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藤原医院　医学解説動画　第17回：眼底検査の意義

「眼底検査」の意義について解説いたします。 　眼科検査の基本である、眼底検査をどうして行うのかについて度々尋ねられますので、基本的な意味合いを御解説致します。 　そもそも会社や入学前後・新学年時に眼科検診がなぜ必要なのでしょうか。視力検査を最初に行います。視力が出ない場合、中間透光体「角膜・水晶体・硝子体」に先ず問題が無いかが問われます。合わせてフイルムである「網膜+硝子体（眼底）」に問題が無いかも検査します。眼科医が検査する内容がこの二つです。特にフイルムに問題がある場合は、高度医療機関への紹介が必要ですので、重要です。何より個人の動静脈の状態を直視出来る唯一の部位が眼底です。その為、「糖尿病・高血圧・動脈硬化」が有るか無いかが、眼科検査で判明する事があります。なお眼底検査でわかるレベルであればかなり進行しており長期間放置されてきた証です。 　海外では家庭医は必ず直像鏡で患者の眼底を診ます。顔を近づけて診ている検査で、眼科でも行いますが、日本の眼科では広範囲の検査が可能である倒像鏡眼底検査を行います。どの医師も海外ではほぼ眼底検査を診察中に行います。これにより視神経乳頭の状態で「脳圧の亢進・減衰」が分かり、「脳での出血やうっ血・血流低下」を判断できます。同じく瞳孔の対光反応も判断できますから、眼科だけなく脳神経障害も同時に観察できます。当然我が国の倒像鏡でも確実に出来る検査です。 　その眼科医の見解に依りますが、患者さんに必ず判断を委ねますが、「オデキだけ診てくれ。」とか「ホコリが目に入っただけだ。」等と検査を費用がかさむと拒否するヒトがいます。しかし以後「視力が出ないぞ。何でだ。」等とねじ込まれる事も想定されますから、当院では一応「本日の見え方は確認します。眼底にも問題ない事を確認します。宜しいですか。」と念を押します。そこを医師・責任者が問うても患者が拒否した場合は、患者側の責任になります。逆に医師が患者に進言しなかった場合は、医師の良識を疑われますし、患者への提言が無かった事は過失に成り兼ねません。 　患者さんで、眼底検査に非協力的なヒトがいますが、「網膜障害や剥離、出血は無症状な事が多いので、頑張って目を開けて診せて下さい。」と一声かけますと急に頑張って指示に従いだします。何のために検査しているのかが、医師から説明されず仕方なく従っているだけという、やらされている感が支配的だからです。子供には、「○○君が頑張ってくれると、お母さんたちが嬉しいのよ。頑張ってくれるかな。」と促すと思いの外、子供は両親の為に検査に付き合ってくれます。これにより眼底の検査と眼位の問題が分かりますし、発達障害のレベルも推測されます。こうして診断確定を付ける為にも眼底検査は必要です。