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ボイスドラマ「さるぼぼ〜魂を導くもの」 3 недели назад


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ボイスドラマ「さるぼぼ〜魂を導くもの」

『さるぼぼ〜魂を導くもの』は、飛騨地方に古くから伝わる「さるぼぼ」にまつわる不思議な縁を描いた物語です。 「さるぼぼ」は、子どもや家族の幸せを願い、大切な人を守るお守りとして親しまれてきました。 本作は、Podcast番組 「Hit’s Me Up!」 の公式サイトをはじめ、Spotify、Amazon、Appleなど各種プラットフォームでもお聴きいただけます。 飛騨の風景とともに、さるぼぼが導く奇跡の物語を、ぜひ耳でもお楽しみください(CV:桑木栄美里) 【ストーリー】 <シーン1/古い町並にて> ■SE/古い街角の雑踏 「ママ」   え?   小さな声に振り向くと、軒先のさるぼぼと目が合った。 雑貨屋に置かれた手のひらサイズの人形。 赤い色が微笑んだように見えた。   私は、東京からふるさとへ戻ったばかり。 先ほど、不動産屋さんで住居を探してきたところだ。 まあ、よくある話。 慣れない東京で人間関係に疲れ、逃げるように高山へ帰ってきたってわけ。 ホントは、奥飛騨に空き家を借りて隠遁生活を送ろうと思ってたのに。 それを不動産屋さんに伝えると、露骨に顔を顰めた。   ”冬山で1人で空き家に?” ”携帯の基地局も離れているからつながらないし” ”第一、女性が1人暮らしするところじゃない”   結局あきらめて店を出た。 ひさしぶりに散策する高山市内。 そのとき、この小さな赤い顔に出会ったんだ。   さるぼぼをとろうと伸ばした手の先が何かに触れる。   「あ、ごめんなさい」   それは、誰かの右手。 私よりひとまわりくらい年上の男の人だった。 年齢の割に幼い表情。 はにかんだ笑顔はきっと好感度も高いんだろう。   お互いに顔を見合わせる。 まるでドラマのような出会い。 笑える。     <シーン2/宮川の朝市にて>   ■SE/朝市の喧騒と宮川のせせらぎ   そのあとの展開はまさにドラマ。 映画のストーリーのように私たちの心はつながり、 お互いに支え合うパートナーとなった。 私は看護師となり地元のクリニックに勤務。 彼は観光客向けにカフェを始めた。   2人で過ごす新しい人生。 今日も肩を寄せ合って宮川の朝市を歩く。 こうやって、一緒に年老いていくのかな。 思わず口角が上がる。 ただ・・・ 何も言わないけど、私たちの間に子どもができないこと。 たぶん彼は気にしている。 子ども好きな彼のことだから、家族がほしいのだろうな。 私だって本当はそうなりたいのに・・・   「ママ」   え?   また?あの声。   私は周りを見渡す。もちろんどこにも子どもの姿はない。 彼には聞こえていないようだ。   まあ、いいか。悪いことがおこるわけじゃないし。 いまのひょっとして君かな?   バッグの中から顔を出しているさるぼぼに目で訴えた。   ところが・・・   翌日、私の懐妊が判明した。 彼は、高山の遅い春が通り過ぎちゃったくらい喜ぶ。 そこから先は、まあ、早かった。   新しい年が明けて、産声をあげたのは私にそっくりな娘。 この娘はさるぼぼが連れてきてくれたのかな。   私たちは、文字通り目に入れても痛くないくらい娘を愛した。   娘が3歳になると、 週末はできる限り、家族でドライブに出かけるようになった。 真新しいチャイルドシートを後部座席にとりつけて。 もしもの時も大丈夫。 チャイルドシートは最も高機能のものを選んだから。   幼稚園の卒業。小学校の入学。   節目節目がもう嬉しくて、嬉しくて。 この幸せは、永遠に続くものだと思っていた。 あの日までは・・・     <シーン3/渋滞の車列>   ■SE/救急車のサイレンの音   暖冬には珍しく大雪が降った週末。 私たちは危ないからお出かけをやめようと言ったが、 娘がどうしても行きたいとせがんだ。   仕方なく出かけたドライブ。 彼はつとめて慎重に雪道を運転していた。 だが、楽しく過ごした温泉からの帰り道。 渋滞する車の列に、大型トレーラーが突っ込んだ。   目が覚めたときは病院のベッドの上。 枕元で、 ギプスをはめ、悲痛な顔をした彼が目を真っ赤にして泣いている。   あの娘は? どこ? 怪我は? 早く会わせて! え?なに? うそ!? そんなのうそ! うそでしょ! いやだ!信じない!聞こえない!   私たちでさえ一週間以上意識不明の重傷。 後部座席の娘が無事なはずはなかった。   彼は私に小さな赤いものを手渡す。 クルマの後部座席から見つかった、さるぼぼの人形だ。 腹掛けから少しだけ綿がはみ出している。 私は震える手で受け取り、   「こんなもの!」 「さるぼぼは子どもの守り神じゃないの!?」 「どうしてあの娘を守ってくれなかったの!」   床に投げつける。 人形は、壁に当たり、私の足元に転がった。     <シーン4/山の中の家>   ■SE/森の中の小鳥   天国から地獄。   これほど的確に表す言葉があるだろうか。 それからの私たちは、もう魂の抜け殻。   昔探した、奥飛騨の山奥。 空き家をただ同然で購入して移り住んだ。 車も自転車も何も持たず、スマホも捨てた。 テレビもひいてない。   わずかばかりの種や苗を庭に埋め、ほぼ自給自足の生活。 2人の間に会話はほとんどなく、日がらぼうっと過ごす。 このまま2人同時に命が尽きて、早く娘の元へいけますように。 そんなことばかり考えていた。   しかし、運命はそんな願いすら許してくれなかった。 ある雪の降る夜・・・   「ママ」   ずいぶん前に聞いたあの声で私は目を覚ました。 振り返ると・・・ 隣で寝ていた彼が胸を押さえて苦しんでいる。   これは・・・心筋梗塞!   あわててスマホを探す・・・   ああ、そんなもの、とっくに捨てたんだった。 車も・・ない。 近くの民家まで歩いても1時間かかる。 私は途方にくれた。   と同時に、ものすごい恐怖が襲ってくる。 いつ死んでもいいってずっと思ってたけど、 いま彼がいなくなったら・・・ 私は1人ぼっちになってしまう。 この真っ暗闇の中で。 そんなの、いやだ!   私はとるものもとらず家を出て走り出す。 外は春の吹雪にかわっていた。 最悪の事態になって、やっと気づいたけど、遅すぎる。 大切なものが私のすぐ横にあったのに。 それを見ようともせず、悲しみだけに取り憑かれていた。   お願い。あなた。私を置いていかないで。   麓への一本道。 息をきらして走り続ける。 とそのとき。 雪のなか、遠くにうっすらと赤いものが見えてきた。 あれは・・・ だんだんとサイレンの音がこだましてくる。   これは・・・まぼろしだ。 幻覚を見るくらい心が病んでいるのか。   ところが、赤色灯もサイレンも本当に近づいてきて、目の前で停まった。   本物の救急車。 でも、どうして?   手をあげて車をとめた私の前に救急隊員が降りてくる。 そして、大丈夫ですか?と私の名前を呼んだ。   え? そんな? なぜ私の名前を? 誰が救急車を呼んだの?   救急隊員が答える。   『小さな女の子が消防署に駆け込んできたんです』   ”お父さんが死んじゃう。助けて”   え?え? どこ?その娘はどこ!?   私は取り乱して問いただす。   『後ろの席に・・』   言い終わるより先にドアを開ける。 だが、そこには誰も乗っていない。 その代わり、さるぼぼの人形がシートに落ちていた。     <シーン4/山の中の家>   ■SE/森の中の小鳥(春の鳥/ウグイス・メジロなど)   夫は奇跡的に助かり、私たちは元の生活に戻った。   いや、元の生活ではない。 娘に生かされた命。 意味なく生きるなんて許されない。 自給自足は変わらないけど、2人で畑を耕し野菜を作った。 電話も引き、WI-FIもつないで世界とつながった。 山の中だけどカフェを開き、SNSにアップした。   私たちは月に1回車で街まで買い出しに出かける。 私の検診もかねて。 シートベルトをしめた私のお腹は少しずつ大きくなってきた。 これからは前を向いて生きていく。 ダッシュボードにぶら下げたさるぼぼの人形が揺れていた。

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