【自己愛性パーソナリティ障害】自己愛的な人から自分を守るには？【精神科医が9.5分で説明】パワハラ｜カサンドラ症候群｜精神科 скачать в хорошем качестве

【自己愛性パーソナリティ障害】自己愛的な人から自分を守るには？【精神科医が9.5分で説明】パワハラ｜カサンドラ症候群｜精神科

0:00 （１）はじめに 0:17 （２）自己愛性パーソナリティ障害と、周りにいた時の影響 3:15 （３）時に精神疾患に至ることも（うつ病、カサンドラ症候群） 4:15 （４）対策の基本は「距離をとる」 5:04 （５）心理的距離の確保と、それが難しい場合 6:29 （６）対策の鍵は「自分軸」 8:38 （７）まとめ 自己愛的な人（自己愛性パーソナリティ障害）から自分を守るにはどうすればいいでしょうか。巻き込まれると疲弊してパワハラを受けたりカサンドラ症候群の危険もある中、基本は「距離をとる」こと、直面が必要な時は「自分軸」を持ち不安でなく覚悟とともに、なるべく孤立せずチームで対峙することです。 ご質問「自己愛的な人から自分を守るには？」について、精神科医が9.5分で回答しています。 出演：春日雄一郎（精神科医、医療法人社団Heart　Station理事長） こころ診療所吉祥寺駅前　https://kokoro-kichijoji.com 府中こころ診療所　https://fuchu-kokoro.com チャンネル登録お願いします　   / こころ診療所チャンネル   ↓詳しい内容はこちらです。 （１）はじめに 「自己愛的な人から自分を守るには？」という質問に対する答えを一言でいえば、「早めに距離を取ることが重要であり、それが困難な場合は自分軸を持つことが生命線となる」ということになります。 （２）自己愛性パーソナリティ障害と、周りにいた時の影響 自己愛性パーソナリティ障害とは、自分が特別な存在だと感じ、他者への共感が著しく欠如しているタイプのパーソナリティ障害です。多くの場合、本人よりも周囲の人々が強く疲弊してしまうのが特徴です。 この障害を持つ人の周りにいると、様々な心理的被害を受ける可能性があります。例えば、自己中心的な欲求に振り回され、それを断ると敵とみなされて攻撃の対象となることがあります。また、見下したような言動を繰り返され、特に不機嫌な時には人格を否定されるようなことを平然と言われることも珍しくありません。 職場において、上司が自己愛性パーソナリティ障害の場合、持続的な自慢や賞賛要求に応える必要が生じ、それを否定すると激高されて敵視されることがあります。また、成果が出ると横取りされ、失敗があれば責任を押し付けられるというケースも見られます。 同僚の場合は、一度ライバル視されると様々な場面で攻撃を受け、陰口や噂話で評価を下げられることもあります。時には、自分が不利な状況ではおだてて近づいてきながら、有利になると態度を一変させることもあります。 部下の場合は、上司の命令に従わず独自のルールで行動し、組織の和を乱すことがあります。上司にはうまく取り入る一方で、同僚や部下から搾取して内部から組織を壊すようなケースも見られます。 友人や知人の場合、支配的に扱われて振り回されたり、正当な主張をしても無視されたり敵意を向けられたりすることがあります。敵とみなされると巧妙に噂を流されて孤立させられることもあります。 配偶者の場合は特に深刻で、自慢や賞賛を求めてくる一方で、相手への共感や承認は全くないという状態が続きます。正当な主張をしても様々な角度からやり込められ、いわゆるガスライティングを受けることもあります。 （３）時に精神疾患に至ることも（うつ病、カサンドラ症候群） 自己愛性パーソナリティ障害の人との関わりによって受ける心理的影響は深刻です。感情的に振り回されて強く疲弊し、自分の感情や主張が無意味だと思わされ、「どうせ何をやっても無駄だ」という学習性無力感に陥ることがあります。その結果、うつ病などの精神疾患を発症したり、慢性的な自己肯定感の低下に苦しんだりすることも少なくありません。 特に深刻なのが「カサンドラ症候群」と呼ばれる状態です。これは配偶者に振り回されることで精神的に疲弊し、うつ病などを発症する症候群です。自閉症スペクトラム障害（ASD）の配偶者との関係で知られていますが、自己愛性パーソナリティ障害の相手との関係でも起こり得ます。むしろ意図的な操作が含まれる分、影響はより深刻になる可能性があります。 （４）対策の基本は「距離をとる」 このような状況への対策の基本は、十分な距離を取ることです。一度巻き込まれてしまうと影響を避けることは困難なため、早期に気づいて距離を取ることが重要です。相手が自身の問題に直面していない限り、相手を変えようとすることは困難であり、かつ危険です。そのため、自分を守ることに集中して対応することが現実的です。 距離の取り方は状況によって異なります。仕事の場合は、関わりを必要な時と内容に限定します。知人・友人の場合は、接触頻度を減らし、SNSの整理なども検討します。配偶者の場合は、一人の時間を確保することで、影響を軽減しつつ冷静になれる時間を作ることが重要です。 （５）心理的距離の確保と、それが難しい場合 物理的な距離を取ることが困難な場合は、心理的な距離の確保が重要になります。自己愛性パーソナリティ障害を持つ人は、支配などの目的のために距離を近づけようとすることが多いため、意識的に距離を保つ必要があります。感情的に巻き込まれないようにすることで、距離を保ちつつ、弱みを握られないようにすることが大切です。 特に注意すべきは「他者軸」の危険性です。相手に合わせる「他者軸」は、相手が善良である場合は機能しますが、悪意がある場合は巻き込まれやすく危険です。自己愛性パーソナリティ障害の場合、悪意や操作が顕著なことが多いため、「他者軸」は特に大きなリスクとなります。 （６）対策の鍵は「自分軸」 自己愛性パーソナリティ障害の人との関係において、特に巻き込まれやすい要素として、自己肯定感が低く相手に依存しやすい傾向や、HSP（Highly Sensitive Person）的な特性による過度の共感、自責の習慣などがあります。 これらに対する対策の鍵は「自分軸」の確立です。相手は自分本位に軸を崩そうとしてくることを前提に、ぶれない自分軸を持つことが必要です。一歩引いて客観的に状況を見ることで、自分と相手のどちらに合理性があるかを冷静に見極める習慣をつけることが重要です。 自分軸を保つためには、可能であれば相談できる友人を作って孤立を避けること、それが困難な場合はAIを活用して客観的な視点を確保することなども有効です。また、体調管理とストレス発散法の充実も重要な土台となります。 主張が必要な場合は、相手からの報復や脅しがあることを前提に、対策を心理的に準備しておくことが大切です。冷静に伝えて巻き込まれず聞く姿勢を保ち、判断基準を事前に明確にしておいて、理不尽な要求は丁重に断ることが必要です。 （７）まとめ 自己愛性パーソナリティ障害を持つ人との関係では、相手を自分本位に搾取したり、こき下ろしたりする行動が目立ち、無意識に関わると精神的に大きな打撃を受けるリスクが高くなります。 対策の基本は距離を取ることです。物理的な距離が望ましいものの、それが困難な場合は心理的距離を最優先で確保し、影響の軽減を図ります。それらが困難で主張が必要な場合は、リスクは高くなりますが、自分軸を明確にしつつ、強い覚悟を持ち、できるだけチームで冷静に対応することが重要です。 こころ診療所グループ（医療法人社団Heart　Station） 府中こころ診療所（東京都府中市宮西町1-1-3三和ビル2階、☎042-319-7887) こころ診療所吉祥寺駅前(東京都武蔵野市吉祥寺南町1-4-3ニューセンタービル６階、☎0422-26-5695) #自己愛性パーソナリティ障害 　#カサンドラ症候群 　#パワハラ 　#精神科 　#精神科医　 【監修者】 医療法人社団Heart　Station　理事長　府中こころ診療所院長　春日雄一郎 精神科医（精神保健指定医、日本精神神経学会精神科専門医） 2005年東京大学医学部卒業、NCNP病院、永寿会恩方病院等を経て、2014年に府中こころ診療所を開設、その後医療法人化し理事長に就任、2021年8月に分院「こころ診療所吉祥寺駅前」を開業。メンタルクリニックの現場で、心療内科・精神科の臨床に取り組み続けている。