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ゴッホについて

小林秀雄講演集　【ゴッホについて】　 00:00:00 配信開始 00:00:01 1.小説とは 00:13:58 2.告白という文学 00:25:08 3.ゴッホの人生 00:41:45 4.個性と戦う ヴィンセント・ヴァン・ゴッホ（Vincent van Gogh, 1853-1890） 19世紀後半のポスト印象派を代表するオランダ出身の画家であり、独自の画風と情熱的な表現で後の美術界に多大な影響を与えました。彼の作品は現在では非常に高く評価されていますが、生前はほとんど認められず、生涯を通じて精神的な苦悩と貧困に悩まされました。 1. 生涯と芸術活動 幼少期と青年期（1853-1880） 1853年、オランダのズンデルトという小さな町で牧師の家庭に生まれる。 幼少期から自然や芸術に興味を持ち、絵を描くことが好きだったが、正式な美術教育は受けていなかった。 青年期には画商（グーピル商会）で働き、美術作品に触れる機会を得るが、仕事にはなじめず、失業する。 一時期は宗教に傾倒し、ベルギーの炭鉱で伝道師として活動するが、こちらも失敗に終わる。 画家としての道を歩み始める（1880-1886） 1880年、27歳で本格的に画家を志す。 初期の作品は、農民や労働者の日常を描いた**「ハーグ派」や「バルビゾン派」**の影響を受けた暗く重厚な色調のものが多い。 1885年、代表作の一つである《じゃがいもを食べる人々》を制作。この頃は、貧しい農民の生活を描くことに関心を持っていた。 パリ時代と印象派の影響（1886-1888） 1886年、パリに移り、弟のテオ・ヴァン・ゴッホ（美術商）の支援を受けながら制作を続ける。 この時期に印象派や**点描主義（スーラやシニャック）**に出会い、色彩が劇的に変化。明るい色や短い筆触を取り入れるようになる。 ゴーギャンやトゥールーズ＝ロートレックなど、多くの画家と交流を持つ。 アルル時代とゴーギャンとの共同生活（1888-1889） 1888年、南フランスのアルルへ移住。明るい陽光のもとで創作に没頭し、《ひまわり》《夜のカフェテラス》などの名作を生み出す。 同年10月、画家ポール・ゴーギャンと共同生活を始めるが、性格の違いから衝突が絶えなかった。 12月、精神的に不安定になり、**有名な「耳切り事件」**を起こす（自らの左耳の一部を切り落とし、娼婦に渡したとされる）。 この事件後、精神病院に収容されることになる。 精神病院での制作と最期（1889-1890） 1889年、サン＝レミの精神病院に入院。ここで《星月夜》などの傑作を制作。 1890年、退院後、パリ近郊のオーヴェール＝シュル＝オワーズへ移る。精神的には不安定ながらも創作意欲は衰えず、短期間で約70点もの作品を描く。 1890年7月27日、ピストルで自らを撃ち、2日後の7月29日に37歳で死去。