“甘くてトロトロ”全国で十数軒の農家しか作っていない幻のネギ「リーキ」 生産の第一人者が北海道音更町に「一度食べればおいしさ分かる」 скачать в хорошем качестве

“甘くてトロトロ”全国で十数軒の農家しか作っていない幻のネギ「リーキ」 生産の第一人者が北海道音更町に「一度食べればおいしさ分かる」

HBCニュースでは、北海道内の食の可能性や課題をシリーズでお伝えします。 　 　第１回は、こちらの「ネギ」です。長ネギに似ていますが、太さや長さも、味も違うんです。食卓の脇役から主役に！十勝の生産者が奮闘しています。 　食卓に響く「いただきます」の声。北海道鹿追町に住む金森さんのお宅です。この日の夕食はグラタンとおでん。温野菜がたっぷりです。 家族 「リーキおいしい？」「おいしい」 「おでんは？」「やわくてトロトロ」 　具の中でひときわ存在感を放つのが この緑色の野菜です。 夕食に招かれた友人　水間櫻子さん 「これはネギなのか？と思いながら食べたら、ネギより苦くなくて、めっちゃおいしい」 　金森さんが料理に愛用しているのが、この「リーキ」です。 金森春菜さん 「“リーキ”はすごく甘みがあるネギなので、煮物や煮込みに使ったり、ポトフに入れたりとか、すごくおいしい“リーキ”を十勝で食べられる。料理の主役になる野菜だと思う」 　聞き慣れない名前ですが、十勝地方では道の駅やスーパーで売られています。おいしさが口コミで広がり、料理に使う人が増えています。 リーキを買った人 「なんとなく好きだからです。スーパーとかで売っていたら買って、グリルで焼いて食べるのが好きです」 　「西洋ねぎ」とも呼ばれる、ヨーロッパが原産のネギの仲間。一見すると日本の長ネギですが、長さや太さは全然違います。 　イギリスやフランスではポピュラーな野菜。特にウェールズでは「国家の象徴」としてリーキが描かれるほど、国民に愛されています。 　一方、日本ではリーキの認知度は低く(生産者の竹中さんによると）全国でも十数軒の農家が作っているだけとのことです。 竹中章さん（48） 「これがリーキです。普通のネギは中が青い部分が空洞ですが、リーキはすべて渦巻きで、しっかり詰まっているのが特徴」 　音更町の農家、竹中章さん。リーキに可能性を感じ、16年前から生産している第一人者です。 竹中章さん（48） 「若手生産者のために（地元の）フレンチのシェフが話してくれて、フレンチの中では『リーキ』『ポロねぎ』は欠かせない食材だから、作ってみないかと言われたのがきっかけ」 　開拓農家の５代目。小麦、ジャガイモ、マメ、ビートの「畑作４品」と呼ばれる作物を、長らく生産してきました。 　しかし、気候の変動、世界情勢、消費者ニーズの変化…。農業を取り巻く環境が変わり、生産者も対応を求められる時代になりました。 竹中章さん（48） 「父親のころから、『第５の作物』というのは言われてきたんですけど、何か必要だとずっと思ってきて、いろいろなものを持っていないと厳しい時代になってきた」 　そんなときに出会ったのがリーキでした。 　 　竹中さんは、リーキの本場・ヨーロッパに渡って、栽培方法を勉強。10年以上かけて十勝の気候や土壌に合ったリーキの品種を見つけました。 竹中章さん（48） 「緯度がフランスと北海道が同じくらいで、涼しい気候が合っているみたいで、（十勝は）適地だと思う」 　リーキの特長は、何と言っても「甘み」と「食感」です。竹中さんのオススメはアルミホイルで包み焼き。ヨーロッパでは定番の食べ方です。 大内孝哉カメラマン 「（食べて）味にびっくり。甘みがすごくて、トロトロで全然辛くなくて本当においしい」 　竹中さんのリーキは、プロの料理人も注目しています。 マリヨンヌ　小久保康正シェフ 「これ本物だと思ったのが竹中さんのリーキでした。炒めることで香りと味わい、甘みが出る。僕は十勝の食材を使わせてもらいながら、フランス料理の技法をベースに作るので、リーキは要になる食材の一つ」 　十勝から世界へ、竹中さんのリーキが認められました。 　３月、竹中さんのハウスでは、リーキの種まきが始まりました。 　60ヘクタール＝札幌ドーム11個分の畑のうち、今シーズン、リーキは２ヘクタール。およそ16万本分を栽培する計画で、作業は家族総出です。 竹中章さん（48） 「体の試運転と思えばね」 竹中さんの母　君江さん（72） 「ちょっとここ手足りない！」 　うれしいニュースが飛び込んできました。日本野菜ソムリエ協会の品評会 「鍋野菜選手権」で、竹中さんのリーキが、金賞に選ばれたのです。 　 　全国の生産者から出品された野菜を、野菜ソムリエの資格を持つ評価員が、産地や生産者などの情報を伏せて試食。竹中さんのリーキは、道内で唯一入賞しました。 　　　　 　甘くてトロトロの新食感、どんな料理にも合う万能さが評価されました。 竹中章さん（48） 「もうリーキは珍しい野菜ではなくて、『日本の野菜』の一つになってくる時期なのかなと。子どもたちに手伝ってもらいながら、農業っていい仕事なんだなと、子ども３人とも思ってくれているのが一番うれしい」 　家族が愛情込めて育てるリーキ。甘くて、とろけるおいしさの中に、温もりがとけ込んでいます。 　竹中さんは「一度食べてもらえればおいしさが分かってもらえるが、やはり長ネギの先入観が強くて、販路の開拓が大変」と 話しています。 　　 　一方で、フランス料理の世界では「３種の神器」と呼ばれるほど欠かせない食材で、竹中さんのような生産者は貴重ということで、首都圏のシェフからの注文が絶えないそうです。 　竹中さんのリーキは、現在、音更町の道の駅や道内の「コープさっぽろ」でも1本298円で販売されていて、もっと販路を広げたいと意気込んでいます。 2024年04月03日(水) 17時46分 更新 ＃北海道　＃ニュース　＃ＨＢＣ ◆HBCニュース　チャンネル登録お願いします。 https://www.youtube.com/channel/UCCTp