なまり過ぎてて怖くない怪談話「雪女」 скачать в хорошем качестве

なまり過ぎてて怖くない怪談話「雪女」

❄️ 雪女（ゆきおんな） 昔々、茂作（もさく）と巳之吉（みのきち）という二人の木こりがいました。 ある寒い冬の夜、二人は森からの帰り道でひどい吹雪に遭い、 小さな小屋に避難しました。 茂作はすぐに眠りましたが、若い巳之吉は怖くて眠れません。 どれくらい経ったでしょうか。戸が風で開き、 真っ白な着物を着た雪女が立っていました。 雪女はまず、眠っている茂作の上にのぞき込み、 白い息を吹きかけると、老人は氷のように固く凍りついて死んでしまいました。 次に雪女は巳之吉に近づきましたが、彼を見て言いました。 「あなたを殺そうと思ったけれど、あなたはまだ若い。 命は助けてあげましょう。」 しかし、雪女は恐ろしい声で警告しました。 「今夜見たことを、もし誰かに話したら、 必ずあなたを殺します。この約束を破ってはなりません。」 雪女はそう言って、吹雪の中に消えていきました。 それから一年後。巳之吉は村へ帰る途中で、 とても美しい娘と出会いました。 彼女の名は「お雪」といいました。 二人はすぐに恋に落ち、結婚して幸せに暮らしました。 お雪は優しく、二人の間には、 色白で可愛らしい子供たちがたくさん生まれました。 お雪はいつまでも若く美しく、村の人たちは不思議に思っていました。 ある晩、子供たちが寝た後、巳之吉は妻の顔を見て、 ふとあの恐ろしい夜の出来事を思い出しました。 「あの雪女は、今のお前にそっくりだったよ。 本当に、夢か現実かわからない、不思議な出来事だった…」 それを聞いたお雪は、突然恐ろしい顔になり、 立ち上がって叫びました。 「それは私よ！あの時の雪女は、この私でした！」 「あなたはあの夜、誰にもこの秘密を話さないと私に誓ったでしょう！ 約束を破ったのね！」 お雪はとても怒りましたが、眠っている子供たちを見て、 少し声をひそめました。 「今すぐあなたを殺したいけれど、 この子たちがいるから許します。 いいですか、これからは子供たちを大事にしなさい。 もし彼らを悲しませることがあったら、 私は必ず戻ってきてあなたを罰しますからね。」 そう言うと、お雪は白い霞（かすみ）となって、 煙突から空へと消えていきました。 巳之吉は、二度と美しい妻に会うことはできませんでした。 出典：青空文庫