緊迫のオデッサ独自取材　市民が戦闘準備を開始【news23】 скачать в хорошем качестве

緊迫のオデッサ独自取材　市民が戦闘準備を開始【news23】

ロシア軍のウクライナ侵攻から3週間が経ちました。数百人の市民が避難していた劇場が空爆されるなど、無差別攻撃が激しくなっています。 南部の都市・オデッサにある軍と連携するボランティア兵の拠点をＪＮＮの取材団が緊急取材。 テントの中には市民の協力を得てつくった火炎瓶が大量にありました。 民間の車両を改造して軍用に転用したものも。 須賀川拓 記者 「この車両で明日からどこかの前線に行くんだということです。車両は、積み込むところも中も扉も、銃弾などから守るために鉄板で覆われいます。ただ、サイドミラーが見えるように、ここだけ小さく切り取られています」 民間のスポーツ専門学校だった施設も、急きょ、軍の施設として使われています。 体育館では市民が持ち寄った布で 軍用車両などを隠す為に使う迷彩柄のネットが作られていました。 須賀川拓 記者 「ここにいるのは女性ばかりで、おそらく男性はトレーニングをしているのか、もしくは前線にいっているのか。国民全員がなんらかの形で戦争に関わらざるを得ない状況になっていまっているのは、本当に複雑な思いです」 集合住宅への攻撃に、病院に対する爆撃。南東部のマリウポリでは、ロシア軍による無差別攻撃が激化しています。 荒廃が進む町で、また新たな悲劇が起きました。 16日、今度は避難所が標的となったのです。 崩れ落ちて原形をとどめていないのは劇場。ここには数百人の市民が避難していたといいます。 空爆２日前に撮影された衛星画像には“あるメッセージ”が映っていました。 目立つ赤い屋根が劇場。両サイドの地面に書かれていたのは、ロシア語で「子どもたち」という文字。 事前にロシア軍に子どもたちが避難していることを知らせていたのです。 ウクライナ　ゼレンスキー大統領 「犠牲者の数はまだわかりません。ロシアが市民に行ったことに胸が張り裂けそうです」 まだ多くの人がガレキに埋まったままの状態で、現地ではようやく救出作業が始まりました。 病院前の映像では、負傷者を運び込むとき、爆撃音が響き渡りました。 病院には負傷した市民が次々と運び込まれていました。地下には生まれたばかりの赤ちゃんの遺体も。 病院の医師 「運ばれた時はまだ生きていましたが救えませんでした」 スタッフはこんな心境を吐露しました。 病院の医師 「人は何にでも慣れるものです。でも夜になると、この光景が頭から離れません」 市民の犠牲が相次ぐ中、アメリカのバイデン大統領はロシアのプーチン大統領をこう称しました。 バイデン大統領 「（彼（プーチン大統領）を何と呼ぶかと　聞いたか？」 記者 「戦争犯罪人と呼ぶかどうかです」 バイデン大統領 「そうか、戦争犯罪人だと思うよ」 プーチン氏について「戦争犯罪人」とこれまでにない強い表現を使ったのです。 ウクライナ第２の都市・ハリコフでは、市場(いちば)が攻撃を受けて炎上しました。 ３人が死亡、５人がけがをしたということです。 女の子が見つめる建物。ここは学校です。 物は大きく壊れ、攻撃の激しさを物語っています。 校長 「学校を破壊するのは許せない。ロシアの占領者はなんてことをしたの。ミサイル２発を撃ち込むなんて」 ハリコフに住むいづみさん。現地の男性と結婚し、子ども２人を含め、家族４人で現地にとどまっています。 ハリコフ在住　いづみさん 「（今までは）ボーンって撃って何秒かして、ずっと遠くで弾が当たった音が聞こえる感じだった。ここ2日くらいは、撃った後にすぐ近くで弾が当たっている音が聞こえています」 知人の家に避難しているいずみさん一家。攻撃が激しい夜は地下室で寝ているといいます。 ハリコフ在住　いづみさん 「今、マイナス１０度ぐらいで夜は。冬の天気が戻ってしまっていて、かなり寒い。いっぱい着込んで寝ているんですけど、それでも底冷えというか、夜中に寒かったです」 ロシア軍の侵攻から１７日で３週間。ゼレンスキー大統領の要請を受け、アメリカは日本円で９００億円を越える新たな支援を発表しました。 アメリカの一部メディアは“殺人ドローン”と呼ばれる兵器も支援に含まれていると報じています。 この兵器は時速１６０キロで目標を追跡し、戦車を破壊できるほどの弾頭を搭載できます。 停戦交渉でも動きが。 ウクライナ側の交渉担当者 「ロシアは計画通りに侵攻が進んでいないと分かっている。ロシア側の立場は大きく軟化した。近く停戦すると確信している」 イギリスのフィナンシャル・タイムズは、複数の交渉筋の情報として、１５の項目を軸に停戦交渉が 進められていると報じました。 ウクライナは自国の軍隊は保持する一方で、ＮＡＴＯなどの軍事同盟には加盟せず、外国軍の基地や兵器を国内に置かない。その代わりにアメリカ・イギリス・トルコといった国々がウクライナの安全を保障する、といった案が出されているといいます。 こうしたなか、電話による米中首脳会談が、１８日に行われることが発表されました。 ウクライナ侵攻などが議題となる見込みです。 （17日23:21）