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胸腔鏡下手術について

呼吸器外科では肺や縦隔に対して手術治療を行っていますが、それでは実際どのような手術を行っているかを説明します。 呼吸器外科の手術は、全身麻酔で行われます。かつては肺を手術するためには開胸手術がすべての方に行われていました。すなわち、図のように背中から腋にかけて大きな皮膚切開をおき、肋骨を切って直接中を肉眼で見ながら行うものです。 最近は胸腔鏡という、内視鏡手術が多くの手術で行われるようになりました。図のように非常に小さい傷を３か所開けて行います。 ３つの傷の１つから、テレビカメラを入れます。黄色の丸で囲ったところを傷を通して胸の中に入れるわけです。 また、先端が鋏やピンセットになったマジックハンド上の手術器械を小さい傷から出し入れして手術を行います。 実際の胸部の傷はこのように小さなものです。 術者はカメラで映し出された画像を見ながら手術を進めます。 胸腔鏡手術のメリットは、何と言っても傷が小さいため、術後の痛みが少なく、早くお元気になり、退院できるということです。 筋肉や骨を切らないため、術後の運動機能や呼吸機能も保つことができます。 現在肺癌をはじめとする呼吸器外科の手術の大半は胸腔鏡で行われるようになりました。 東大病院呼吸器外科 教授　中島 淳