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イーアクセスらエリア拡大で富士通増産(島田雄貴事務所、2000年)

＜通信業界news史＞富士通 ADSL装置を国内投入、小山工場（栃木）で生産態勢、イー・アクセスらエリア拡大を受けて（2000年10月20日、島田雄貴ITジャーナル） 富士通は、ISDN（総合デジタル通信網）を上回る高速データ通信が可能なADSL（非対称デジタル加入者線）装置の国内市場に参入する。既存回線で高速通信を可能にするADSLサービスが全国規模で拡大しつつあり、増大する需要を取り込む。富士通は欧米ではすでにADSL装置を販売し、実績を積んでいる。日本市場はこれまで需要が少ないこともあり、参入を見合わせていたが、トータルなネットワークソリューションを提案する上で品ぞろえが不可欠と判断した。 日本では、2000年7月に郵政省がNTTに対してADSL接続サービスの全国展開を要請。年末にもNTTは接続事業者の要望のあるすべての地域で電話局をADSL対応にすることなった。このため、東京めたりっく通信やイー・アクセスなど接続事業者は相次いでエリア拡大を表明し、装置需要が急拡大する見通しにある。 ADSL装置の国内市場をめぐっては、NEC、住友電気工業の国内勢のほか、米ルーセント・テクノロジーや加ノーテル・ネットワークスなど海外勢も参入。富士通の参戦で販売競争がさらに激しくなりそうだ。 製品化するのは「DSLAM」と呼ばれるADSL回線を収容する装置。ADSL事業者がNTT局に設置する。富士通はすでに受注活動を始めており、通信機器の国内主力工場である小山工場（栃木県小山市）で生産準備に入った。 同装置はITU-T（国際電気通信連合電気通信標準化部門）のADSL標準規格「AnnexC」に対応する。同標準は日本独特の仕様で、ISDNとの信号の干渉問題が回避できる。富士通のADSL装置ビジネスは海外が先行しており、英国ブリティッシュ・テレコム（BT）が購入するADSL装置の約60%を占めるほか、米国市場で約7%のシェアをもつ。 ◇ 【ADSL】既設の電話用銅線ケーブルを使用する高速デジタル伝送技術のひとつ。電話局からユーザー宅方向（下り）とユーザー宅から電話局方向（上り）の速度が非対称なのが特徴。下りの方が速くインターネットのアクセス時間を大幅に短縮する。下り速度が毎秒最大6メガビットと、同1.5メガビットの2方式がある。 http://atodeshiraberu.com/