呼吸 скачать в хорошем качестве

呼吸

静かな裂け目… 薄い息が剥がれ落ちる 遅れて笑う“私ではない何かとが皮膚の裏で震える 裏返る闇の向こうで 指先の影が揺れる 形を失った顔が 瞼の底で名を落とす 問いかける前に崩れ、 記憶のふちだけが光る 痣のような光が揺れ 濁った感情が泡になる 君の残響が跳ねて 世界の角度を歪めていく 境界がはがれる音 皮膚の下で別の声が笑う 重なる虚像の中で “誰の身体で生きてきたのか” 夜の温度だけが答えを消す 泣き声と笑いがまざり 舌の奥で言葉が腐っていく 影だけ残した君が 「沈んでもいい」と囁く 沈黙の底で傷跡が笑い ゆっくり深層を裂く 揺らぐ水面に 浮かんでは消える私 曖昧な呼吸、 鮮明すぎる痛みだけが残る 触れないまま 別の“私”が生まれていく 割れた声のかけらがが 身体の奥をなぞる 血のような音が流れ 歪んだ感情を組み直す 沈む絶望に音はなく、 ただ心壁を叩き続ける 君の幻影が亀裂を吸い “どちらが原型か”を奪う 奇妙な熱だけが残り 身体の奥に巣を作る 触れれば消え 逸らせば絡みつく残骸 古い傷の扉が軋み 沈んだ感情が芽を出す 名前を奪われた涙が 喉の奥で震える 破片が一点に集まり 微かな破裂音が夜を裂く そのしゅんかん、気づく 失ったのは“君”ではなく 君を通して呼吸していた“私” 形を持たない真実が 胸の奥で脈を打つ 空いたしゅんかん新しい亀裂が走る おわりなのに始まりのような沈黙 崩れた後の微かな震えだけが 身体のおくに残っている