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3分でわかるマルク・シャガール（人から分かる3分美術史173）

ロシア出身の画家であり、「愛の画家」として知られるマルク・シャガールを紹介します。 *** こんにちは。人から分かる3分美術史。 今日はマルク・シャガールについて勉強していきましょう。 マルク・シャガール。1887年生まれ。ロシア出身の画家であり、「愛の画家」として知られます。 シャガールは、現在のベラルーシにあたるロシア帝国の都市ヴィテブスクに生まれました。 シャガールはユダヤ人の家系であり、父親は倉庫で働く人夫、母親は食料品店を営んでいました。 シャガールは若くして画家を志し、19歳になるとイェフダ・ペンの画塾に入ります。続いてペテルブルクに渡り、レオン・バクストの画塾で学びました。バクストはロシア・アヴァンギャルドの先駆の一人であり、シャガールはそこで西ヨーロッパの前衛芸術の気風を学んだと考えられます。 1910年、シャガールはパトロンの支援を得てパリに渡ります。その頃のパリでは、アンリ・マティスらのフォーヴィスム、パブロ・ピカソらのキュビスムが立ち上がっていました。シャガールはいくつかの美術学校を転々としつつ、モンパルナスのアトリエ「ラ・リッシュ」に寄宿。詩人のギヨーム・アポリネールや、アメデオ・モディリアーニ、モイズ・キスリング、シャイム・スーティンら同世代のユダヤ人画家とともに過ごしました。 この頃の作品が「私と村」。1911年、シャガール24歳頃の作品です。当時のシャガールはキュビスムをはじめとした同時代芸術を積極的に取り込みました。しかしアポリネールが「超自然的」と評価したように、シャガール独自の画風となっています。 1914年、シャガールは婚約者のベラを迎えに行くためロシアに一時帰国。しかしその直後に第一次世界大戦が勃発し、フランスに戻ることができなくなりました。それ以後のシャガールはロシア革命などの動乱に巻き込まれながらも、制作を続けました。 シャガールの作品を見ていきましょう。 「散歩」。1918年、シャガール31歳頃の作品です。空を飛ぶ恋人たちはシャガールの主要なモチーフの一つです。 「平和」。1964年、シャガール77歳頃の作品です。戦後は宗教や平和をモチーフとした作品を制作しました。 シャガールは、1985年に98歳で亡くなります。晩年は南フランスに落ち着き、多くの傑作を生み出しました。 現在においても、恋人たちを描いた「愛の画家」として、また、同時代の芸術動向を取り入れながらも集団に属さず、独自の画風を築いた画家として評価されています。 以上！