ギャンブル依存症が要注意な精神疾患は？【ADHD・双極性障害（躁状態）・うつ病（自己治療）で注意、精神科医が9分で説明】 скачать в хорошем качестве

ギャンブル依存症が要注意な精神疾患は？【ADHD・双極性障害（躁状態）・うつ病（自己治療）で注意、精神科医が9分で説明】

0:05 （１）はじめに 0:26 （２）ギャンブル依存症とは 1:56 （３）ギャンブル依存症が要注意な精神疾患3つ 2:11 ①ADHD 4:42 ②双極性障害（躁状態） 6:51 ③うつ病 8:04 （４）まとめ ギャンブル依存症は他の依存症と同様に、次第にエスカレートして、経済面などに大きな影響を及ぼすことがあります。特に発達障害ADHDでは衝動性や過集中などを背景に注意が必要で、双極性障害の躁状態やうつ病での自己治療にも注意が必要です。 ご質問「ギャンブル依存症が要注意な精神疾患は？」に対し、精神科医が約9分の動画でお答えしています。 出演：春日雄一郎（精神科医、医療法人社団Heart　Station理事長） こころ診療所吉祥寺駅前　https://kokoro-kichijoji.com 府中こころ診療所　https://fuchu-kokoro.com チャンネル登録お願いします　   / こころ診療所チャンネル   ↓↓内容の詳細は下記になります。 （１）はじめに ご質問にお答えします。今回は「ギャンブル依存症が要注意な精神疾患は？」についてやっていきたいと思います。よろしくお願いします。今回お受けしましたご質問は「ギャンブル依存症が要注意な精神疾患は？」というご質問です。答えとしては「ADHDと躁状態に特に注意」というふうにお答えします。 （２）ギャンブル依存症とは 「ギャンブル依存と精神疾患」を見ていきますと、このギャンブルに精神的な依存が出てしまうことは少なからずあります。そうすると、次第にエスカレートしていって額が増えたりするなどして、重大な影響が出ることもあり得るというところです。そして、一部の精神疾患においては、このギャンブル依存のリスクには注意が必要というところがあります。 ここで「ギャンブル障害」というのがDSM-5という診断基準で言われていまして、これはまず「ギャンブル賭博関連の問題行動」が9つありまして、それを4つ以上満たしている。そして、その中で「躁病」双極性障害の躁状態のエピソードでは説明できないというのが、このギャンブル障害の要件になります。 「ギャンブル依存の主な影響」を見ていきますと、まずは「金銭的な損害」が大きく出てくることがあります。関連して「人間関係の破綻」が出ることがあります。借金などが出てくると、それで破綻することがあります。そして「社会生活の破綻」というところにつながる場合も時としてあり得ます。 「ギャンブル依存の治療」を見ていきますと、基本的には特定の薬はありません。集団療法は言われることはあるんですけれども、できる場所は限られていますし、あくまで話し合って徐々にというところにもなるので困難もあるというところです。そして、金銭面など社会的な対策もしばしば必要であることがあります。これらを総合してみていくと、やはりそうなってしまう前の「予防」が大事というところがあります。 （３）ギャンブル依存症が要注意な精神疾患3つ その中で「ギャンブル依存症に要注意な精神疾患」を見ていきますと、以下の3つが挙げられます。 ①ADHD ADHDは不注意・多動・衝動性が特徴の発達障害になります。幼少期で見つかることも多いですけれども、大人になってから発見されることもあります。ここにおいて、衝動性などを由来とした金銭問題のリスクに注意が必要というところが言われます。 「ギャンブルと関連するADHDの要素」を見ていきますと、まずは「衝動性」、その場のメリットをどうしても選んでしまいがちというのが、無意識にやるとそうなってしまいがちです。もう一つは「過集中」、興味あることには強く集中するということにおいて、その集中力がギャンブル勝負一回においては生きてしまう場合もあるというところ。ただ、長期的にはやっぱり注意が必要です。もう一つが「集中力や興味のばらつき」、日常がなかなか集中が続かない関心を持ちにくいということになりますと、そういう集中できるような賭け事に流れやすくなってしまうということが言われます。 「対策」として見ていきますと、まずは「薬物療法」、薬によって衝動性を少しでも減らすということによってリスクを減らすというところがあり得るところです。もう一つが「生活面での対策」、特性を理解しつつもできる範囲で予防を図っていくということになります。 ②双極性障害（躁状態） 双極性障害はうつとその逆の躁が周期的に繰り返される脳の不調になります。この中で、躁状態に伴うトラブルやお金の浪費には特に注意が必要です。 躁状態は「私は何でもできる」と感じるような状態になります。多弁・多動、また人によっては高圧的になるなどがあって、トラブルのリスクが出ることがあります。そして、躁状態の「楽天性」からお金を浪費してしまって、後日問題になることも現実的にあります。 「躁状態とギャンブル」では、多動・衝動および楽天性を背景に多額のギャンブルをすることがあります。確かに躁状態のとき頭は回るんですけれども、逆にある種の抜けがあって、そして負けることがあって、負けると躁状態ですのでトラブルになってしまうこともあります。そして行き過ぎてしまうと、結局借金をして、うつの時に強い後悔をする。そして、あまりに額が多ければ法的な対策を要することもあるというところです。 「対策」を見ていきますと、まずこの双極性障害の兆候があれば、速やかに受診をして診断を受けて「気分安定薬」薬物療法を開始するのがいいと思われます。そして、これは安定しても再発予防が必要です。薬は続けて躁の再発を防ぐことが大事です。その中で躁気味になった時は、なるべく刺激を避けて、躁の状態を防ぐ。そして「ある種の予防的な対策」カードをおろせないようにするなど、現実的な予防的な対策も検討されるところです。 ③うつ病 うつ病は落ち込みなどのうつ症状が続く脳の不調になります。脳のセロトニンという物質の不足の影響が言われまして、そこを増やす抗うつ薬で治療をしていきます。ある種の「自己治療」として依存に至るリスクがあります。 「自己治療としての依存の例」を見ていきますと、まずは「アルコール依存」つらさを和らげるためにお酒の依存になることがあります。そして、「SNSや対人的な依存」、寂しさを紛らわせるためにSNSだったり（不適切な）人との関わりが出てくることがある。もう一つが「ギャンブルの依存」になります。 「対策」を見ていきますと、まずは受診をして診断を受けると、その上で抗うつ薬などで治療をしっかりしていくことが大事になります。休養を土台としながら、今を充実させていきまして、「他の対策」ストレスの発散などで置き換えていくというところが大事になります。この中でうつは改善すると、このギャンブル依存がなくなることも多いんですけれども、うつが改善しても依存が続くという場合に関しては、専門の治療を検討するといいんじゃないかと思われます。 （４）まとめ ギャンブル依存は他の依存と同様に続くと自然に強まっていきまして、生活や経済面などに大きな影響を与えることがあります。発達障害ADHDでは、衝動性などを背景に特にリスクに注意が必要です。この衝動性などの特性を知りながら予防しつつ、それだけで厳しい場合は必要であれば、ADHD治療薬で対策することがあります。その他、「躁状態の影響」であったり、「うつ病の自己治療」ということで出る場合もありまして、その場合はもとの精神疾患の治療を優先していきます。 こころ診療所グループ（医療法人社団Heart　Station） 府中こころ診療所（東京都府中市宮西町1-1-3三和ビル2階、☎042-319-7887) こころ診療所吉祥寺駅前(東京都武蔵野市吉祥寺南町1-4-3ニューセンタービル６階、☎0422-26-5695) #ギャンブル依存症　#ADHD 　#躁状態 　#双極性障害　#精神科医　　 【解説者】 医療法人社団Heart　Station　理事長　府中こころ診療所院長　春日雄一郎 精神科医（精神保健指定医、日本精神神経学会精神科専門医） 2005年東京大学医学部卒業、NCNP病院、永寿会恩方病院等を経て、2014年に府中こころ診療所を開設、その後医療法人化し理事長に就任、2021年8月に分院「こころ診療所吉祥寺駅前」を開業。メンタルクリニックの現場で、心療内科・精神科の臨床に取り組み続けている。