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GATE - Graham FITKIN ゲート - グラハム・フィトキン TAMURA Masahiro (Soprano Saxophone) 田村真寛(ソプラノ・サクソフォン) ※使用楽器 セッティング H.SELMER MARK VI SP Mouthpiece:Selmer CONCEPT Reed:Vandoren traditional 3 Ligature:Harrison Hurtz(original) Strap:BREATHTAKING(フック:渥美工房製 純銀製) ライヤー:渥美工房製 黒檀純銀ネジ サムレスト:渥美工房製 黒檀製 KUROIWA Koki(Piano) 黒岩航紀(ピアノ) ========================== 2020.12.19(Fri) 横浜市青葉区民文化センター フィリアホール ライヴ録音 映像収録 ピアノ録音 演奏会録音CD/DVD/Blu-ray制作 【STUDIO 407】横浜市 ========================== 今回のプログラムは、非常に多種多様な音楽が並びました。一見するとただ様々な音楽がバラバラと羅列されているように見えますが、今回は私の中ではある思想のもとに、それを表現するために適した作品を選び抜きました。 世界にはどれほどの音楽があるでしょう。土地が変わればそれだけ、言語が変わればそれだけ、時代が、文化が、宗教が、民族が、人種が、性別が、人が…。それらの数だけのメロディ、ハーモニー、リズムなどが溢れ、そして常に掛け合わされ、今もなお新たな音楽は生まれ続けています。それは正に生命の営みと同じように。 今回演奏する作品の中のひとつ、「ランサローテ」を作曲した佐藤聰明さんの著作「耳を啓(ひら)く」を読む中で、忘れられない強烈なフレーズに出会いました。 『音は沈黙より生まれいで 生涯を送り やがて終焉を迎え 沈黙の彼方に飛び去る』 音というのは、まったく生命体なのだと、強く強く感じさせられた一文でした。 クラシック音楽における演奏という行為は、作曲家がその耳の中にある音を変換して「楽譜」として生み落としたものを、演奏家が読み解き音として発していくわけですが、その瞬間まったく別の新たな命が生まれていくのです。これもまた生命の営みであるといえます。 どんな音楽も尊い存在なのです。 グラハム・フィトキン(イギリス・1963~)の「ゲート」は、2001年に書かれた作品。フィトキンは、あえて分類するならばいわゆるミニマル・ミュージックと言われる音楽の作曲家。ミニマル・ミュージックとは、ある一定のメロディやリズムやハーモニーなどのパターンを繰り返すことにより、ある種のトランス状態に陥るような感覚にさせる手法を用いた楽曲、と言えばいいでしょうか。彼が強く影響を受けたされる作曲家やアーティストは、イーゴリ・ストラヴィンスキー、アントン・ヴェーベルン、ピエール・ブーレーズ、スティーブ・ライヒ、その他にもキース・ジャレット、マイルス・デイヴィスといったジャズ奏者、フランク・シナトラ、ザ・スミス等のポピュラーの歌手…等々多岐に渡ります。 「ゲート」は、それらの影響の通り、ジャズ、ロック、ポップスのようなテイスト、そしてフィトキンの故郷であるイギリスの伝統音楽、ケルト音楽のようなエッセンスも見られ、見事にそれらをミックスして昇華させた新たな音楽と言えるでしょう。