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【大分】大分市の公共施設　初の料金改定へ

体育館や公民館など誰でも利用できる公共施設。その料金の実質値上げに向けた検討が大分市で進められています。 その実情と背景はどうなのでしょうか。 大分市の日吉原体育館。 小中学校以外の公共施設としては最も古く４４年前に設置されました。 主に団体の利用が多く１日あたり１００人、月間で３０００人ほどが使っています。 江藤アナ 「この施設の利用料金ですが体育館の半分で照明料金を合わせても１時間４４０円。一人当たりの料金ではないので何人で使ってもこの金額です」 競技用のネットや点数板・卓球台などの備品は自由に使える上、シャワールームも追加料金なく利用できます。 施設管理　藤野義信さん 「幅広い年代の人が利用している。とても安いと喜ばれている」 午前中８人で２時間体を動かした利用者は…「（２時間で）８８０円かな。助かります。健康増進のために楽しく過ごしています」 一方大分市では２０２４年５月から専門家などからなる委員会を設け、公共施設の料金の改定に向けた検討を進めていて、４日はその結果を市長に答申しました。 日本文理大学　長崎浩介准教授 「利用者の方になるべく影響が出ない形にするにはどうすればいいのかを中心に議論した」 公共施設の多くが実質「値上げ」となる見込みです。 なぜ料金の改定が進められているのかその現状と背景を解説します。 私たちも使う機会がある大分市の公共施設ですがその多くの利用料金が値上げされる見通しです。 大分市内には約１７０カ所あります。 施設のイメージが付かないかもしれませんが大きいところではＪＣＯＭホルトホール大分やコンパルホールなどがありますし小中学校の体育館も実は空いていれば借りることができます。 ただ、公共施設の料金改定を検討してきた長崎准教授はこう指摘します。 「中には他の自治体と比べて料金が安すぎるところがある」 市が運営するテニスコートを例に挙げると別府市の、ある市営テニスコートは１面１時間当たり４４０円。 夜の照明は別途４４０円がかかります。 一方、大分市のジェイリーステニスコートはというと…同じ時間借りて１６０円。 照明も２２０円と半額以下なんです。 他の公共施設でも同様の現状となっていることが料金改定を検討し始めた理由の１つです。 長崎准教授は「大分市では消費税増税の時以外では料金の改定がなかった。施設ごとの考え方で決めていた料金を市が基準を作り適正化する必要がある」と話しています。 現状、結構バラバラな料金設定になっているのですが体育館や会議室など、この種類の施設は同じくらいの料金にしましょう、というような基準です。 理由は他にもあります。 それが施設の老朽化が進み維持管理費が増えることが想定されるということです。 実際に市の担当者は「施設の補修・維持費が年々増加している」 そして４日取材した日吉原緑地運動公園でも、テニスや野球のネットの修繕費や日々の清掃費など管理が必要なことは多いと話していました。 資材や人件費の高騰などが背景にあります。 大分市は２０２５年１０月の改定を目指すとしています。 今後、料金が変わらない施設もあるかもしれませんが多くが実質値上げとなりそうです。 利用者の負担は増えますが、施設を長く使っていくためには必要なことで、市は「住民への周知をしっかりしながら進めていく」としています。