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NEW HYBRID SKIING

NEW HYBRID SKIING Skier　 HIROSHI KITAJIMA Seasonal skiing distance 412km 「筋力系から脱力系へ」 スキーの運動における脱力系の身体運動は、限りある身体資源としての筋力と、大きな地球の資源としての重力とを融合させることで高いパフォーマンスを得ようとするものである。重力を活用する脱力系の身体運動において、従来、あまり意識されてこなかった呼吸が自律神経系と体制神経系との接点に位置する機能であり、あらゆる身体運動において極めて重要とされる。それは、身体運動の本質であり、正しい呼吸なくして重力軸意識や体幹主導意識への到達はあり得ないと言える。重力活用系の身体運動は、まず筋力と骨格の役割において重心移動や荷重移動のきっかけをつくり、それらが身体の安定を崩し、その結果不安定が自然のエネルギーを生み出しターン移動が始まる。このことは限りある身体の筋力を最大限引き出す必要がないこと、加えて身体を緩めることによって自律神経のバランスが整えられて健康にも良いものとなる。つまり、重力を活用する脱力系の身体運動は、身体内（筋力）の運動メカニズムの限界から、身体外の地球（重力）と身体を複雑に相互作用させる新たなスキー技術への発展として捉えることができる。筋力系と脱力系の運動から大きく二つに分けて技術を理解することは、過去の経験から運動の癖で頑張ってストックやスキー板を振り回してターンの切り換えをおこなってきたことに対して、身体が緩んで快適にターンを楽しむスキー技術へのパラダイムシフトであり、スキーヤー自身が深く技術を考え選択することが大切である。 KC＆SUNSHINE SNOW CLUB 　　　　　KAZUYUKI CHIBA