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元サッカー選手らの言葉支えに 　店全焼を乗り越え夫婦で飲食店再スタート【佐賀県】 (25/01/14

おととし想像もできなかった理由で起きた火事で全焼した佐賀市の飲食店が同じ場所で再オープンしました。オープンを支えたのは、元サッカー選手からの言葉と地域の温かい支援でした。店を営む夫婦の再出発への歩みを取材しました。 【平川邦明】 「佐賀市の繁華街です。規制線が張られています。煙が充満しています」 おととし2月、深夜0時を過ぎた時間に発生した火災。 火事があったのは、佐賀市の飲食店「おでんdeスポーツBARいぷしろん」 【店主宮崎正太郎さん】 「こんだけ燃えるか…というぐらい全部失くしちゃった。頭の中がぐちゃぐちゃ」 お店は、サガン鳥栖や佐賀バルーナーズなど県内スポーツファンの交流の場としても人気のお店でした。 【佐賀市の常連客】 「来れば来るほどいい店だった」 【福岡からの常連客】 「ただただ悲しかった。眠れなかった」 火災の原因とされているのは、閉店後に発生した「伝導過熱火災」 ガスコンロ近くの壁の中の木材が、長年の過熱で炭化し、突然、火が出る火災です。 火の始末をしていても壁の内側で発火する可能性があり、夫婦はやり場のない思いを抱えていました。 【店主宮崎正太郎さん】 「グラスの1つも酒の1本も無い。もう無理ですよ、もう店はしませんよとも言いたくないし、簡単に『します』とも言い切れないのが現実」 【宮崎由香さん】 「とりあえず今はもう頑張って…生きる。まずは生活ですね」 この火事から約2年。お店は再オープンを果たしました。 【宮崎由香さん】 「体がきついです。でも楽しい。自分が作ったものが美味しいと言っていただけたら嬉しい「諦めずに開けて良かったと思う」 オープン日は1月7日。サガン鳥栖のサポーターナンバーに合わせられています。 【福岡からの常連客】 「いつか再建してくれるだろうと思い心待ちにしていた」 【宮崎正太郎さん】 「ここまでは自分たちだけの力では無理だった。たくさんの方々に支えていただけて感謝」 しかし、再オープンを決めるのは簡単な決断ではありませんでした。 【宮崎正太郎さん】 「火を見るのは半年コンロを触れないほど嫌だった。火を消してたのに火が出て余計に思うことはあった」 お店は辞めようと思っていた店主に大きな転機がありました。 【宮崎正太郎さん】 「元サガン鳥栖の早坂さんに勇気づけてもらった」 Q.どのような言葉をかけられた？ A.「すぐにチャレンジはできないにしても半年でも1年でもやろうと思ったときにチャレンジするのであればできることはしますよと言われた」 この言葉をきっかけに再オープンの覚悟を決めた店主。早坂さんからの勧めもあり、クラウドファンディングを立ち上げます。 すると、初日から目標金額の100万円を達成。200人を超える支援者によって集まったお金は300万円を超えました。 【宮崎正太郎さん】 「大したことをやっているつもりはなかった。自分がスポーツとかの文化の一員になれているのであれば嬉しいと思った。やる気があるなら自分でやらないとと思いそこからやった」 さらに佐賀バルーナーズの選手は試合前に募金活動を行い支援を呼びかけました。 【宮崎正太郎さん】 「試合前にごめんなさいと言ったらミーティングよりも今は大事なことをする時間があると言われ募金活動をしてもらったり、選手が募金をしてくれた。たくさんの方々に支えられて」 そしてオープン当日。開店時間の前から店内には待ちきれなかった客の姿が。 【お客さん】 「美味しい〜」 店には、火災前と同じように県内のスポーツ選手のサイン入りユニフォームやグッズがずらりと並びます。 お祝いとして贈られた花束も、サガン鳥栖や佐賀バルーナーズのチームカラーで彩られていました。 そして、お店には、店主正太郎さんの譲れないこだわりが。 【宮崎正太郎さん】 「カウンターは前使っているやつを焦げたりへこんだりしてたのを磨いた。店をやるならカウンターだけは残したい。」 Q.どちらから？ 【京都から】 「直接おめでとうございますが言いたくて来ました」 【沖縄から】 「このコースターを届けにきた。前のお店で使ってもらっていた。また新しくできたということでこのコースターで出てくると嬉しい」 スポーツを通じて選手・サポーター・地域を問わず多くの人に愛されたお店。 困難を乗り越え、再出発を果たした夫婦のこれからは。 【店主宮崎正太郎さん】 「夫婦家族が仲良く、サッカー・バスケ・おでんとかでいろいろな人に笑いとかを楽しくできるお店を続けたい」