【双極性障害】双極性障害（躁鬱）は治療しないとどうなる？【精神科医が8分で説明】躁状態｜うつ状態｜精神科 скачать в хорошем качестве

【双極性障害】双極性障害（躁鬱）は治療しないとどうなる？【精神科医が8分で説明】躁状態｜うつ状態｜精神科

0:00 （１）はじめに 0:19 （２）双極性障害（躁鬱）について 1:44 （３）双極性障害は治療しないとどうなるか 3:32 （４）「治療しない影響」を避けるには早期治療と治療継続 4:30 （５）軽めの躁鬱（気分循環性障害等）の場合はどうするか 6:49 （６）まとめ 双極性障害（躁鬱）は治療しないとどうなるでしょうか？精神面のみならず社会適応や長期的な健康など様々な影響が生じるため、やはり早期治療と治療継続が大事です。一方、近年増えた「軽めの躁鬱（気分循環性障害）」に関しては、気分安定薬を続けるかは悩ましいところです。 ご質問「双極性障害（躁鬱）は治療しないとどうなる？」について、精神科医が8分で回答しています。 出演：春日雄一郎（精神科医、医療法人社団Heart　Station理事長） こころ診療所吉祥寺駅前　https://kokoro-kichijoji.com 府中こころ診療所　https://fuchu-kokoro.com チャンネル登録お願いします　   / こころ診療所チャンネル   ↓詳しい内容はこちらです。 （１）はじめに 双極性障害（いわゆる躁鬱）は、適切な治療を受けることで症状をコントロールし、通常の生活を送ることができる精神疾患です。しかし、治療を受けない場合や中断してしまう場合には、さまざまな影響が生じる可能性があります。本稿では、双極性障害の治療の重要性と、治療を受けない場合のリスクについて解説します。 （２）双極性障害（躁鬱）について 双極性障害は、うつ状態と躁状態を周期的に繰り返す精神疾患です。うつ病とは異なる脳の不調のメカニズムがあるとされており、症状の現れ方によってⅠ型とⅡ型に分類されます。Ⅰ型は躁状態が強く現れ、Ⅱ型はうつ病と似た症状を示します。 症状は主に4つの状態で現れます。まず「躁状態」では気分の高揚が顕著で、様々なトラブルを引き起こす危険性があります。「軽躁状態」は躁状態の軽い形で、この時期の過度な活動は症状を悪化させる可能性があります。「軽うつ状態」は比較的安定した時期に見られる軽いうつ状態で、「うつ状態」はうつ病と同様の強い落ち込みを示します。 治療には主に3つのアプローチがあります。中心となるのは気分安定薬を用いた「薬物療法」で、症状の改善と再発予防を図ります。また、生活リズムの維持や行動量の調整などの「生活面での対策」、そして必要に応じて「福祉資源の活用」を行います。 （３）双極性障害は治療しないとどうなるか 治療を受けない場合、以下の3つの領域で深刻な影響が生じる可能性があります。 まず、病状面では躁状態やうつ状態のエピソードがより頻繁に、より強く現れるようになります。また、症状が慢性化したり、急速交代型（ラピッドサイクラー）に移行するリスクが高まります。さらに、気分の不安定な状態が続くことで、糖尿病や心疾患などの身体疾患を併発するリスクも上昇します。 社会生活面では、躁状態やうつ状態に伴う対人関係のトラブル、借金や就労困難による経済的問題など、様々な困難が生じやすくなります。本来可能であった社会生活の多くが制限されることになります。 さらに、長期的には認知機能への影響も懸念されます。統合失調症ほどではないものの、気分の不安定さが続くことで思考力や生活能力の低下が起こる可能性があります。また、衝動的な行動による生命の危険や、不規則な生活習慣による身体への悪影響も指摘されています。 （４）「治療しない影響」を避けるには早期治療と治療継続 これらの影響を最小限に抑えるためには、早期の治療開始と継続的な治療が重要です。発症から治療開始までの「未治療期間」が長くなるほど、様々な面での影響が大きくなる傾向があります。 治療を開始しても気分の変動が完全になくなるわけではありませんが、薬物療法と生活リズムの調整を組み合わせることで、症状をより効果的にコントロールすることができます。また、治療を中断すると事実上の「未治療」状態となり、同様の影響が生じる可能性があるため、継続的な治療が推奨されます。 （５）軽めの躁鬱（気分循環性障害等）の場合はどうするか 近年、双極性障害への理解が深まり、以前より正確な診断が行われるようになっています。一方で、比較的軽度な症状（軽めの躁鬱）をどのように治療するかについては、まだ議論が続いています。 軽めの躁鬱には、双極性障害よりも軽度な「気分循環性障害」や、ADHDや境界性パーソナリティ障害に伴う気分の変動など、様々な要因が考えられます。治療方針は原因によって異なり、例えばADHD由来の場合はADHDの治療を優先し、境界性パーソナリティ障害の場合は感情調節の技術獲得を中心に進めます。 気分循環性障害の場合、双極性障害と類似した治療アプローチを取りますが、治療の強度については個別に判断が必要です。薬物療法以外の方法で対処できる可能性もありますが、双極性障害への移行リスクもあるため、慎重な経過観察が重要です。 （６）まとめ 双極性障害の治療において、気分安定薬による治療は症状の改善と再発予防の両面で重要です。治療を受けない場合、病状の悪化だけでなく、社会生活への影響や身体的な健康リスクも高まります。そのため、早期に適切な治療を開始し、継続することが推奨されます。 軽度の症状の場合は、その背景要因を見極めながら適切な治療方針を決定する必要があります。特に気分循環性障害の場合は、双極性障害への移行に注意を払いながら、慎重に経過を見ていくことが重要です。 こころ診療所グループ（医療法人社団Heart　Station） 府中こころ診療所（東京都府中市宮西町1-1-3三和ビル2階、☎042-319-7887) こころ診療所吉祥寺駅前(東京都武蔵野市吉祥寺南町1-4-3ニューセンタービル６階、☎0422-26-5695) #双極性障害 　#躁鬱 　#治療しないとどうなる 　#精神科 　#精神科医　 【監修者】 医療法人社団Heart　Station　理事長　府中こころ診療所院長　春日雄一郎 精神科医（精神保健指定医、日本精神神経学会精神科専門医） 2005年東京大学医学部卒業、NCNP病院、永寿会恩方病院等を経て、2014年に府中こころ診療所を開設、その後医療法人化し理事長に就任、2021年8月に分院「こころ診療所吉祥寺駅前」を開業。メンタルクリニックの現場で、心療内科・精神科の臨床に取り組み続けている。