元犯罪者らの社会復帰を支援 更生目指す男性が突然の失踪 再犯防止の現実【新潟】スーパーJにいがた3月14日OA скачать в хорошем качестве

元犯罪者らの社会復帰を支援 更生目指す男性が突然の失踪 再犯防止の現実【新潟】スーパーJにいがた3月14日OA

刑務所を出所した人や裁判で刑が確定し執行猶予中の人が自立できるまでの間、一時的に住むことができる「自立準備ホーム」という施設があります。法務省の保護観察所から委託を受けたNPO法人などが運営していて、それぞれの特徴を生かし、入所者の自立に向けて指導しています。 去年9月、この施設で社会復帰を目指す2人の入居者の様子をお伝えしました。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー ▶去年9月動画 65歳から窃盗繰り返し5回逮捕… なぜ再び罪を犯すのか 出所者の自立支援 再犯を防ぐ　スーパーJにいがた9月15日OA    • 65歳から窃盗繰り返し5回逮捕… なぜ再び罪を犯すのか 出所者の自立支援 再犯を防ぐ...   それぞれの生活はどうなったのか、社会復帰は果たせたのか、その後を取材しました。 ─────────────────── 今月上旬、5か月ぶりに訪れたその場所に、入所者の姿はありませんでした。 ■自立準備ホーム 村上慶乃介さん 「すっからかんです。エアコンとかもこれから入れていこうとか色々やっていたんですけど、突然こんなことになってしまったので。」 一体何があったのか… ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー ■山本さん(仮名・当時49) 「コロナの時に、もう仕事をなくし、住まいもなくし、全てを失って結局窃盗で捕まって。お腹が減ったから物をとろう、歩きすぎて靴が壊れて歩けないから靴をなんとかしよう、とかそういう衝動で。」 窃盗の罪で、懲役1年7カ月・執行猶予3年の判決を言い渡された「初犯」の山本さん。新潟市内のこの「自立準備ホーム」で社会復帰に向け生活していました。 ■山本さん(仮名・当時49) 「普通に住むところがあって仕事して収入を得ているんだったら、それ以上のものを望む必要はないわけじゃないですか。だったら再犯っていうことはもう万に一つもないですよね。」 81歳の鎌田さんは、65歳の時に初めて罪を犯し、計5回、窃盗の罪で逮捕されました。 ■鎌田さん(仮名・81) 「農薬を2000円くらいの。万引きですこて。反省してますわ。(刑務所で)切ない思いをして、もう2度としないつもりでいます。」 2人が入所する自立準備ホームを運営するのが村上慶乃介さん(46)です。 葬儀会社の社長として事業を営む傍ら、出所者の自立を支援するため、去年3月に施設を立ち上げました。 ■自立準備ホームを運営　村上慶乃介さん(46) 「本業の葬祭業を通して、社会から孤立している人たちを見たときに、何か支援ができないかと。」 保護観察所から委託を受けたNPO法人などが、それぞれ独自のやり方で出所者の自立支援を行う「自立準備ホーム」。村上さんが大切にしているのは、入所者に快適な環境を提供することです。 ■村上慶乃介さん 「うちの自立準備ホームにいることが、本人にとって幸せであること。そうすれば本人たちもある程度心は満たされて、再犯しなくなるんじゃないかというところで。」 ーーーーーーーーーーーーーーーーーー この日進められていたのは、鎌田さんの荷造り。4カ月の準備期間を経て、自宅に戻ることになりました。 ■鎌田さん(仮名・81) 「3月14日はもう自分の荷物今しまって、帰る準備してました。大変喜んでますわ。」 定着支援センターの職員が迎えに訪れ、身支度を整えます。 村上さんとは、ここでお別れです。 ■村上慶乃介さん 「困ったことあったら電話してください」 ■鎌田さん(仮名・81) 「お世話になりました。」 鎌田さんの新たな生活がスタートしました。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー この日、村上さんは車である場所に向かいました。 ■村上慶乃介さん 「これから警察署に被害届を出しに行きます。そのための事情聴取で。刑事さんと面談です。」 被疑者は、あの山本さん。 ■山本さん(仮名・当時49) 「自分を支援してくれているのに、その人に迷惑をかけるってことは、恩を仇で返しているだけのことじゃないですか。だからそれはやっちゃいけないことだって、自分でも子供じゃないんで、そのぐらいの認識はしています。」 山本さんに何があったのか。 ■村上慶乃介さん 「『会社のカードでATMからお金を引き出しました』と。」 保護期間が11月で終了した山本さんは、次の仕事が見つかるまでの間、管理人として施設に残り、村上さんの本業の手伝いをしていたといいます。クレジットカードは会社の備品の購入などのため、村上さんが信頼して渡したものでした。 ■村上慶乃介さん 「『ちょっとよこしまな気持ちが自分の中に出て、(カードを)入れたらお金が出てきた』と。そしたらもうパチンコすぐ行ってしまって。やっていくうちに、10万円ほどお金引き出しちゃいました。というので。」 注意するとともに返済計画も立て、解決。しかし1週間後、カードの明細には、聞いていた額の2倍近い18万円を下ろした記録が表示されていました。 ■村上慶乃介さん 「残りの領収書を全部出してくれって。それももらったら、要は自分のものっていうんですかね、タバコとか、携帯電話の充電ケーブルとか、そういった私用のものを会社のカードで買っていた。それが発覚して2，3日くらいで突然ここからいなくなってしまって、もうそれっきりっていう形ですね。」 免許証も保険証もすべてを残したまま、失踪。それ以来、一切連絡は取れていません。 ■村上慶乃介さん 「いや～…もうなんて言ったらいいかな…。やっぱりカードっていうスイッチを持たせてしまった僕に1番原因があって、もしカードを渡していなかったら、彼のスイッチは入らなかったかもしれないので。さすがに自分の浅はかさと、信じていた本人が、全く本人にはその気がなかったっていうのが、とにかくショックでしたね。」 構築できたと思っていた信頼関係は、一瞬にして崩れ落ちました。 ■村上慶乃介さん 「『いやまだなんとかなんじゃないか』って、最後の最後まで悩んでたんですけど、1か月経って何の音沙汰もなければ、もうじゃあ本人もそういうことなんだなって…。」 警察署に入り2時間後、村上さんが出てきました。 ■村上慶乃介さん 「とりあえず本人を身柄確保することに勤めますということでしたね。僕も区切りは1つつきましたね。ここを出すか出さないかをずっと悩んできていたとこだったので。」 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 誰もいなくなった施設を歩き... ■村上慶乃介さん 「賑やかでしたからね、一時は。やっぱこうなってみると、広いし、寂しいですよね。」 村上さんは今月いっぱいで自立準備ホームの運営をやめることを決めました。 ■村上慶乃介さん 「もっと(出所者が)来てくれれば回るんだけど、1年やってこないってことは、支援の資源としては新潟は足りてるのかなって」 入所者が少なく、運営の維持やトラブルへの対処に本業から持ち出した費用は200万円以上にのぼったということです。 ■村上慶乃介さん 「本業を通して福祉関係の人たちともたくさん繋がりがあるので。犯罪者に限定せず、社会福祉活動はもうずっとライフワークとしてやっていきたいなと思っていますね。」 ─────────────────── 2022年、刑法犯全体における再犯者の占める割合は47.9％で、約2人に1人は過去に罪を犯した人が再び罪を犯す、再犯者ということになっています。 2024年3月14日放送時点の情報です。 #犯罪 #社会復帰 #更生 #自立支援 #再犯 #ニュース #その後 #UX新潟テレビ21 #新潟