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ラジコンやドローンなどの充電で、大きな電流を流すために使用されるXT90コネクタとケーブルをはんだ付けしてみました。 ①まず、樹脂が熱に弱くてコネクタピンが曲がるのを防ぐためには、 相手側のコネクタを嵌合させて、カップ端子へ加わる熱を逃がしてやる必要があります。 (Dサブコネクタなどでも同じです) 同時に、仮に樹脂部が融けても、ピンが曲がるのを防ぐことが出来ます。 ②ケーブルの太さが、カップ端子の太さいっぱいギリギリなため、 予備はんだは、ケーブルだけに行いますが、芯線の太さを太くしないようにする必要があります。 ※予備はんだをしないと、コネクタのカップ端子ごと加熱することになるので、 はんだが馴染むのに時間が掛かり、確実にコネクタ樹脂を融かします。 ③カップ端子側に予備はんだを行うと、ケーブルとカップのはんだ双方のはんだを融かして 芯線を挿入する際に、芯線がバラケてカップに入らなくなります。 ④ 樹脂が非常に熱に弱いので、なるべく低温ではんだ付けするため、融点183℃の共晶はんだを 使用します。(信頼性も高いので) ※量産でROHS対応が必要な場合は、鉛フリーはんだを使用します。 ⑤加熱時間を短くするため、一気に熱を流し込める熱容量の大きなハンダゴテを使います。 今回は150Wでコテ先に蓄熱出来る形状のハンダゴテ、GOOTのRX-822ASを使用。 ⑥ケーブルが太いのでケーブルの予備はんだには、6Cのコテ先を使用。 コネクタにはんだ付けする際は、端子の露出部が小さいので、的確に接触できるように 3Cを使用します。コテ先温度は、低めの315℃に設定します。 ⑦ケーブルの被覆を剥いて、仮にコネクタのカップ端子に挿入してみると、 奥行きが結構深く、10mm程度入ることがわかりました。 被覆は余裕をみて、12~13mm剥きます。 ※ギリギリだと、コテ先を当てるスペースが足りず、被覆に溶融はんだが接触してしまう。 ⑧糸はんだはφ0.8mmを使用(1.0でも良いと思います) ⑨コテ先を当てるポイントは、カップ端子ではなく、芯線の予備はんだ部分に当てます。 コテ先には熱を伝えるためのはんだを融かして付着させておきます。 ※効率よく加熱して加熱時間を短くするためです。 以上の9つのポイントを予想して、ハンダゴテやコテ先の形状、コテ先温度などを 選定し、はんだ付けを行いました。 仕上がりは動画でも観ていただけますが、芯線の形状が観察できるはんだ量で カップ端子のフチにはフィレットが形成されています。 樹脂の融けもほとんどなく、コネクタの抜き差しもOKでした。 いかがでしょう? はんだ付け職人は、XT90コネクタをはんだ付けするのに、こうした考えと推論のもと 道具選びやコテの当て方を決定しています。 参考になりましたら幸いです。 では、明るいはんだ付けを!