躁うつ病療養のコツ6つ【気分の逆など自己対処しつつ葛藤を整理。精神科医が10分で説明】 скачать в хорошем качестве

躁うつ病療養のコツ6つ【気分の逆など自己対処しつつ葛藤を整理。精神科医が10分で説明】

0:05 （１）はじめに 0:34 （２）①気分の逆をする 1:53 （３）②生活リズムを整える 3:02 （４）③薬の治療をしっかり続ける 4:05 （５）④軽うつ安定を受け入れる 5:47 （６）⑤長い治療を受け入れる 7:26 （７）⑥制御困難なら入院を検討 9:26 （８）まとめ 「躁うつ病（双極性障害）」は、治療で安定する一方、どうしても長期の治療・服薬の継続が必要です。その際に生じる葛藤の整理も、治療の重要な一部分です。 「躁うつ病療養のコツ6つ」につき、精神科医が要点を約10分の動画にまとめています。 出演：春日雄一郎（精神科医、医療法人社団Heart　Station理事長） こころ診療所吉祥寺駅前　https://kokoro-kichijoji.com 府中こころ診療所　https://fuchu-kokoro.com チャンネル登録お願いします　   / こころ診療所チャンネル   ↓↓内容の詳細は下記になります。 （１）はじめに：躁うつ病療養のコツ6つ 躁うつ病セルフケア。今回は「躁うつ病療養のコツ6つ」についてやっていきたいと思います。よろしくお願いします。 躁うつ病（双極性障害）は治療で安定する一方、長い期間の治療継続が必要で、かつ再発のリスクには注意が必要です。 日々の取り組みは続けつつ、躁うつ病を持ちつつも、自分の人生を主体的に生きるために。 今回は「躁うつ病療養のコツ6つ」についてやっていきたいと思います。 （２）①気分の逆をする 「うつのときは動く、躁の時は休む」がポイントです。 ＜行動と気分の変化＞ まず基本的な事としては、動くと気分は上がるほうにいきます。 一方、動かないと気分は下がる方向に行きます。 ＜自然に行動するとどうなるか＞ 一方で、躁うつ病ですと、自然に行動すると、なかなかうまくいきません。 まず躁状態では自然と「動きたい」と思う。ただ動くと気分が上がり、さらに躁になってしまいます。 一方うつ状態では「動きたくない」と思う。それに任せ「動かない」と気分が下がり、さらにうつが長引きやすくなります。 ＜対策「気分の逆をする」と＞ 気分の逆をする事が、結果、対策になります。 躁の時は動きたいけれども「あえて休む」、それで落ち着くことがあります。 うつの時は動きたくないけれども「あえて動く」、その刺激で意欲を改善し、うつの改善を見込みます。 ＜補足：うつで動けない時＞ 「うつ」の時、動くべきとわかっていても動けない場合があります。 そこで、自分を責めてしまうと、さらに考えて頭を消耗し、悪循環になってしまいます。 なので動けない時は逆にその時はしっかり休養に専念して、また別の機会に動くのが現実的です。 （３）②生活リズムを整える 「リズムの安定は、気分安定の土台」です。 ＜躁うつ病では生活リズムが乱れやすい＞ 躁うつ病では気分が変動し、それと連動して生活リズムも変動しやすくなります。 具体的は、躁の時は活動が「過多」になり、睡眠をあまりとらず、リズムが後ろにずれる等します。 一方、「うつ」のときは逆に寝すぎる「過眠」、考えて寝れない「不眠」双方生じえます。 ＜リズムの乱れが不安定につながる＞ まず寝れないことが続くと、これで気分の波が強く出ます。 そして、リズムの不安定で体に負担がかかり、さらに気分不安定になることもあります。 そして、うつのときは昼夜逆転が固定して、起床後の活動が困難になり、うつが固定してしまうこともあります。 ＜対策：リズムを一定にして気分の安定を図る＞ 生活リズムの安定から気分の安定も図っていきます。 余分な刺激を減らすことで躁を防いでいきます。 そして、日中の活動を習慣にすることで、うつを防いでいきます。 （４）③薬の治療をしっかり続ける 「気分安定後も再発予防には必要」です。 「よくなったら薬をやめていいんですか？」と質問されたら、「やめてしまうのは危険」とお答えします。 ＜気分安定薬の役割＞ 気分安定薬の役割、まずは「躁とうつの改善」があります。 一方、もう一つ大事なのがいわゆる「再発予防」になります。 ＜安定後薬を中止することの危険＞ まず「再発のリスクが非常に高い」というところ。 かつその再発が「非常に強い症状での再発」になりえます。 すると強い症状のため、トラブル等のリスクも高くなります。 なので安定した後も薬は継続することが必要になります。 ＜特に軽躁や躁で注意＞ もうよくなったと感じて、軽躁の場合は薬を中断してしまうことが多いです。 すると、基本的には躁が悪化して結果トラブルになり、長期的な影響も出てしまうことが多いです。 そして、人によっては逆に重度のうつに転じてしまうリスクもあります。 （５）④軽うつ安定を受け入れる 「不全感の葛藤も受け入れる」ことです。 ＜躁うつ安定は「軽うつ」が多い＞ 躁うつ病を治療し安定した場合、基本的には「軽うつ状態」になることが多いです。 落ちついている一方、病前と比べやや「ぱっとしないような状態」と自覚されやすいです。 そして以前の「軽躁状態」と比べると、「かなりぱっとしない」印象を持つこともあります。 ＜軽うつの葛藤＞ 確かに「軽うつ状態」は安定している一方、何か物足りないと自覚されやすいです。 これが続くと、次第に「病気や治療の受け入れ」が揺らぐリスクも生じます。 そして本人としては、いわゆる「軽躁」状態を望むことが多いです。 ＜軽躁は意外ともろい＞ この「軽躁状態」自覚的には頭も回りますし、いろいろ気づいたりする。 非常に自覚的にはいいんだけれども、一つ「変動しやすいもろさ」というのがあります。 具体的には「躁状態」に移行することが多く、トラブル等に至るリスクがあります。 そして、逆に強いうつ状態に転じるリスクもあります。 ＜軽うつを含めての受け入れ＞ 事実上「病気の受け入れ」の一つとして、「軽うつでの安定」の受け入れが含まれます。 以前とは比べず、今の安定した状態でできることを探していきます。 そして、「軽躁から長期的に失うものがある」ことに思いをはせることが大事と思われます。 （６）⑤長い治療を受け入れる 「治療は続ける必要あるが、社会的予後は変わりうる」事が大事です。 ＜躁うつ病は長い治療が必要＞ 躁うつ病は、安定した後も「再発予防」のための治療の継続が必要です。 そして、再発リスクは治療しても、どうしても残ってしまいます。 そしてリスクの持続や治療負担を踏まえながら社会生活を続けていく必要があります。 ＜治療で社会的予後が変わる＞ 長い治療の中で、「ずっと治療して何が変わりますか？」という質問を受ける事があります。 答えは、長い目では「社会的予後が大きく変わる」とお伝えします。 ＜社会的予後に影響する因子＞ 一番大きいのはやはり「強い再発とトラブル」です。 それによって強い再発で退職や就職困難に陥ることもあります。 これらにより自己肯定感が慢性的に低下し、さらに予後が悪化することがあります。 ＜特に治療中断には注意＞ その中でも、特に「治療中断」には注意が必要です。 治療中断後に強い再発から「大きなトラブル」に至るリスクがあります。 そして、社会生活も強い再発があると中断につながってしまいます。 その結果、慢性的な自己否定につながり、悪循環になるおそれがあります。 ＜長期的に「よりよく生きる」とは＞ まずは病気・治療を受け入れて「できる対策をする」ことです。 それにより細かい再発はあっても、大きな再発やトラブルをなるべく防いでいきます。 その中で今の自分にできることを大事にして自発的に生きていくことが大事です。 （７）⑥制御困難なら入院を検討 「ダメージが大きくなる前に」ということです。 ＜強い再発でのリスク＞ まずは「躁による様々なトラブル」お金のトラブル、人間関係のトラブルなどがあります。 そして、うつによる各種の危険もあります。 もう一つは強い再発で「病状に自分が飲まれた」と感じる事での慢性的な葛藤や自己否定です。 ＜対策１：セルフケア＞ 強い再発を避ける第一の方法はいわゆる「セルフケア」です。 今回取り上げた「気分の逆をする」など、自分でできる対策を地道に続ける事があります。 それでも不安定な場合はストレスを減らすため、休養等の「環境調整」を検討します。 その上で主治医と相談して薬を調整し、少しでも悪化のリスクを減らしていきます。 ＜対策２：早期の入院＞ 様々なセルフケアを行っても制御困難であれば、「早期の自発的な入院」を検討します。 これは、早めに安全を確保してトラブルを防ぐ面あります。 結果、早目に入院治療し改善することで、結果早めの復帰を期待します。 そして症状を自己管理し、「何とか自分は症状を制御できた」という「自己肯定感」を保つ面があります。 ＜特に軽躁の時に大事＞ この早期の自発的入院は、特に「軽躁」の時に大事な概念です。 うつのときは症状の自覚が強いため、必要時の自発的入院は比較的しやすいです。 一方軽躁の時は影響の認識が難しく、無意識には「入院で制御する」発想に至りにくいです。 一方で入院など対策しなかった場合に、その後に強い躁やうつでトラブル等に至るリスクは高いです。 そうなってしまうと、その場の影響の他、長期的予後にも影響してしまうことが少なくありません。 なので、「制御困難なら早めに入院を含め相談をする」ことは大事と思われます。 （８）まとめ 今回は躁うつ病セルフケア「躁うつ病療養のコツ6つ」について見てきました。 具体的には「気分の逆をする」、「生活リズムを整える」、「薬の治療をしっかり続ける」、「軽うつ安定を受け入れる」、「長い治療を受け入れる」、「制御困難なら入院を検討」の6つです。 躁うつ病は長い治療が必要ですが、取り組みで社会的予後が大きく変わりえます。 今の自分にできることを大切に、「躁うつ病を持ちながらも」自発的に生活をしていくことが大事と思われます。 こころ診療所グループ（医療法人社団Heart　Station） 府中こころ診療所（東京都府中市宮西町1-1-3三和ビル2階、☎042-319-7887) こころ診療所吉祥寺駅前(東京都武蔵野市吉祥寺南町1-4-3ニューセンタービル６階、☎0422-26-5695) #躁うつ病　#双極性障害　#再発予防　#リカバリー　#セルフケア　　 【解説者】 医療法人社団Heart　Station　理事長　府中こころ診療所院長　春日雄一郎 精神科医（精神保健指定医、日本精神神経学会精神科専門医） 2005年東京大学医学部卒業、NCNP病院、永寿会恩方病院等を経て、2014年に府中こころ診療所を開設、その後医療法人化し理事長に就任、2021年8月に分院「こころ診療所吉祥寺駅前」を開業。メンタルクリニックの現場で、心療内科・精神科の臨床に取り組み続けている。