事故から14年　福島第1原発の現状は… скачать в хорошем качестве

事故から14年　福島第1原発の現状は…

東日本大震災の発生から間もなく14年となります。未曽有の災害は今も多くの課題が山積しています。その一つが、何十年もかかるといわれる廃炉に向けた作業が行われている福島第1原子力発電所です。14年が経過した内部にTOKYO MXのカメラが入りました。 世界最悪レベルの原発事故から14年となる福島第1原発1号機前に来てみると、水素爆発によってむき出しとなってしまった鉄骨が今も残り続けています。構内は立ち入ることができないエリアがいまだに多く存在しています。 2011年3月11日、東日本大震災による高さ15メートルの津波によって、福島第1原発の全ての電源は喪失しました。核燃料を水で冷やすことができなくなり、充満した水蒸気とウランによる化学反応で水素爆発が起き、1号機の建屋は崩壊しました。そして、当時運転中だった3基の原子炉では核燃料が溶け落ちるメルトダウンが発生しました。 現在、1号機から3号機では放射性物質を含む処理水の放出が進む一方で、溶け落ちた核燃料の取り出しは困難を極めています。 現在核燃料の試験的な取り出しが行われている2号機と同じ構造で、メルトダウンを免れた5号機にカメラは入ることができました。しかしそこで目の当たりにしたのは、核燃料の取り出し作業の難しさです。福島第1原子力発電所内の96％の場所は軽装な作業着で入れますが、5号機の中は放射線量が高いため、防護服を着る必要があります。そして狭い構内を進んでいくと、天井に並ぶ無数の突起物が見えてきました。これは原子炉の出力を調整するための制御棒です。この場所は5号機の圧力容器を支える土台部分で、この真上には今も核燃料が装填（そうてん）されています。 2号機では溶け落ちた燃料がこの天井の突起物を巻き込み落下し、それが燃料デブリとなって固まっています。燃料が溶け落ちた2号機の内部は即死するほど極めて高い放射線量となっていて、人が近づくことはできません。そのため取り出しはロボットによる作業となり、現在、試験的に実施されているのが圧力容器入り口のすぐ近くにある「X-6ペネ」と呼ばれる小さな穴を使う方法です。本来は定期点検の際、器具などを運ぶためのこの穴にロボットアームを入れ、遠隔操作で格納容器の下に落下している燃料デブリを釣りざお型のアームで取り出すというものです。 機器の不備などにより2021年までに始めるとしていた当初の計画から3年延期しましたが、2024年11月にはようやく、燃料デブリの一部を取り出すことに成功しました。しかしその量はわずか0.7グラムでした。溶け落ちたデブリは1号機から3号機に合わせておよそ880トンあると推定されていて、今年＝2025年の春には2回目の試験的なデブリの取り出しが2号機で計画されています。 東京電力・廃炉推進カンパニーの高原憲一副所長は「どこまで国がしっかり説明しているのかということに関しては、地元の自治体・住民にはさまざまな思いがある。国が説明したと思ったとしても、住民にとっては『全然説明していないよ』と思う感情はあるかもしれない。住民からも『説明していないよ』という意見を聞いて、それに対してまた進めていくことが必要。一方通行では駄目」と話しています。 政府と東京電力は2051年までの廃炉を目指しきょうも作業を続けています。