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#手斧の研ぎ方

刃が丸く面も揺らいだ手斧（価格570円）を、百均のダイヤモンドヤスリで削って面を整え紙ヤスリで研いで”使える斧”に仕上げました。 安価な斧でも 手間を掛けることで愛着もグンと増し 大事に使おうと思う”道具に対する労わりの心”も生まれて好いものです。 安価な斧でも高価な斧でも、一度しっかり研ぎ上げることでその後の手入れや研ぎ直し作業がぐんと楽になります。 00:10 研ぎ終えた斧で試し割り（薪を寝かして割ります） 02:10 届いた斧を開封 04:15 ダイヤモンドヤスリで刃先の面調整 07:30 ダイヤモンドヤスリで刃先を尖らせた状態で切れ具合を確認 08:20 紙ヤスリで研いでいきます 16:50 研ぎ終えた状態で試し割り ＊私が手斧に求める目的・用途は「玉切りを立てて割る・太めの枝を寝かして割る・小割する・削る・薄く削ぐ」など、鉈の作業にも共通する内容が含まれます。 その為、メインに用いてる手斧は叩き割るという斧の機能・切り割くという鉈の機能も兼ね備えている「枝打ち斧＝刃先は鋭利」を好んで使用し、更には「削る」という機能も重視し「刃の前部分を薄く鋭く」削り分けてあります。 また、多くの皆さんが勘違いされてることに「コピー紙が切れる・新聞紙が切れるほどに研ぐ＝剃刀のように薄い刃」とイメージされるようですが、実際のところ蛤刃でも刃先を丁寧に仕上げればコピー紙は切れますしもう少し薄く丁寧に仕上げただけで新聞紙も切ることができます。 ご覧いただく皆様が、手斧にどこまでの作業を求めどのように刃先を研ぐかは自由判断であり、その ” 正解は 皆様ご自身 ” にあります。 追加情報： その後、斧を2回カスタマイズしました。一回目は刃の幅を115mm→100mmへと削りました。2回目は、100mm→93mmへと削りハマグリ刃を弱めに削り直しました。合計4回刃先を研ぎましたが、鋼材が甘いせいか、研ぎ上がりに近くなると小さな小さなチップが発生したり尖ってきた刃先がギザギザし始めるというような現象が起こります。 ただ、ナイフのような切れ味は求めないものですので、この事は薪割りに対して何ら問題にはならないものと思いますが、まずはお知らせさせていただきました（2020.9/7追記）。 刃先のチップについて： 薪や薪割り台に付いた砂粒に斧の刃先が当たってチップすることが多いように思います。現地に刃先修正用の小さな砥石を持って行くのも良いと思います。でも、まずは刃先をチップさせないために砂粒を払い除ける【ブラシなどを携行する】ことをお薦めします。 ＊ご注意：斧のように重たい刃物の取り扱いは、危険性を最大限に排除し、無理をせずに安全第一で作業を行ってください（置いてある斧の刃先に手を軽くぶつけるだけでも大きなケガになります）。 ＊この動画の中で、刃先に向けてヤスリ掛けするシーンがありますが、このヤスリ掛けの段階では「まだ鋭利な刃が付いてない」ので皮手袋をすることで怪我を避けることが出来ています。 しかし、皆さんが使用中の斧の刃先の修正など「既に鋭利な刃が付いている」場合には、ヤスリが逸れた時に大怪我の恐れがありますので、この刃先に向けてのヤスリ掛けはやめてください。その際には、刃元から刃先に向けての作業となりますが、油断せずに作業のリズムを崩さぬように行ってください。 ＊焼きの入っている刃先の調整に、電気グラインダーを使わずにダイヤモンドヤスリで削る理由： 実際には低回転で削ったり、ちょくちょく水で冷やしながら削ったり、短時間の削りを繰り返したりでやりようはあるようですが、電気グラインダーの回転数・削り方によっては「焼きが戻ってしまう」恐れがあるため、私は手に持つダイヤモンドヤスリで削ることがほとんどです。 ヤスリは、扱い方次第で効率がグンと変わります。この動画のようにヤスリに腕の重さを乗せて削れば効率的に面を整えることが出来ます（今回のダイヤモンドヤスリ作業＝約一時間）。 また、1.2kgの重い斧でも扱い方次第でその重さを感じることなく何時間でも作業を続けられます（今回の紙ヤスリ作業＝合計6時間程）。 ＊紙ヤスリの番数： 240番、400番、800番、1500番、2000番、3000番の順が、私の刃物研ぎの理想の順番です。 今回はストロップまで行いましたが、斧をどこまで研ぐのか・仕上げるのかは、それぞれに使用目的に合わせて個人個人で判断されると良いと思います（自由判断です）。 ＊私が、刃物の研ぎに紙ヤスリを使う理由： 理由は単純で、仕事柄この作業机の脇に紙ヤスリが常備されてますので私にとっては砥石よりも「身近な存在」ということでいつも紙ヤスリで研いでいます。ほんとにちょこっとした研ぎ直しでも気軽にできるので私は紙ヤスリに重宝しております。 そんな単純なことですので、youtubeでアクセス数を増やす為に奇をてらったり、「砥石で研ぐ」という事を否定しているわけではありませんので、よろしくご理解の程お願いいたします。 ＊「斧で薪割り」と一口に言いますが、「短柄の手斧」と「長柄の斧」とでは割り方が違うと私は思っています。 ＊「薪割り」なので「割る」のですが・・・ 「長柄の斧」は、”ヘッドの重さ”を活かして斧を打ち下ろして一撃（破壊力）で割ろうとします。 その為、刃先が多少鈍角になっていてもそれほど問題なく薪は割れてくれるものと思います。 「長柄の斧」に比べて、「短柄の手斧」はヘッドの重量が軽く柄も短い為に打ち込む際の打撃力は弱くなりますので、手斧の場合は刃先が鈍角ですと「薪に弾かれて危険」という事になります。 薪を立てて割る場合は、安全という観点からも無理して「一撃で割る」事をせず、薪の長さも短い方が割り易いので20cm程度に短く切った方が無難と思います。 キャンプやアウトドアでの手斧を使った薪割りの最重要ポイントは【無事に割り終える】という事で「一撃でパッカ～んと割る」ことではないと思います（安全第一がカッコイイ）。 ＊刃の形状・刃の研ぎ具合・・・ 手斧の場合は、「薪」からもう一段階視点を絞って「薪の繊維」を意識すると良いと思います。 手斧での薪割りは、「薪の繊維を切り裂き・切り開いて」いくと考えれば、割り方も一撃ではなく段階的に刃を進め（下げ）ていくというやり方がイメージできますし、刃の形状（ハマグリ刃）やどの程度まで鋭利に研いだら『安全に割り易い』のかもイメージし易いと思います。 安価な手斧（新しく購入）では「コピー紙が切れません」。もう一つの手斧（30年前購入）は「新聞紙が切れます」。この2つの手斧の刃が、薪に打ち込まれた瞬間の手に伝わってくる感触ですが、前者は「刃がぶつかる感触」で、後者は「刃が刺さる感触」といった違いが分かります。安価な手斧では、後者の様な研ぎ上げは出来ないようです。 ＊重たい刃物での怪我は、大怪我に繋がりますので決して斧や鉈を甘く見ないでください。 【日々、備えながら楽しみ 楽しみながら備える。心穏やかにして 常識を疑う】 那須高原（標高580m）から発信中。 by ゆとりありすと