【発達障害】WAIS検査でわかること・わからないこと【精神科医が11.5分で説明】ASD・ADHD｜大人の発達障害｜知能検査 скачать в хорошем качестве

【発達障害】WAIS検査でわかること・わからないこと【精神科医が11.5分で説明】ASD・ADHD｜大人の発達障害｜知能検査

0:00 （１）はじめに 0:23 （２）発達障害とWAIS検査 2:47 （３）WAIS検査でわかること3つ 2:54 ①知的能力 3:54 ②得意と不得意 5:24 ③客観的な特徴 6:48 （４）WAIS検査でわからないこと3つ 6:55 ①直接の診断 7:30 ②性格特性 8:07 ③すべての能力や予後 9:21 （５）発達障害診断でのWAIS検査の位置づけ 10:30 （６）まとめ 発達障害（ADHD・ASD）の中でも特に「大人の発達障害」の診断で、知能検査（WAIS検査・WAIS-Ⅳ）がよく行われます。客観的な状態として診断のヒントになる一方、検査だけではわからないこともあります。 「WAIS検査でわかること・わからないこと」について、精神科医が11.5分で説明しています。 出演：春日雄一郎（精神科医、医療法人社団Heart　Station理事長） こころ診療所吉祥寺駅前　https://kokoro-kichijoji.com 府中こころ診療所　https://fuchu-kokoro.com チャンネル登録お願いします　   / こころ診療所チャンネル   ↓詳しい内容はこちらです。 （１）はじめに 発達障害の診断において、心理検査は重要な役割を果たします。その代表的な検査が知能検査であるWAIS検査です。この記事では、WAIS検査で何がわかり、何がわからないのかについて詳しく解説します。 （２）発達障害とWAIS検査 発達障害は、ASD（自閉症スペクトラム）とADHD（注意欠如多動症）が代表的な、生まれながらの脳機能の偏りです。多くは幼少期に発見されますが、成人後に気づかれることもあります。 WAIS検査は、主に成人に対して行う代表的な知能検査です。2024年現在の最新版はWAIS-Ⅳで、一対一で約2時間かけて対面で行われます。様々な問題を解くことで、知能指数（IQ）をはじめとする詳細な情報が得られます。 （３）WAIS検査でわかること3つ ①知的能力 WAIS検査では、全体的なIQ（平均100）だけでなく、以下の4つの領域における能力も数値化されます： 1. 言語理解：言葉に関連することの理解 2. 知覚推理：視覚的情報の処理や抽象的概念の理解 3. ワーキングメモリー：短期記憶や聴覚での理解 4. 処理速度：シンプルな作業の処理能力 ②得意と不得意 領域ごとの数値から、得意分野と苦手分野が明確になります。これは生活の様々な場面での相性を示唆し、個人の生活をどのように最適化できるかのヒントになります。また、得意と苦手の差の大きさ（ばらつき）は、発達障害の診断の一つの指標となる可能性があります。 例えば： 視覚優位か聴覚優位か 言語的理解と非言語的理解のどちらが得意か 得意と苦手のばらつきの大きさ ③客観的な特徴 2時間に及ぶ検査の中で、受検者の様々な反応や特徴が観察されます。特に発達障害に関連する特徴が客観的に見える場合があります。 ADHDの可能性を示唆する所見の例： 問題でのケアレスミスが多い 会話や解答が話題から逸れやすい 問題が分からない時にストレス反応として衝動的になる ASDの可能性を示唆する所見の例： 問題の細部にこだわりすぎて全体が見えない 問題の意図を踏まえない解答が目立つ 考える際の表情や声のトーンに特徴がある （４）WAIS検査でわからないこと3つ ①直接の診断 WAIS検査の結果はあくまで所見の一つであり、単独では発達障害の診断はできません。発達障害の診断は、様々な角度からの情報を総合的に判断して行われます。 ②性格特性 WAIS検査は知能検査であり、性格を直接評価するものではありません。性格面の評価には、投影法など別の検査を組み合わせることがあります。 ③すべての能力や予後 WAIS検査では測定できない能力もあります。例えば： 創造力や独創性 動機付けや熱意 純粋な運動能力 また、IQの数値だけで将来の予後を特定することはできません。IQでは測れない人間性の要素も大きく、IQは参考にはなりますが、とらわれすぎないことが大切です。 （５）発達障害診断でのWAIS検査の位置づけ 発達障害の診断は、病歴を含む診察を通じて様々な情報を集めて行います。WAIS検査は、問診や病歴で生じうる主観的な影響を補う客観的なデータを提供する点で重要です。しかし、単独で診断するには限界があり、あくまで診断データの一部として位置づけられます。 一方で、WAIS検査の結果は、診断後（発達障害でないと診断された場合も含む）の生活改善のヒントとしても大きな価値があります。 （６）まとめ WAIS検査は、成人の発達障害診断でよく用いられる代表的な知能検査です。IQを含む詳細な数値データから、様々な生活上のヒントが得られます。しかし、単独での発達障害の診断は不可能であり、性格や創造力など測定できない部分もあります。 発達障害の診断において、WAIS検査は問診などの主観的要素を補完する客観的データとして有効です。ただし、診断全体の中での一部であり、他の情報と併せて総合的に判断することが重要です。 こころ診療所グループ（医療法人社団Heart　Station） 府中こころ診療所（東京都府中市宮西町1-1-3三和ビル2階、☎042-319-7887) こころ診療所吉祥寺駅前(東京都武蔵野市吉祥寺南町1-4-3ニューセンタービル６階、☎0422-26-5695) #wais4 　#発達障害 　#知能検査 　#大人の発達障害 　#精神科医　 【監修者】 医療法人社団Heart　Station　理事長　府中こころ診療所院長　春日雄一郎 精神科医（精神保健指定医、日本精神神経学会精神科専門医） 2005年東京大学医学部卒業、NCNP病院、永寿会恩方病院等を経て、2014年に府中こころ診療所を開設、その後医療法人化し理事長に就任、2021年8月に分院「こころ診療所吉祥寺駅前」を開業。メンタルクリニックの現場で、心療内科・精神科の臨床に取り組み続けている。