バセドウ病眼症への手術　眼窩減圧術について～バセドウ病眼症を医師が解説！　オキュロフェイシャルクリニック東京～鹿嶋友敬 скачать в хорошем качестве

バセドウ病眼症への手術　眼窩減圧術について～バセドウ病眼症を医師が解説！　オキュロフェイシャルクリニック東京～鹿嶋友敬

※勉強になったり、面白かったと感じたら、いいね！をお願いいたします！ ツイッターなどで拡散していただけるとさらに嬉しく思います 2024年　手術実績　11,143件　(2024年1-12月) 元　涙道涙液学会　理事 元　群馬大学　非常勤講師（2014-20） 元　帝京大学　非常勤講師（2017-19） 元　アジア太平洋眼形成学会　理事（2010-18） オキュロフェイシャルクリニック東京　中央区銀座１丁目ビル８F 03-5579-9995 http://www.oc-tokyo.com/ MAPはこちらhttps://goo.gl/maps/FHdXKbJWcGtzU2fs6 オキュロフェイシャルクリニック京都（NEW） 0120-47-8346 https://www.oc-kyoto.com/ MAPはこちらhttps://maps.app.goo.gl/6USXGtCSPw5FU... オキュロフェイシャルクリニック大阪 0120-219-609 https://oc-osaka.com/ MAPはこちらhttps://goo.gl/maps/NCCpbxA1mqxNWbZ2A まぶたとなみだのクリニック千葉 043‐307-7781 〒260-0015 千葉県千葉市中央区富士見１丁目１−１３ JS Bldg 6階 MAPはこちらhttps://goo.gl/maps/heHEaADnoo7o1Tp9A 新前橋かしま眼科形成外科クリニック　前橋市古市町180-1 027-288-0224 http://www.kashima-oc.com/ MAPはこちらhttps://goo.gl/maps/vBW1QXwt6y1VevAo8 山本美憂選手との対談はこちら    • 山本美憂選手対談　皮膚を切らず日帰りで眼窩骨折を治す！　オキュロフェイシャルクリニッ...   2019年11月10日のバセドウ病眼症講演会の内容はこちら    • もはや不治の病ではない！？ バセドウ病眼症への治療 ～オキュロフェイシャルクリニック...   東京MXで紹介されました    • 東京MX　スーパードクター　2019年4月9日放映　眼形成外科医　鹿嶋友敬   OurAgeにバセドウ病眼症の治療を特集していただきました https://ourage.jp/column/karada_genki... バセドウ病眼症に悩んでいる方はどうぞ 「１時間で分かる　甲状腺眼症入門パンフレット」 https://oculofacial.page.link/FoB 現物 https://oculofacial.page.link/pamphlet kindle版 https://www.amazon.co.jp/dp/B07MS9HNS... 2019年11月10日のバセドウ病眼症講演会の内容はこちら    • もはや不治の病ではない！？ バセドウ病眼症への治療 ～オキュロフェイシャルクリニック...   東京MXで紹介されました    • 東京MX　スーパードクター　2019年4月9日放映　眼形成外科医　鹿嶋友敬   OurAgeに特集していただきました https://ourage.jp/column/karada_genki... こんにちは。オキュロフェイシャルクリニック東京の鹿嶋友敬です。 この動画では、バセドウ病眼症・甲状腺眼症への手術治療のうち、最も根本的な治療である眼窩減圧について解説いたします。 最初に写真をご提供いただいた患者さん達に感謝いたします。 まず眼球突出するとどのような眼になってしまうのかを見てください。 この患者さんは約20歳の女性です。ごく普通の眼をしていましたが、バセドウ病眼症発症後、眼球突出と眼瞼後退を発症し、上のまぶたの腫れ、下のまぶたのクマが出現し、目を見開いた状態になってしまっています。 発症前と発症後では、目から受ける印象は大きく異なることが分かります。目を見開いた顔からは、威圧感を感じてしまいます。このように変化してしまうのが、バセドウ病眼症なのです。この状態は手術以外では元に戻りません。 顔つきの変化だけでなく 目が飛び出ることにより さまざまな症状が起こってきます 眼症を発症すると瞼が引き連れ目が飛び出て 角膜が濁り白目がむくみます これに伴い患者さんが感じる症状は 目の表面が痛くてゴロゴロする 視力が低下する 目の奥が痛くなる ダブって見える 涙目になるそして最後に 目つきが悪くなってしまう このように さまざまな症状を引き起こすのがバセドウ病眼症なのです こんな状態に絶望して、悩んでいる方がたくさんいるのです。眼球突出は自然には治らないですが、手術という方法で治すことが可能です。 大きく目が飛び出てしまった場合でも手術によって改善させることは可能です。 完全に元に戻るかどうかは病気の重症度によります。軽度であればあるほど、発症前の状態に戻しやすいので、早期発見、早期治療が基本になります。ではどのような時期になったら手術が可能なのでしょうか。 手術による治療を行うのは、活動期を過ぎて非活動期に入った方です。 この時期になると薬剤での治療は無効であり、手術による治療しか方法は無くなってしまいます。 火事で例えると、家が焼け落ちて鎮火した状態であり、建て直しをする、ということになります。 ではバセドウ病眼症への手術の種類はどのようなものがあるのでしょうか？ バセドウ病眼症への手術は大きく分けて3種類あります。 眼窩減圧術、斜視手術、眼瞼手術、です。これらの手術は、手術の部位が違うのですが、かならずこの順番で行わなければなりません。なぜなら後ろの組織を手術すると、前の組織の状態が変化するためです。家で例えるなら必ず土台から建て直しをしないと、きちんとした家が建たないのと同じです。ではそのなかでも眼窩減圧術について見ていきたいと思います。 そもそもですが、眼窩、とは何でしょうか。「窩」というのが、難しい漢字ですが、窪んだ部分を指す言葉です。つまり眼窩とは目が入る骨のくぼみのことを指します。 眼球突出するのは、目の後ろの脂肪や筋肉の体積が増え、眼窩内の圧力が増し、その結果として眼球が突出するためです。この圧力を軽減するのが眼窩減圧術になります。眼窩減圧術は増えた組織の体積を減らす、もしくは眼窩自体のスペースを広げることで、眼窩内組織の圧力を減らし、眼球突出を改善する手術を指します。 では眼窩減圧には主にどのような種類のものがあるのでしょうか。 眼窩減圧術の種類は主に3種類です。古い順に眼窩の内下壁の骨を切除する方法、眼窩の外側の骨を切除する方法、眼窩の脂肪を切除する方法が報告されており、眼窩の脂肪を切除する方法が一番新しい方法となっています。ではそれぞれについて解説したいと思います。 まず眼窩内下壁の骨の減圧術です。最初に報告されたのは、1957年つまり昭和32年です。口のなかの歯茎を切開する方法で、上顎洞に入り、上顎洞から眼窩内壁と下壁を切除する方法です。侵襲が強いため海外ではすでに廃れた術式ですが、日本国内ではつい２，３年前まで行われていました。 なぜ海外で廃れたか、というとダブって見えるようになってしまう確率が高いからです。さまざまは報告がありますが、これらの報告をまとめると約60%程度の症例で複視が出現しています。内下壁の減圧は、複視の発生率が多いとされ、その原因は眼球や筋肉が内下方に偏位することが原因であるとされています。減圧の効果は4ミリ程度あります。ただし視神経への圧迫の解除には最も適した方法であるため、甲状腺視神経症の場合には現在でも適応になります。当院では口の中からではなく、白目から同じことを行うことが可能ですので患者さんの身体的負担は比較的少なくなっています。では深部外壁の減圧はどうなのでしょうか？？ さまざまな報告が上がっていますが、複視の発生は3.8%と内下壁の減圧よりもかなり少ないことが分かります。つまり骨の減圧の中では深部外壁の減圧の複視の発生率が一番低いのです。ただし中身の詰まった骨を削るために長い時間がかかり、患者さんの身体への負担は大きくなります。また脳との間の骨を削る為、脳にダメージが及ぶ可能性はゼロではなく、もちろん脳にダメージが及べば命の危険性があります。ただしリスクは高くはありません。次に眼窩脂肪を切除する方法はどうなのでしょうか。 眼窩脂肪を切除する減圧術の複視の発生は3.2%程度とされ、現状で最も複視の発生率が低い、と言える術式です。骨を切除する方法に比べて手術時間が短く、身体へのダメージも少ないため短期間で回復します。しかし眼窩脂肪の中を重要な神経や血管が通っています。このため視機能障害を発症する確率が骨の減圧よりも高いということが予想され、世界的にも行っている施設は限られています。 脂肪減圧は結膜を切開して行います。つまり皮膚を切開しませんので、皮膚に傷は残りません。 手術の動画はYoutubeにアップしてありますので、興味のある方は一度ご覧ください。URLはコメント欄に記載しておきます。ただし手術動画ですので、苦手な方はご遠慮ください。このように減圧手術は大きく分けて3種類あります。ではどれを選べば良いのでしょうか 複視の発生率やダウンタイムを元に考えると、当院では減圧手術の第一選択を患者の負担の少ない脂肪減圧としています。一回の減圧で十分に改善が得られなかった場合には、2回目の減圧を行いますが、その場合には外壁の減圧を選択します。 複視の発生率の高い内下壁の減圧は基本的に行いません。ただし先述のとおり甲状腺性視神経症の場合には第一選択となります。 では実際の症例について見ていきましょう。 先ほど提示した約20歳女性の方です。右優位の眼球突出により、目つきの左右差が出来てしまっています。眼球突出による見開きだけでなく、上のまぶたの腫れや、下のまぶたのクマが出来ています。すでに発症から2年が経過し、非活動期に入ってしまっているため、自然には治癒しない状態です。では減圧手術をするとどう変化するのか見てみましょう。 こちらの方には眼窩脂肪減圧を行いました。右7.1㏄左6.6㏄の切除を行っています。当院で行っている脂肪切除の平均量は約4㏄ですので、他の方よりもかなり脂肪が増えていた、ということになります。次に術前後の写真を見てください。 上が術前、下が術後です。★減圧手術を行うことで、目の見開きが改善し、白目の面積が減少していることが分かります。上のまぶたの腫れだけでなく、下のまぶたに出来ていたクマも改善しています。★斜めからの写真では、左眼の眼球突出の改善が明らかで、まぶたが大きく凹んでいるのが分かります。 どんな手術でもそうですが、手術は100%安全なものではありませんから、次のような合併症が起こるリスクがあります。眼球運動障害、調節力障害、知覚鈍麻、視力・視野障害、そして感染や出血のリスクです。また減圧手術後の再発は1.3%に起こるという報告があり、眼症の再燃には注意する必要があります。