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精神障害者の働く場所　企業も期待　大きな力に

企業にとって働き手の確保が課題となる中、精神障害者が大きな力になっています。働き方についても新たな形が提案されていて、意欲のある精神障害者の力を生かそうという動きが広がっています。 　イチゴの室内栽培をしている藤枝市の会社です。従業員３５人のうち５人が精神障害者です。 Ｑ何の作業ですか？「溶液のｐＨを調整する作業です。暑くて大変だけど頑張ります」（うつ病の男性） 　男性はうつ病で、時々気分が沈んでしまうことがあるといいます。 「社会の一員として会社の一員としていられるのが嬉しく、ありがたい」（うつ病の男性） 「ここでは戦力。逆にいてもらわないと困る」（日清紡ホールディングス藤枝出張所・古谷順二さん） 　こちらの会社では新たな労働力として、精神障害者の雇用にも力を入れています。 「障害者一人一人に自分の症状を確認するためのセルフチェックシートを記入していただいているので、データとして入力している」（日清紡ホールディングス藤枝出張所・古谷順二さん） 　会社では毎日、精神障害者の睡眠や疲れ具合などをチェックして、長期的なデータとして心身の状態を把握します。 Ｑ（グラフが）まっすぐな方と変動のある方といますね？「人それぞれで、ずっと一定の状態を保っている方もいれば１週間の中でも細かく変動する方もいます。これそのものが一人一人のカルテと同じ状態だと思っています」（日清紡ホールディングス藤枝出張所・古谷順二さん） 　疲れがみられるときは、作業を減らしたり診療を勧めたりと具体的な対応をとります。 「もやもやすることがあっても聞いてくれる人がいる、わかってくれる人がいる、話すタイミングがあるのが非常にありがたい。」（うつ病の男性） 「毎日仕事に来て作業をする、定着することが望み。欠けてもらっては困る人材なので長くここで働いてもらいたい」（日清紡ホールディングス藤枝出張所・古谷順二さん） 　２０１９年ハローワークが主催した障害者向けの就職面接会です。会場には多くの企業のブースが並びました。 「雇用率を満たさなくなってしまっている」（企業の採用担当者） 　２０１８年、企業が障害者を一定の割合で雇うことを定めた法定雇用率が引き上げられ、従業員４５．５人に対して障害者１人を雇うことがルール化されました。２０２１年４月までにさらに雇用率が上がります。 「仕事になるとペースが遅くなっちゃったりして…」（精神障害を持つ女性） 　面接会に参加した障害者のうち半数が精神障害者でした。制度改正や労働力不足を背景に、精神障害者の就職件数はここ１０年で４倍以上に増えています。 「ご自身の状況をコントロールできれば、健常者と同じように能力を発揮できると思う」（ハローワーク島田・井谷秀夫所長） 　精神障害者の新しい働き方を支援する動きも広がっています。２０１９年、全国で初めて藤枝市にできたのが精神障害者のためのテレワークオフィスです。 　パソコンを使って会社の仕事を駅前のオフィスでこなせるので、薬の影響で車通勤が難しい精神障害者にとって働く幅が広がります。 「不安なことが重なると妄想が出てきて、いろんなことが手につかなくなる。（テレワークは）楽ですね。ある程度仕切られているので、ネットカフェにいるような安心感」（統合失調症の男性） 　障害者を雇う場所やノウハウがない中小企業にとっても、障害者雇用を進めるきっかけになると期待されます。 「どう？仕事のやり方とか」（テレワークオフィス藤枝駅前・油井福子さん） 「だいぶ慣れてきました」（双極性障害（躁うつ病）の女性） 　専門の相談員が常に見守ることで落ち着いて仕事に向き合えます。 「不安はあります」（双極性障害（躁うつ病）の女性） 「不安はやりたくないよの不安なのか」 「じゃなくてやりたいほう」（双極性障害（躁うつ病）の女性） 「そっち！？」 「やりたいやりたい、もっと早くできるようになりたいって思い」（双極性障害（躁うつ病）の女性） 「障害者がいることが社会にとっては本当は必要。その人たちが社会で十分な力を発揮できる環境を作ることが、実は社会全体にいいことが起こるきっかけになるのでは」（テレワークオフィス藤枝駅前・油井福子さん） 　働く意欲のある精神障害者とその力を生かそうとする企業のつながりは大きな可能性を秘めています。