夜噺会　第178回　「身学道」　武門の身嗜み скачать в хорошем качестве

夜噺会　第178回　「身学道」　武門の身嗜み

論　　述：　曽川和翁 ───────── 挿入曲　：　『五輪の魂』 作　　曲：　曽川和翁 音楽編曲：　佐孝康夫 ピアノ演奏：野原舞花 ───────── 動画監修＆サムネイル：曽川あや ───────── 使用音声ライブラリ　VOICEVOX:九州そら 【武家で教えていた金言の一節】 ・世の中には、よく「金が無い」「時間が無い」という人が居る。 しかし金も時間も、自分の努力で作るものである。 多忙の中を努力し、工面して作るものなのである。 金が無い、時間が無いというのは、「今」が無いだけでなく、こういう人は、そもそも未来が無いのである。 未来に向かって、「今」を真剣に生きていない人は、既に未来を喪っているのである。 こういう人は、心が汚れていて、その顕著な現れとしては、顔に死相が表れ、自分を信じる自分軸が無いためである。そして観相を観察すると、人相的には衰凶を背負い込んでいて、顔色は土色で、白眼部分が赤く充血している。 特に目立つのは、顔全体が弛んでいて、目の淵である臥蚕と、邪な情交や悪事が現れる、奸門に、心の暗部の表れの表出である、「隈」ができていて、疲れて、たれ、言うことだけは勇ましいが、言葉に覇気がない。いつも心がふらついていて、精神年齢が卑く、不勉強で、刹那主義で流行に流され易い人である。 こういう人の恰好を見て見るがいい。 世間体を気にして、今風の、恰好だけはなんとか巧く繕っているが、中身は無能である。 自分軸が無い人は、己を信じることができず、人を疑うだけで無く、自分すら疑って、自分で自分の首を絞め、自分自身で己を殺しているのである。 金言を紐解けば、物事を遂行するには断固己を信じて、己を決して疑わずが大事なのである。 ・酒は、酩酊するまで呷ってはならない。 況して見苦しい、泥酔するまでの深酒は、その行為だけで、自らの魂を穢しているのである。 その穢れの顕れとして身形が汚れ、体臭がキツく、性格までズボラになり、魂までが曇らされ、人相から霊的神性を喪失しているのである。こういう人は霊的波調が粗く、波調が粗くなればなるほど、魂が濁り、オーラの放射される波調が汚い。 一方波調の密なる人は、それが細やかで、雰囲気は穏やかで優しさに溢れている。 霊的波調の粗い人とは、真逆である。 霊的神性を濁らせている人の多くは、まず喫煙者に多く、次に過度なアルコールの常飲者である。 パチンコなどのギャンブル依存症の人にも見られる。 そもそも、博奕で儲けようとする考え方が間違っているのである。 ギャンブルの本来の目的は、当たるか外れるか、丁が出るか半が出るか、その成否を、天に任せて伸るか反るかの、スリルを味わう事にある。 儲ける事は目的ではない。 少し深入りして解説すると、博打の情熱は結果的に見て「絶対に安全でない」という所に生じる面白さであり、これはまた人生も同じなのである。 作用と反作用を常とする相対的な現象界では、妙な期待をすると、希望通りの目が出ないのである。 これを博奕用語で言うと「目が荒れる」という。 希望や願いが「叶わぬ皮肉」な現象である。 そして「もしかしたら」の期待を抱いたところに、習慣性が起こり、「今度こそ取り返してやる」というところに依存症の陥穽があった。 当然こうした落し穴に落ちれば、人間は「もしかしたら……」の、現実とも夢ともつかぬ、現の迷宮に迷い込むのである。 そこが出口のない「魔の鬼門」であるからだ。 人は何かに依存した状態になると、当然霊的波調が曇らされる。 順って、魂まで霊障に冒されて、曇り、濁るのである。 まず顔色が悪くなり、弛み、肌は土色で、眼の白眼部分は赤く濁り、考え方が短絡的で、○か×かの、安直な挙動に出てしまう。 深く考えたり、先を読むことが不得手になるのである。 こういう人は五十代半ばから六十代頃になると、本が読めなくなる人である。 四百ページほどの文庫本を一気に速読することはおろか、長時間の読書や内容でもなにが書いてあるか、全く理解できなくなる。 これは霊的神性が低下した為であり、心も、魂も、曇らされたためである。 当然動きにしても躰の、特に肩から腕にかけての水走りが悪くなり、途切れて断片的で重苦しく、コマ撮り写真のようにごとごとしくなる。 動きに流動体的な滑らかさが無くなり、サラリと流れる変わり身の速さが喪われるからである。 特に肘を損傷し、腱鞘炎を患っている人などは、こうした陥穽に落ちて、仮に一時的に回復しても、また悪化し、よくなったり悪くなったりを繰り返し、最後は、腱鞘炎がますます酷くなる。 顕著な顕れとしては足元がふらついて、不安定であり、得物に振り回されるのである。 ・こうした陥穽に落ちた人は運命的に観ても、手を変え品を替えというような事ができなくなり、頭はますます固くなり、臨機応変性が失われてしまうのである。 換言すれば、性格上は何事にもこだわり、頑迷になって「変応自在の球」ではなくなるのである。 そういう曇らされた人は、その曇りが悪質な波調となって、脳裏に焼き付き、それを消去する事ができなくなるのである。 常習性を帯びれば、喫煙でも飲酒でも、また博打依存症でも新興宗教などでも、悪質な波調に取り憑かれ、 一度でも洗脳された人は、その憑依から中々覚醒できないのである。 人間現象界は、悪質なものに取り憑かれたら、落ちる所まで落ちて、とことん奈落の底まで落ちる以外ないのである。 これは享楽でも同じである。 陥穽の「鬼門の罠」に嵌る前に程々で止めるということが肝心である。 愉しみも、過ぎれば生命まで殆うくなるのである。 喩えば『酔古堂剣掃』には、酒の楽しみ方として次の様にある。 「花は半開を看、酒は微酔いを欲す」とズバリ明確に切り捨てているのである。 ・尚道館・女子部：https://daitouryu.com/kimono/ ・尚道館刀剣部HP：https://www.daitouryu.com/katana/　 ・綱武出版HP：https://www.daitouryu.com/koubu/ ・夜噺会HP：https://www.daitouryu.com/yobanashi/ ・西郷派大東流合気武術総本部HP：https://www.daitouryu.com/syoudoukan/ ・尚道館内弟子寮・陵武学舎：https://www.daitouryu.com/ryoubu/ ＃身学道　＃身嗜み　＃礼を尊ぶ気風　＃大和魂　＃英霊　＃酔古堂剣掃　＃酒の嗜み方　＃自分軸　＃武門　＃身なり　＃山岡鉄舟　＃木綿の衣服　＃楠本憲吉　＃朝餉と夕餉　＃一日２食　＃泥腐る　＃江戸患い　＃脚気