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メンタル不調は採血でわかる？【基本わからないが、別の理由で採血が大事。精神科医が5分でまとめ】

0:05 はじめに 0:27 メンタル不調、これらは採血でわかるか？ 1:30 ではなぜ採血が大事か？ 2:30 採血でわかりやすい「体の原因でのメンタル不調」 4:22 まとめ 「メンタル不調」は採血（血液検査）でわかるのでしょうか？現段階ではうつ病等のメンタル不調は採血での診断はできないとされます。一方で、体の原因からうつ状態などメンタル不調を起こす「器質性精神病」があり、その除外を採血で行うことは重要です。 精神科医が約5分でご質問にお答えします。 出演：春日雄一郎（精神科医、医療法人社団Heart　Station理事長） こころ診療所吉祥寺駅前　https://kokoro-kichijoji.com 府中こころ診療所　https://fuchu-kokoro.com チャンネル登録お願いします　   / こころ診療所チャンネル   ↓↓内容の詳細は下記になります。 ＜ご質問：メンタル不調は採血でわかる？＞ ご質問にお答えします。今回は「メンタル不調は採血でわかる？」になります。よろしくお願いします。今回お受けしましたご質問は「メンタル不調は採血で分かりますか？」という質問になります。 お答えとしては、「基本はわからない。でも、採血は大事」というふうにお答えしたいと思います。 ＜メンタル不調とは＞ まず、この「メンタル不調とは」ですけれども、これは何らかの精神疾患に伴う精神状態・メンタル状態の不調ということになります。 うつ病や適応障害のほか、さまざまな病気というのがありますし、もしくは特性パーソナリティ障害や発達障害といった特性というところも広くは含まれます。 ＜うつ病や他のメンタル不調は、採血でわかるか＞ この中で、代表的なもの「うつ病と採血」というところを見ていきますけれども、よく「うつ病」では「脳のセロトニンが不足する」というふうに言われますが、これはあくまで脳内の話でありまして、採血では出てきません。 そして、そのほか、採血で何かわかるマーカーというのがあるかといえば、今のところはないとされています。 なので現段階では、うつ病は採血ではわからないということになります。 ほかの病気と採血ということを見ていきますと、躁うつ病であったり、統合失調症だったり、ほかの病気に関しても何か採血でわかるようなマーカーというのは今のところはありません。 そして、発達障害やパーソナリティ障害に関しても、同様にそういうマーカーはないというふうにされますので、まとめると基本的には「メンタル不調は採血ではわからない」ということになります。 ＜採血が大事な理由：「器質性精神病」除外のため＞ では、なぜ採血は大事なのですかというご質問ですけれども、答えとしては「時に身体の原因が隠れているから」というふうにお答えします。 ここで器質性精神病というものがあります。 これは、「体の原因」のためにうつ状態などメンタル不調が出るというものになります。原因となる体の病気はさまざまあります。 そして出てくる症状というのも、いろいろな形で出ることがあります。 原因となる体の病気等ですけれども、これはエリテマトーデス（膠原病）もそうですし、ビタミンの欠乏、てんかん、肝障害、糖尿病、薬の副作用、さまざまな原因があり得ます。 そして出る症状に関しても、落ち込み、倦怠感、いわゆるうつ症状のほか、イライラ、もうろう状態、幻覚、不安焦燥などさまざまなものがあります。 こういった「体の原因の除外のために採血が大事」になってきます。 そして、確かにまれなものも含めると全てを見ることはなかなか難しいところがあります。 ただ、一方で採血でシンプルにわかるものに関しては、しっかり除外をしていきたいということがあります。 ＜採血で除外できる代表的な体の病気（器質性精神病の原因）4つ＞ では、「採血でわかりやすいものは何ですか」ということになりますけれども、ここで見ていきたいと思います。 まずは、甲状腺の機能異常・亢進症もしくは低下症ということになります。 これは甲状腺ホルモン、首にあります「甲状腺」が出すホルモンが、これが過剰・多すぎても、不足・少なすぎても精神的な症状が出ることがあります。 過剰・いわゆる亢進症ですと、不安やイライラ、パニック症状など出ることがあります。 そして不足・低下症ですと落ち込み、だるさなど、いわゆるうつ的な症状が出やすいとされます。ただ、そのほかの症状も出ることはあり得ます。 続いて貧血ですけれども、これは貧血によってだるさや倦怠感など、ちょっとうつの症状とも似た症状が出ることがあります。 貧血の原因は女性の多くですとよく鉄欠乏性貧血がありますけれども、時として他の原因のこともあり得ますので、もし貧血がわかったら、その原因が何かをしっかり精査・調べることが望まれると思われます。 続いて、肝臓の不調・肝障害になります。これは、肝臓の不調によってだるさであったり、何か集中できないということであったり、重度になりますと、いわゆる「もうろうとした状態」が出ることがあります。 特にお酒をたくさん飲む「多量飲酒」の方に関しては、肝臓のダメージに特に注意が必要になります。 そして、これはメンタル不調の原因となる以外にも、薬の治療をするときの副作用の出やすさという面でもしっかり把握していくことが大事になります。 続いてが糖尿病になります。糖尿病によって、だるさや意欲の低下などが出てくることは、これはあり得ます。 そして、この糖尿病も未治療期間・血糖値が高い状態が続きますと、血管であったり、腎臓であったり、さまざまなところにダメージが大きく出てしまいますので、もし見つけたら早めの対策をすることが大事かと思われます。 今挙げましたこの4つは、しっかり除外をするのがいいんじゃないでしょうか。 ＜まとめ＞ 今回は「メンタル不調は採血でわかる？」ということについて見ていきました。 うつ病などメンタル不調に関して採血で診断をすることは、今のところはできないというふうにされています。 一方で、体が原因で精神的な不調が出る「器質性精神病」というのがありまして、この除外をするために採血が大事になってきます。 特に「甲状腺の機能の異常」「貧血」「肝障害」「糖尿病」。この4つに関しては比較的シンプルに調べられるので、しっかり除外をしていくことが大事かと思われます。 こころ診療所グループ（医療法人社団Heart　Station） 府中こころ診療所（東京都府中市宮西町1-1-3三和ビル2階、☎042-319-7887) こころ診療所吉祥寺駅前(東京都武蔵野市吉祥寺南町1-4-3ニューセンタービル６階、☎0422-26-5695) #メンタル不調　#うつ病　#甲状腺機能低下症 　#甲状腺機能亢進症　#器質性精神病　　 【解説者】 医療法人社団Heart　Station　理事長　府中こころ診療所院長　春日雄一郎 精神科医（精神保健指定医、日本精神神経学会精神科専門医） 2005年東京大学医学部卒業、NCNP病院、永寿会恩方病院等を経て、2014年に府中こころ診療所を開設、その後医療法人化し理事長に就任、2021年8月に分院「こころ診療所吉祥寺駅前」を開業。メンタルクリニックの現場で、心療内科・精神科の臨床に取り組み続けている。