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上信電鉄・デキ編

#上信電鉄　#高崎駅　#デキ1形 高崎線・八高線の終点および上越線・信越本線・両毛線の起点となる一大ターミナル駅・高崎から、群馬県南西部に路線を延ばし、国宝であり世界遺産にも登録されている「旧富岡製糸場」で全国にその名の知れた富岡市の上州富岡や、関東私鉄指折りの難読駅であり、その語感から珍駅名としても知られる南蛇井(なんじゃい)などを経由し、長野県との県境を成す甘楽郡下仁田町の下仁田に至る33.7kmを結ぶ上信電鉄の、いわば「マスコット」的存在でもある「凸型電機」「上州のシーラカンス」ことデキ1形電気機関車は、ナローゲージの762mmから狭軌の1067mmへの改軌および1500V電化に合わせ、大正後期の1924年にドイツ・シーメンス社で3両(デキ1～3)が製造された典型的な輸入電機です。上信電鉄で貨物輸送が廃止された1994年まで高崎の隣の南高崎にセメント工場が隣接していたことから、かつては石灰石・セメント・ドロマイト・航空機用燃料を中心とした貨物列車の牽引や、JR経由で秩父鉄道から直通する石油輸送列車の牽引にも活躍しましたが、デキ2は1995年の廃車後に沿線の富岡市に寄贈(現在も市内の「もみじ山総合公園」に静態保存)、現在もデキ1・3の2両が動態保存車として健在です。 2007年3月に千平～下仁田間で線路沈下による脱線事故を起こし、その際に受けた損傷が原因で修繕のため長期休車となるも、「群馬デスティネーションキャンペーン」の開催を翌年に控えた2010年末から、沿線自治体等の支援の下で本格的な修復作業が行われ、キャンペーンが開催された2011年夏に復活するなど、動態保存機ならではの幾多の困難を乗り越え、現在に至るまで現役で活躍し続けてきたことでも知られていますが、2017年7月にデキ1が車両基地も併設された起点の高崎の構内で老朽化のために雨水・湿気等によって漏電したことが原因とみられる出火事故を起こし、再発防止も含めた修繕に多額の費用が掛かる見通しとされたことから、無傷だったデキ3ともども高崎の構内に隣接する車両基地に留置されたままの状態が続いています。