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戸邊農法 Vol.14 餅つきの一環でもある、「のし作業」。 試行錯誤しながら行き着いたのは、自家製の箱とビニールの調達から切るのも設計も行っている。 そのあたりの様子をを発信します。 戸邊 秀治 東京理科大学を卒業後、自動車工場で技師として働いていた戸邊氏は、30歳のとき、安定した職を辞し、「米をつくる」という新たな道を選んだ。 以後、聖子夫人との間に4男1女をもうけ、家族とともに福島県、茨城県で農業体験を重ねながら、土と向き合う生き方を模索した。 そして2002年4月、50歳を迎えた年、天水に恵まれた新潟県松之山の地に農地付きの古民家を購入。ここから「戸邊農法」と呼ばれる、真に自然と共生する米づくりが始まった。 その栽培は、驚くほどに原点的である。 トラクターもコンバインも、田植機すら使わない。 一株一株、人の手と足だけで育てる。 農薬も化学肥料も一切用いない。 戸邊氏はこう語る。 「棚田は天水のはじまり、つまり水源地。ここが汚れれば、下流に生きるすべての命を汚してしまう。」 その理念を貫いた結果、松之山での暮らし4年目となる2006年秋、「戸邊米」は日本一おいしい米に選ばれた。 その価格は1キログラム2,340円──当時、国内最高値、事実上“世界一高い米”と称された。 本シリーズでは、戸邊農法の原点と哲学、そしてその実践の数々を紹介していく。