動の流れを作っていくことが大切です。 うつ病は決して怠けているわけではなく、一人で抱え込まず専門家に相談しながら、病期に合わせた適切な対処法を見つけていくことが回復への近道となります。 こころ診療所グループ（医療法人社団Heart　Station） 府中こころ診療所（東京都府中市宮西町1-1-3三和ビル2階、☎042-319-7887) こころ診療所吉祥寺駅前(東京都武蔵野市吉祥寺南町1-4-3ニューセンタービル６階、☎0422-26-5695) #うつ病 　#寝てばかり 　#どうしたらいい 　#精神科 　#精神科医　 【監修者】 医療法人社団Heart　Station　理事長　府中こころ診療所院長　春日雄一郎 精神科医（精神保健指定医、日本精神神経学会精神科専門医） 2005年東京大学医学部卒業、NCNP病院、永寿会恩方病院等を経て、2014年に府中こころ診療所を開設、その後医療法人化し理事長に就任、2021年8月に分院「こころ診療所吉祥寺駅前」を開業。メンタルクリニックの現場で、心療内科・精神科の臨床に取り組み続けている。