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古い町並 鷺浦は出雲大社の真裏に位置し、天然の良港を持つ集落である。中世には出雲大社領7浦の一つに数えられた港町である。 江戸時代には北前船の入港などで賑わったというが、後背地を持たないので、大きな商業取引は無かったようだ。しかし船主の屋敷が集落に多く残っているところを見ると、漁業とともに船乗り稼業も多かったようだ。 明治政府の「皇国地誌」によると戸数163・人数725。200~300石船2、200石以下船7、50石以下漁船108。一年の出入り船600。産物は木の実225石・薪6,500貫・ワカメ2万枚・アラメ1,200貫・アジ1,600貫・イワシ530俵・アワビ60貫・サザエ1,580個とある。 職業構成は漁業80・商業30・雑50で鷺浦村では漁業で生計を立てていた様子が判る。 集落は小さな湾の縁に沿って細い道と民家が建ち並ぶ。切り妻造りの平入りの民家が多く、壁は板張りと白漆喰で、屋根は石州瓦の赤瓦が多い。この集落も海岸が埋め立てられて道路になっているが、本来の道は集落の中を路地のように続いている。集落の中には大きな商家の建物も混じり、屋号を揚げている家もあり、かっての繁栄した当時を彷彿とさせる。 地元の方に聞くと、この家もあの家も船主の家だったと説明してくれた。普通の漁港の集落の町並よりも、この集落は大きな間口を構えた家が多く、江戸末期から明治にかけて繁栄していた様子が伺える。