影響を受けてのストレス反応【報道視聴など、受け身でも影響は生じる。精神科医が9分でまとめ】 скачать в хорошем качестве

影響を受けてのストレス反応【報道視聴など、受け身でも影響は生じる。精神科医が9分でまとめ】

0:05 （１）はじめに 0:31 （２）行動分析と「影響を受ける」 1:26 （３）「影響を受ける」とストレス 3:02 （４）実際に受ける影響 6:44 （５）「影響を受けてのストレス反応」への対処法 8:14 （６）まとめ 行動や経験のほか、ニュースや報道の視聴により、「受け身」で影響を受けた時も「ストレス反応」は生じます。情報過多に気を付け、変化に早く気づき、早く対応することが大事です。 精神科医が要点を約9分の動画にまとめています。 出演：春日雄一郎（精神科医、医療法人社団Heart　Station理事長） こころ診療所吉祥寺駅前　https://kokoro-kichijoji.com 府中こころ診療所　https://fuchu-kokoro.com チャンネル登録お願いします　   / こころ診療所チャンネル   ↓↓内容の詳細は下記になります。 （１）はじめに：影響を受けてのストレス反応 精神科医の視点。今回は「影響を受けてのストレス反応」についてやっていきたいと思います。よろしくお願いします。 「ストレス反応」と言いますと、「自分が経験したストレス」というのが主に想定されますが、周りの雰囲気やニュースなどに影響を受けてストレス反応が出ることもあります。 今回は、こうした「影響を受けてのストレス反応」について見ていきたいと思います。 （２）行動分析と「影響を受ける」 行動分析のポイントは「人は行動の積み重ねで変化をしていく」というところです。 人は経験で成長・変化していきますが、この「経験」はある種「行動を積み重ねる」というところがあります。 もとの「素因」があって、経験や行動の積み重ねで徐々に人格ができてきます。 ＜行動とは何か＞ 狭く言うと「自分が動くこと」というところ。 もう少し広く取ると「経験する」というところも含まれます。 そのほか「影響を受ける」ことも広く取れば行動です。 ＜「影響を受ける」行動の要素＞ まずは「情報を受け取る」というところ。 そして「そこから何かを感じる」というところ、これは外的な影響。 そしてそこで「色々考えたりする」、これが内的な影響になってきます。 そのため「何から、どのくらい影響を受けるか？」が非常に大事です。 （３）「影響を受ける」とストレス この「影響を受ける」ことと、ストレスは非常に関連する面があります。 ＜「影響受けること」とストレス＞ まずこの「影響を受ける」こと自体が、1種の外的なストレスです。 その五色々「考え事」をすると、そこから「内的なストレス」が生じます。 そして、ストレスが過大になると、いわゆる「ストレス反応」になります。 ＜ストレス反応＞ これはストレスに反応して緊張や覚醒度が上昇するというところ。 本来は「危険に対応する」目的に沿った「合目的的な反応」です。 しかしそれが強くなり過ぎたり、続き過ぎる時は、心身に悪影響が出てしまいます。 ＜ストレス反応の悪影響＞ ①心理面の反応 不安やイライラ・落ち込みなどが出る場合があります。 ②行動面の反応 落ち着かなさ、イライラ、衝動的な行動などで出る事があります。 ③身体面の反応 動悸やめまい・吐き気、食欲低下など「自律神経失調症」的な症状が出ます。 ＜ストレス反応が起こりやすいリスク＞ まず「その人にとってのその出来事のストレスの大きさ」、影響を受けたことのストレスの大きさです。 2つ目は、その受ける側の「ストレスへの敏感さ」。 3つ目は、ストレスを受けた時の「状態と余力」がどれぐらいあるか。 （４）実際に受ける影響 実際に、人はさまざまな物事から影響を受けるところがあります。 影響を受ける例、まずは「家・職場の雰囲気」、あとは「人間関係」、次に「日々の色々な活動」、そして「ニュースや報道など」です。 ポイントは、必ずしも能動的でなくても、「受け身であっても影響を受けることがある」ことです。 ＜ニュース・報道の影響＞ まさにここで「受け身でも」情報が入ってきて影響されることが多くあります。 そして、ニュースや報道はその性質上、事件等ネガティブなものがどうしても多くなります。 ここにおいて、特に大きなニュースがある時に影響が強まる面があります。 ＜大きなニュースの例＞ 例えば戦争や戦争の危険があるという話。 あとは何か有名な組織のスキャンダルなどの話。 そして、有名人の自死などの話がありえます。 ＜影響が強まる要素＞ まずは「インパクト」、衝撃度の「強さ」があります。 次に「内容のネガティブさ」というところ。 そして「物事の不確定性」特にニュース初期は様々な情報が錯綜してどれが正しいか分からず、それが非常に不安をあおる面があります。 ＜影響を受ける側の要素＞ まずは「情報過多」情報が多く、様々な情報を受け過ぎて影響が強くなります。 2つ目が「心身のコンディション」体調不良やストレス過多で余力がないと、影響が増えます。 3つ目は、「自他境界のあいまいさ」自分と関係ない事も「自分事のように感じてしまう」と影響が強く出ます。 ＜関連用語１：ウェルテル効果＞ ウェルテル効果は、いわゆる有名人等の自死の報道後に、同様のことが増えるとされる現象です。 これは有名人や若い方だと影響がより大きくなるともされます。 そしてより詳細な内容や、感情を動かすような内容があると影響が大きくなるとされます。 ＜関連用語２：パパゲーノ効果＞ このパパゲーノ効果は、逆に対処法や「危機を乗り越えた例」などを示すことで、状況の改善があったという現象です。 これに関して、危機の対処の方法や実例を示すことが報道にも求められ、ガイドラインにも反映されています。 そして、「困っている時の相談連絡先の情報提供」も、一つの方法とされます。 ＜報道での「ガイドライン」の例＞ まずネガティブな情報の時、「具体的な方法」や「感情的な美化」は避けるべきとされます。 そして、助けを求める情報をしっかり提供するということも言われています。 あとはその逆、「予防法」や「メンタルヘルスの情報」の提供が推奨されます。 そして情報を見た後の視聴者側自身の感情変化に注意を促すことが推奨されています。 （５）「影響を受けてのストレス反応」の対処法 要点は「予防して、気づいて、防ぐ」です。 対処方法を具体的に見ると、まず1つ目が「反応の予防」、2つ目が「反応に気付く」、3つ目が「悪化を防ぐ」です。 ①反応の予防 情報が過多になると厳しくなるので、「情報量を絞る」が1つ目です。 その上で「情報を選ぶ」が2つ目です。そこでは「情報の信頼性」、「自分への影響」の双方が基準になります。 3つ目は「日頃の体調管理」、何か影響を受けそうでも、余力があると防げることがあります。 ②反応に気付く まずは、自分の感情やその変化に注意を払い、変化に気づいていくこと。 そして自分だけで見えにくくても、周りとつながり話す等で気づいていくこと。 あとは精神以外にも「体調や行動の変化」から変化に気づいていくことです。 ③悪化を防ぐ まずは頭を休ませる「休養の確保」が一番の対応です。 その上でセルフケアをしながら話したりして、心理面の整理をしていきます。 こうしたことをしても困難な場合は、専門家などに相談をすることが選択肢です。 （６）まとめ 今回は、精神科医の視点「影響を受けてのストレス反応」について見てきました。 「影響を受ける」ことは、長期的な経験としての意味のほか、「ストレス」の意味もあり、大きすぎると「ストレス反応」が生じます。 生活の様々な物事から、仮に受け身でも影響を受けます。特に大きなニュース等から、意図せず大きな影響を受けることがありえます。 反応への対策は「予防し・気づき・防ぐ」。まずは情報量を絞って選びつつ余力を確保し、もし反応があれば、早めに気づき早めに対処することが大事です。 こころ診療所グループ（医療法人社団Heart　Station） 府中こころ診療所（東京都府中市宮西町1-1-3三和ビル2階、☎042-319-7887) こころ診療所吉祥寺駅前(東京都武蔵野市吉祥寺南町1-4-3ニューセンタービル６階、☎0422-26-5695) #ストレス反応　#メディア報道　#ウェルテル効果　#パパゲーノ効果　#精神科医　 【解説者】 医療法人社団Heart　Station　理事長　府中こころ診療所院長　春日雄一郎 精神科医（精神保健指定医、日本精神神経学会精神科専門医） 2005年東京大学医学部卒業、NCNP病院、永寿会恩方病院等を経て、2014年に府中こころ診療所を開設、その後医療法人化し理事長に就任、2021年8月に分院「こころ診療所吉祥寺駅前」を開業。メンタルクリニックの現場で、心療内科・精神科の臨床に取り組み続けている。