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3分でわかる渡辺崋山（人から分かる3分美術史75）

江戸時代後期の絵師であり、肖像画の名手として知られる渡辺崋山を紹介します。 *** こんにちは。人から分かる3分美術史。 今日は渡辺崋山について勉強していきましょう。 渡辺崋山。1793年生まれ。江戸時代後期の絵師であり、肖像画の名手として知られます。 崋山は、徳川11代将軍家斉統治下の江戸で、現在の愛知県にあたる三河国田原藩の藩士の息子として生まれました。崋山の父は藩主に近習として仕える上級武士でしたが、田原藩は度重なる飢饉によって財政難に陥っており、崋山も貧しい生活を強いられました。 そこで崋山は生活費を賄うため、父と共に藩務をこなす傍ら、絵の修行を始めます。 崋山は当初、南画家の白川芝山に入門しますが、謝礼を支払えなかったため破門。そこで身内のつてを頼りに金子金陵に入門しました。金陵は江戸後期を代表する文人画家の一人である谷文晁の弟子であり、そのつてで崋山は文晁の指導も受けました。 その頃の崋山の作品が「蘆汀双鴨図」。 1814年、21歳の頃の作であり、文晁の影響を受けた沈南蘋風の花鳥画となっています。 間もなく画家として名が知られはじめた崋山は、肖像画家として人気を博していきました。 「鷹見泉石像」。崋山44歳頃の作品です。西洋画の陰影表現を取り入れ、写実的で気迫に満ちた相貌と、様式的な衣服の描写の対比が特徴です。 また、崋山は優れた儒学者としても知られ、高野長英ら蘭学者らを中心に結成された知識人の会議、尚歯会に参加。国内外の課題について盛んに議論を交わしました。 しかし、西洋の学問の普及に危機感を抱いた幕府により、尚歯会の知識人たちが捕らえられる事件、蛮社の獄が起こります。 それにより崋山は国許蟄居の処分となり、その後、その罪が藩主に及ぶのを避けるため、1841年に49歳で自決します。 しかしその画業は椿椿山ら多くの弟子に受け継がれ、また、その勤勉かつ忠孝な人格は日本人の規範として、長らく親しまれたのでした。 以上！