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3分でわかる長沢蘆雪（人から分かる3分美術史179）

江戸後期の絵師であり、円山派から出発し独自の作風を築いた画家として知られる長沢蘆雪を紹介します。 *** こんにちは。人から分かる3分美術史。 今日は長沢蘆雪について勉強していきましょう。 長沢蘆雪。1754年生まれ。江戸後期の絵師であり、円山派から出発し独自の作風を築いた画家として知られます。 蘆雪は、9代将軍徳川家重時代の宝暦4年に生まれました。蘆雪の生い立ちにはいくつかの説がありますが、父親は丹波国篠山の武士である上杉彦右衛門であるという説が有力とされています。 蘆雪の足跡がわかるのは、1778年、蘆雪25歳ごろからです。この頃には、京都の絵師である円山応挙の門下に入っていたことがわかっています。 蘆雪の初期の作品として知られるのが「牡丹孔雀図」。1782年、蘆雪29歳頃の作品です。円山派らしい、緻密な写生に基づく作品となっています。 蘆雪の転機となったのは、禅僧の斯経慧梁と知り合ったことだと言われます。斯経は高名な画僧でもある禅僧の白隠慧鶴の弟子であり、自らも禅画を描いていました。蘆雪はその関わりのなかで、円山派から離れて、独自の作風を生み出していきます。 その頃の作品が「虎図」。1786年、蘆雪33歳ごろの作品です。応挙の代理として紀州南部の無量寺に赴いて描かれました。大きな画面の中の緩急と、虎のユーモラスな顔つきが特徴です。 蘆雪の作品を見ていきましょう。 「白象黒牛図屏風 左隻」。蘆雪40歳頃の作品です。画面全体を埋め尽くす牛と、その腹のあたりにいる小さな子犬が対比されています。 「海浜奇勝図屏風」。1798年、蘆雪44歳ごろの作品です。 蘆雪は、1799年に46歳で亡くなります。その死因はわかっておらず、さまざまな噂があります。蘆雪は、その後曾我蕭白や伊藤若冲と並んで「奇想の画家」と評されました。現在においても、「奇想の画家」の代表的な一人として、また、円山派から出発し独自の作風を築いた絵師として知られています。 以上！