DIATONE 2S-305について語ろう！ скачать в хорошем качестве

DIATONE 2S-305について語ろう！

DIATONE DS-2S-305について語ろう！ DIATONE DS-2S-305は、日本の放送用モニタースピーカーとして、発売されてから実に35年という驚異的な超ロングランに活躍したスピーカーです。 DIATONE DS-2S-305は、日本の優れたスピーカーの製作に大きく貢献した歴史的な価値のあるスピーカーとして、みんなでDIATONE DS-2S-305を語り合いましょう。 Audio Communityのtwitterはこちら   / audio_community   DIATONE 2S-305について語ろう！ DIATONE 2S-305は、1962年発売から1993年5年頃まで約35年程現役で発売されていました。 DIATONE 2S-305は、もはやスピーカーのギネス級ともいえる超ロングセラーであり 、日本のスピーカーの最高の名機といっても、誰も否定できないものだと思います。 DIATONE 2S-305は1957年（昭和32年）に開発され、1958年からNHKに納入、1962年より一般販売されています。 NHKのモニターシステムとして昭和30年暮に 2S-660型非同軸複合 2ウエイ・ スピーカシテムを完成しました。 その2S-660型非同軸複合 2ウエイ・ スピーカシテムを大幅に見直し、より高音質化へと改良されたのが、DIATONE 2S-305になります。 2S-660が、中高音を回折効果を軽減する為にオルソンタイプのエンクロージュアを採用されていましたが、DIATONE 2S-305では、低音再生限界を下げるためにエンクロージュアの両サイドを丸めたラウンドバッフルを採用しています。 DIATONE 2S-305の設計段階から、低音用振動板の頂角を65°にして、メカニカルカットオフ状態を作り出して、高域限界周波数をクロスオーバー周波数1500Hzで-12dB/octの減衰させる狙いがありました。 この低音用のウーファーの自然減衰によるメカニカルカットのクロスオーバー周波数1500Hzで-12dB/octの減衰させることに成功したことで、ネットワークの簡素化ができ、音質を向上させることに大きく貢献することができました。 DIATONE 2S-305の仕様（省略） DIATONE 2S-305には、低音用ユニットと高音用ユニットを組み合わせたときのレベルを調整するアッテネーターが無いので、両ユニットのレベルが完全に合う完璧なユニットを製作するしかありませんでした。 そのために振動板の重量管理、磁気回路の磁束密度管理、接着剤の散布重量の管理など、各作業工程ごとの大変厳しい管理の下で製作しなければなりませんでした。 音質面の管理では、無饗室で測定した再生周波数特性のデータの違いを少しでも究明することに努めました。 それらを計測する為の計測技術も計測機器の無い時代だったので、ほとんどが手探り状態で様々な計測技術を開拓することになりました。 このときの計測技術の開発が、後のスピーカー技術を支えることに大きく貢献し、次々を新技術の開発することになりました。 DIATONE 2S-305は、日本のスピーカー技術の向上に大きく貢献したスピーカーだといえます。 その意味でもDIATONE 2S-305は、日本のスピーカーの歴史的に価値の高いスピーカーだと思います。 DIATONE 2S-305は、後のダイヤトーンが求めた箱鳴りを抑えるように箱を高密度な硬質のパーティクル ボードでエンクロージャーを固めるのとは異なり、ある程度、箱鳴りを利用して低音の再生を拡大しているタイプのスピーカーです。 当時は、スピーカーの箱を頑強に固めるという方法は、考えられていなかったものだと思います。 当時のスピーカー技術を考えれば、DIATONE 2S-305は、難しいラウンドバッフルに挑戦したスピーカー技術的にも最高に近いスピーカーで、ラウンドバッフル技術などは、現在のスピーカーにも引き継きつがれています。 私が、初めてDIATONE 2S-305を視聴したのは、最初にDIATONE 2S-305が発売されてから、既に20年は過ぎていたと思います。 最初にDIATONE 2S-305を視聴して感じたことは、中音域の音に張り出しがあり、ボーカルの声がクリアーに再生されるので、声のモニタリングがしやすいように思いました。 低音は、典型的な箱鳴りを利用したバスレフ型の低音で、他のスピーカーとの違いは全く余分な飾りが感じられないことです。 DIATONE 2S-305は、どのような音楽でも、DIATONE 2S-305流の真面目な再生音で、卒なくこなしていく感じです。 DIATONE 2S-305の音には曖昧さがなく非常に真面目な印象があり、これが、DIATONE 2S-305、日本のモニタースピーカーの音なのかと思いました。 最初にDIATONE 2S-305の音を聴いて感動したかと言われると、うーん！　オーディオファンの言われるような感動というのは、正直、私にはありませんでしたね。 DIATONE 2S-305は、真面目で良い音のなのですが、現在の高音の再生周波数レンジからするとDIATONE 2S-305の高音再生周波数レンジの狭さが原因か知れませんが、少し音が古いように感じられました。 既にCDが普及し始めていたこともあり、DIATONE 1000シリーズの高密度・高解像度という音も良く視聴していたので、それらに比べるとDIATONE 2S-305の音に何か物足りなさがあるように思いました。 しかし、DIATONE 2S-305が登場した当時では再生周波数レンジも十分に広く、大変優れたスピーカーであったということは、DIATONE 2S-305の音・音質から十分の想像ができます。 しかしながら、私にはDIATONE 2S-305の音が、少し古く感じてしまいました。 もうひとつDIATONE 2S-305の音で気になったことは、低音が硬質でクールに再生されることです。 どうしても、DIATONE 2S-305の硬質でクールな低音の為に音楽に艶というか潤いのようなものが感じられなく、音楽を聴いていても何か楽しくないのです。 DIATONE 2S-305というのが、モニタースピーカーだから硬質でクールな低音も、仕方がないことかもしれませんが、音楽を楽しむ為に長時間リスニングするには、あまり向いていないように感じました。 昔、日本のスピーカーはスペックが優れているが、音がつまらないと言われていたことが分かるように思います。 以前に海外のスピーカーの音を聴いたとき、日本メーカーのスピーカーのようにスペックが良いわけではないのに、魅力的な音がしたことに驚かされました。 その時、海外の技術者たちは、音質の性能以上に音楽をより良く視聴できる感性を大切にしているように思いました。 しかし、スピーカーの音・音質を真面目に追求してきた日本のスピーカーも、1980年頃から音に対しての感性も海外のスピーカーに負けないぐらい向上したと思われます。 DIATONE 2S-305の音・音質から、音を正確にモニターするという真面目さというのが伝わってきます。 当時の技術者たちが、モニタースピーカーへの真面目な追及が、音楽を楽しむというような遊びを求めるという余裕がなかったのではないかと考えます。 現在からDIATONE 2S-305の音・音質を考えると、いろいろ不足していた部分があると思いますが、DIATONE 2S-305の発売当時の日本のステレオというのは、ラジオに毛の生えたようなものだったので、それからするとDIATONE 2S-305の音・音質の良さは、日本の多くのオーディオファンに衝撃と夢を与えたスピーカーであったのではないかと思います。 現在のハイレゾ時代において、DIATONE 2S-305の音・音質が、通用しないかというと、全くそんなことはありません。 DIATONE 2S-305は、ハイレゾであろうと何であろうと、素晴らしい音で再生します。 安易な高域周波数特性の良いスピーカーよりも、遥かにDIATONE 2S-305の方が音に説得力があり良い音がするでしょう。 DIATONE 2S-305のような、最高のモニタースピーカーを製作するために多くの技術者たちが真剣に求めたスピーカーというのは、そう簡単に廃れるものではありません。 現に未だに40年以上前に製作されたDIATONE 2S-305が、多くのオーディオファンたちの熱い目にさらされていることを考えるとDIATONE 2S-305の凄さが納得できるのではないかと思います。 DIATONE 2S-305は、日本のスピーカーの歴史でもあり、今後も多くのオーディオファンに愛されるスピーカーであり続けるのは間違いないことでしょう。 私は、DIATONE 2S-305の音・音質について、かなり辛口の評価をしていますが、それは最高の音・音質を求めた結果であって、DIATONE 2S-305というスピーカーの総合的な評価ではありません。 私自身は、DIATONE 2S-305という日本で生産されたスピーカーに大変好感を持っています。 DIATONE 2S-305は、1958年からNHKに納入、1962年より一般販売されました。 1962年の当時の日本は、現在のように物が豊富にあって、何でもある時代とは言えない時代を考えると、DIATONE 2S-305を日本で開発・生産したことには大変な意味を持っていると思います。 当時のダイヤトーンの技術者たちが、優れた音質のモニタースピーカーを自らの手によって生産したいという魂が、DIATONE 2S-305には存在します。 モニタースピーカーとしての理想を求めて、多くの技術者たちの協力や日本の部品メーカーなどの努力の末、DIATONE 2S-305の開発に成功したという日本のオーディオ史上歴史的な価値のあるスピーカーといえるでしょう。 DIATONE 2S-305の評価は、決して音・音質だけでは語ることはできないと思います。 DIATONE 2S-305の歴史的な背景などを考えると、日本が世界に誇れるスピーカーとしても 十分な価値があります。 今でもDIATONE 2S-305の音を聴くと、当時の日本の技術者たちの熱い想いや努力の結晶が心に浮かんできます。 DIATONE 2S-305は、本当に素晴らしいスピーカーだと思います。 それに反して現在の日本企業は、小賢くなったのか、スピーカーのような儲けの少ないものは海外で生産すれば良いような雰囲気があります。、 それらに伴ないグローバルだから、海外生産は普通で日本で生産しないことが、当り前のように思っている若い技術者たちも多いように思います。 しかし、それで本当に日本が誇れるような優れた製品を生産できるのでしょうか。 確かに一時的には金儲けができるかも知れません。 しかし、海外生産に切り替えたほとんどの日本企業は、日本国内での開発力を失ってしまいました。 それに伴ない日本で生産したい、日本で実現したいという意欲すら、無くなってきているように見えます。 かつて何もない時代に、スピーカー、ピアノ、バイオリン、自動車などを日本で生産することを実現しました。 現在は、何でもあり、日本で生産、実現したいという意欲が無くなってきているように感じてなりません。 それで、今後、本当に日本は発展することができるのでしょうか。 また、日本に誇れるものを残すことができるのでしょうか。 日本の先行きが心配になってきます。 DIATONE 2S-305を見て、音を聴いて、当時の日本の技術者たちの想いを感じ取って欲しいものです。 そして、もう一度、スピーカーをはじめ、様々な製品を日本で実現することに意欲を注いでいただきたいものです。