【精神科】生きづらさが目立つ精神疾患等4つ【精神科医が10分で説明】境界知能｜発達障害｜HSP｜パーソナリティ障害 скачать в хорошем качестве

【精神科】生きづらさが目立つ精神疾患等4つ【精神科医が10分で説明】境界知能｜発達障害｜HSP｜パーソナリティ障害

0:00 （１）はじめに 0:20 （２）生きやすさは平等ではない 2:11 （３）生きづらさが目立つ精神疾患等4つ 2:19 ①境界知能 3:26 ②発達障害 4:56 ③HSP 6:05 ④パーソナリティ障害 7:21 （４）生きづらさを乗り越えるには 9:06 （５）まとめ 特性などにより様々なことをする「人生の難易度」は人により差が出ます。その中で、境界知能・発達障害・HSP・パーソナリティ障害などの「持続する生きづらさ」を抱える精神疾患等があります。現実を受け入れつつできる取り組みをして、それでも残る限界に合わせて合う環境を探していきます。 「生きづらさが目立つ精神疾患等4つ」について、精神科医が10分でまとめています。 出演：春日雄一郎（精神科医、医療法人社団Heart　Station理事長） こころ診療所吉祥寺駅前　https://kokoro-kichijoji.com 府中こころ診療所　https://fuchu-kokoro.com チャンネル登録お願いします　   / こころ診療所チャンネル   ↓詳しい内容はこちらです。 （１）はじめに 人には個性がそれぞれあり、生きやすさも人それぞれ異なります。その中で特性や苦手な部分から生きづらさを感じることがあります。本記事では、特に生きづらさが目立つ精神疾患等4つについて、その特徴と対処法を解説していきます。 （２）生きやすさは平等ではない 人生において、私たちは生活や対人関係、仕事を継続的に行っていく必要があります。しかし、これらの活動をどれだけスムーズに行えるかには、大きな個人差があります。 例えば、仕事では様々な課題を解決しながら、対人コミュニケーションや雑談をこなしていく必要があります。また、人間関係を構築し、集団や相手との関わりを適切に調整していくことも求められます。日常生活においても、様々な手続きや決まり事をこなしていかなければなりません。 これらの活動は、人によって難易度が大きく異なります。また、同じ人でも行う事柄によって得意不得意の差が生じることも多いのです。すべてが得意な人もいれば、多くのことに苦手意識を持つ人もいて、その差は顕著です。 （３）生きづらさが目立つ精神疾患等4つ ①境界知能 境界知能とは、IQ70から84の範囲に位置する、知的障害までは至らない全般的な知的能力の制限を指します。思考力や記憶力全般に苦手があり、特に複雑な事柄の理解や実行が困難です。 職場では必要な技術の習得に時間がかかり、複雑な業務の理解が難しく、周囲との差が開いてしまうことがあります。生活や仕事に関して、単純な作業は問題なくできますが、複雑になると対応が困難になります。無理して適応しようとし続けると、ストレスが蓄積してうつ病を併発するリスクが高まります。 注意点として、境界知能は知的障害には該当せず、障害者としての支援を受けにくい状況があります。そのため、複雑な事態への対応は基本的に自助努力が必要となり、生活をなるべくシンプルに保ちながら、自分に合う環境を探すことが重要です。 ②発達障害 発達障害の代表的なものとして、ADHD（注意欠如多動症）とASD（自閉症スペクトラム）があります。これらは生まれつきの脳機能の偏りで、基本的に薬物療法では完治せず、日々の特性への対応が重要となります。 ADHDでは、不注意、多動、衝動性が特徴的で、ミスや忘れ物が目立ちます。社会ルールを守れないことでの生きづらさ、興味のないことへの集中困難、衝動的な行動によるトラブルなどが課題となります。 ASDでは、相手の感情理解の難しさ、場に合わない言動、雑談の困難さなどが特徴です。また、こだわりの強さによる他者とのトラブルや、急な変化への対応困難、第一印象での誤解なども生きづらさの要因となります。 ③HSP HSP（Highly Sensitive Person）は、「とても敏感な人」を表す心理学的概念です。様々な刺激に敏感で疲れやすく、精神不調になりやすい特徴があります。 HSPの方々は、環境からの刺激を強く受け取りやすく疲労しやすい傾向があります。また、他者への共感性が高く巻き込まれやすい面や、ストレスの影響を受けやすい特徴があります。 注意点として、HSPは精神医学的な病名ではなく特性であり、特性自体への薬物療法はありません。ただし、不安障害の診断基準を満たす場合やうつ病を併発した場合には、それぞれに応じた薬物療法が検討されます。 ④パーソナリティ障害 パーソナリティ障害は、感情や考え方などに持続的な強い偏りがみられる精神障害です。素因と経験の積み重ねによって発症するとされ、主なものとして以下の3つがあります： 境界性パーソナリティ障害：感情のコントロールが特に困難で、見捨てられ不安や操作的な行動が特徴 自己愛性パーソナリティ障害：自己の特別視と他者軽視が特徴 演技性パーソナリティ障害：過剰な承認欲求による演技的な行動が特徴 パーソナリティ障害では、安定した対人関係の維持が難しく、社会生活の困難さからうつ病などを併発しやすい傾向があります。ただし、自己愛性パーソナリティ障害などでは、本人より周囲が困難を感じるケースも少なくありません。 （４）生きづらさを乗り越えるには 生きづらさへの対応には、以下の3つの方向性が重要です： 1. **現実を受け入れる**： 自身の相対的な能力、得意不得意を理解し受容します。人生設計は現実に照らして適宜調整しますが、できることも多くあるため、悲観や自暴自棄は避けましょう。 2. **改善に取り組む**： 生来の能力に制限があっても、できる範囲での改善を目指します。苦手な面は最低限のレベルを目標とし、得意な部分を伸ばすことを主眼に置きます。 3. **環境を選ぶ**： 相性の悪い環境や、能力差が立場に直結する環境は避け、強みを活かせる場所を選びます。努力が自然な形で評価される環境を見つけることが重要です。 （５）まとめ 人生における様々な活動の難易度は、個人によって大きく異なります。本稿で紹介した境界知能、発達障害、HSP、パーソナリティ障害は、特に生きづらさが顕著な状態です。 これらの特性自体には基本的に治療薬がないため、現実を受け入れることを基盤としながら、技術習得や環境調整など変更可能な部分での改善を目指すことが重要です。誰もが自分らしく生きていける社会の実現に向けて、理解と支援の輪が広がることを願っています。 こころ診療所グループ（医療法人社団Heart　Station） 府中こころ診療所（東京都府中市宮西町1-1-3三和ビル2階、☎042-319-7887) こころ診療所吉祥寺駅前(東京都武蔵野市吉祥寺南町1-4-3ニューセンタービル６階、☎0422-26-5695) #精神疾患 　#生きづらさ #境界知能 　#発達障害 　#精神科医　 【監修者】 医療法人社団Heart　Station　理事長　府中こころ診療所院長　春日雄一郎 精神科医（精神保健指定医、日本精神神経学会精神科専門医） 2005年東京大学医学部卒業、NCNP病院、永寿会恩方病院等を経て、2014年に府中こころ診療所を開設、その後医療法人化し理事長に就任、2021年8月に分院「こころ診療所吉祥寺駅前」を開業。メンタルクリニックの現場で、心療内科・精神科の臨床に取り組み続けている。