タイガーマスク～BGM「組曲 去りゆく虎」 скачать в хорошем качестве

タイガーマスク～BGM「組曲 去りゆく虎」

'79年に2枚組LP｢テレビアニメ・オリジナルBGMコレクション 菊池俊輔作品集｣の1枚目A面で初めてオリジナルBGMが商品化された｢タイガーマスク｣。これに若干の楽曲が追加された復刻盤CD｢菊池俊輔BGMコレクション｣('91年)、現存テープを全て収録したLD-BOX(第一巻'93年・第二巻'94年)、そして｢懐かしのミュージッククリップ11｣('97年)に至るまで最終2話で使用されたこの美しい旋律は収録されず、長く出典不明とされてきた。従って、後年になって本作音楽担当者・菊池俊輔の師匠である木下忠司が作曲した劇場用作品｢ちびっ子レミと名犬カピ｣からの流用と判明した折には、私など見事に盲点を突かれた思いがしたものである。また、原作では描かれなかった公害問題や漁業後継者問題など社会派エピソードでも効果的に使用され、｢タイガーマスク｣の作品世界に厚みを持たせるのに貢献したことも特筆に価しよう。 　最終回、グレートの苛烈なまでの反則攻撃により直人はマスクを剝ぎ取られ、遂に健太たちにタイガーマスクの正体を知られてしまうことになる。TV越しに観戦していた柔道家・嵐十段言うところの｢悪人の謗りを受けてでも最後の邪悪を倒｣し、伊達直人に戻るためグレート相手に虎の穴で叩き込まれた反則技を突き返すタイガー。その前日に素顔を明かし、ルリ子への愛を断ってまで挑んだ｢虎の穴｣壊滅に成功するも、勝利の代償は、子供たちに会うことなくジャンボ機に乗り込むことだった(グレート戦の後は、タイガーとしても直人としても日本に居場所を失った彼の心情は察するに余りある。それを彼の前のシートに座っている微笑ましい母子を窓越しに見せて対比させるあたり、演出も念が入っている)。もう二度とハウスには来ないことを見抜き、全ての経緯を子供たちに伝えるのが自分の義務と感じつつ、｢はやく帰ってきて｣と願うルリ子。その後の二人に思いを馳せつつ、この切ない旋律に耳を傾けて頂くのも一興ではないだろうか (以上、かつて公開した｢組曲去りゆく虎改訂版｣コメントを加筆訂正)。