関西は“スーパー戦国時代”に！？　光り輝くネオン＆格安でおなじみの「スーパー玉出」に異変？　約60店舗→19店舗に減少　ライバルはスーパーだけでなくドラッグストアも！？【きょうの深掘り】 скачать в хорошем качестве

関西は“スーパー戦国時代”に！？　光り輝くネオン＆格安でおなじみの「スーパー玉出」に異変？　約60店舗→19店舗に減少　ライバルはスーパーだけでなくドラッグストアも！？【きょうの深掘り】

関西はいま、“スーパー戦国時代”となっています。 　首都圏を地盤とするディスカウントスーパー「オーケー」が去年、関西初進出し、さらに、「トライアル」「バロー」など、各地から本格参入が続いています。 　勢力図はどう変わるのでしょうか。 　経営コンサルタントの岩崎剛幸氏に聞きました。 　大阪の名物スーパーといえば「スーパー玉出」。 　1978年に西成区で誕生し、最盛期には60店舗近くありました。 　しかし、現在は19店舗にまで減少しています。 　減少した背景として、岩崎氏は３つの要素を挙げます。 １、“特売”が困難に 　「スーパー玉出」といえば、“1円セール”などの激安商品がありました。 　これは「一定金額購入で特売品を1円で購入できる」というものです。 　・・・しかし現在、物価高騰の影響で、１円セールは月1回となっています。 　かつてはメーカーが大量生産したものを、スーパー側が安く大量に仕入れて特売することができました。 　しかし、メーカーの在庫管理が高度化し、余剰品を作らない方針に変化していきました。これにより、スーパー側は特売商品を作りにくい状況になっています。 さらに、岩崎氏は「消費者の志向も、“特売”から『どの商品もいつでも安い』or『高いけど品質がいい』に変わっている」といいます。 ２、“名物”が経営を圧迫 　さらに人件費や“ある名物のための費用”が経営を圧迫していました。 　「スーパー玉出」が売りにしていた「24時間営業」や「光り輝くネオン」。 　その名物が経営を圧迫しているといいます。 　人件費は割増になり、さらに電気代の高騰が直撃したのです。 3、強力なライバルが乱立　さらにスーパー機能を兼ねたドラッグストアが参戦 　関西はいま、“スーパー戦国時代”となっています。「トライアル」「バロー」「ロピア」「オーケー」など、各地から本格参入が続いています。さらに近年、ドラッグストアがスーパーとしての機能も果たすようになりました。 　日本チェーンドラッグストア協会の調べによると、ドラッグストア販売額のうち「フーズ・その他」が28.2％を占めています。 岩崎氏は「薬を買うついでに生鮮食品も買ってもらうという、高齢化時代を念頭に置いた戦略」だといいます。 価格競争の面でも、ドラッグストアは低価格の商品を打ち出しています。 　この理由について、岩崎氏は「圧倒的な店舗数で、種類をしぼって安く仕入れている」「優秀なバイヤーを獲得できている」ことを挙げています。 　ドラッグストアの店舗数は年々増加し、それに伴い業界全体の売上も伸びています。 他の業界と比較してみても、スーパーは2015年度と比較して、2024年度はほほ横ばい。コンビニは約2兆円伸びているのに対して、ドラッグストアは約4兆円伸びています。 岩崎氏は「これからもドラッグストアは伸びる」「今後この3者による小売り競争が激しくなる」としていて、「価格競争やポイントなどのサービス強化が進んでいくだろう」といいます。 　競争が激化する中、「スーパー玉出」も戦略を立てて“V字回復”を目指しています。 「肉のハナマサ」と業務提携し、大阪市内の8店舗を「肉のハナマサ」に譲渡。 　これにより「スーパー玉出」には、「肉のハナマサ」のプライベートブランド商品が並ぶなど、相互に商品供給を始めました。 さらに「スーパー玉出」は、老朽化した店舗を改修し、梅田の周辺地域やファンの多い大阪南部に新店舗を予定しているそうです。 「スーパー玉出」の担当者は、「ファンを増やす努力を積み重ね、来年は大きくV字回復を目指したい」としています。 　では関西のスーパー事情は今後、どうなっていくのでしょうか。岩崎氏は「地元密着型・関西外発のスーパーやドラッグストアなど、多様な店が存在することになる。用途に応じて店を使い分けるなど、消費者の選択肢は広がるのでは」といいます。 （話：岩崎剛幸さん） 「スーパー玉出」はSNS上では非常に人気がある。若い人たちの評判がいい。 　「肉のハナマサ」と組むことで、若い人を中心に新しい顧客が増える可能性がある。 　また、大阪には「越前屋」「八百鮮」など、１店舗・数店舗しかないが人気のあるスーパーが多くある。 　大阪にまだ出店していないスーパーがいくつもあり、そこにドラッグストアも加わって、大阪は“スーパー天国”になるのは間違いない」 （２０２５年１２月１２日放送「newsおかえり」「きょうの深掘り」コーナーより）