【発達障害】大人の発達障害を乗り越えるには？【精神科医が9分で説明】ADHD｜自閉症スペクトラム｜心療内科 скачать в хорошем качестве

【発達障害】大人の発達障害を乗り越えるには？【精神科医が9分で説明】ADHD｜自閉症スペクトラム｜心療内科

0:00 （１）はじめに 0:17 （２）発達障害と大人の発達障害 2:30 （３）大人の発達障害を乗り越える取り組み3つ 2:43 ①障害を知り受け入れる 3:59 ②症状や特性の改善を図る 6:01 ③合う環境を選ぶ 8:25 （４）まとめ 近年、大人になってから不適応などで見つかる「大人の発達障害（ADHD,ASD）」の診断が増えている一方、「治らない」ことへの葛藤の話も聞きます。確かに特効薬はなく障害との共存が必要ですが、できる取り組みは決して少なくありません。 ご質問「大人の発達障害を乗り越えるには？」について、精神科医が9分で回答しています。 出演：春日雄一郎（精神科医、医療法人社団Heart　Station理事長） こころ診療所吉祥寺駅前　https://kokoro-kichijoji.com 府中こころ診療所　https://fuchu-kokoro.com チャンネル登録お願いします　   / こころ診療所チャンネル   ↓詳しい内容はこちらです。 【ご質問】 「大人の発達障害を乗り越えるには？」 （１）はじめに 発達障害には特効薬はありませんが、地道な取り組みによって改善の余地があります。発達障害とは、ASDとADHDが代表的な、生まれながらの脳機能の偏りを指します。幼少期に発見されることが多いものの、成人後に見つかるケースも存在します。基本的には薬による完治は難しく、ストレスによる二次障害の合併には特に注意が必要です。 （２）発達障害と大人の発達障害 代表的な発達障害には2つのタイプがあります： 1. ADHD（注意欠如多動症） 不注意、多動、衝動性が特徴 ミスや忘れ物が目立つ 2. ASD（自閉症スペクトラム） 社会性の障害とこだわりが特徴 場を読まない言動が目立つ 大人の発達障害は、学生時代までは診断されず、成人してから発見された発達障害を指します。発達障害の認知度向上に伴い、グレーゾーンを含めた診断数が増加傾向にあります。発見のきっかけは主に社会での不適応であり、うつなどの二次障害を合併することが多いのが特徴です。 大人の発達障害の特徴として、小児期発見例と比較して症状は比較的軽度であることが多い一方、二次障害（うつや対人不安など）を合併しやすい傾向があります。また、周囲のサポートよりも自己での取り組みの比重が大きいことも特徴です。 （３）大人の発達障害を乗り越える取り組み3つ ①障害を知り受け入れる 発達障害の理解と受容は以下の段階で進めていきます： 1. 発達障害を知る 一般的な発達障害の特徴や困難の理解 自分固有の発達障害の特徴や困難の把握 取りうる対策の検討 2. 発達障害を受け入れる 発達障害の存在と、特効薬がない持続性の障害であることの受容 社会生活での困難や偏見の存在の認識 社会との折り合い方を模索する必要性の理解 工夫や改善の可能性への期待 ②症状や特性の改善を図る 発達障害の特性は生涯持続しますが、気づきと反復的な取り組みにより改善の余地があります。即効性は期待できませんが、地道な反復練習が重要です。特に以下の点に注意を払います： 1. 二次障害の改善 うつ病など、薬物療法が有効な二次障害への標準的治療 環境ストレスの軽減 不適応の背景にある特性への優先的な対応 2. 特性改善の反復練習 不適応に関連する特性の優先的改善 難易度の低い課題からの段階的な取り組み 自己改善による自己肯定感の向上 3. 限界の認識と受容 改善の限界の理解と受容 継続的な取り組みの維持 客観的な自己理解に基づく環境選択 ③合う環境を選ぶ 特性の改善を図りつつも、残存する特性と環境との相性は重要です。以下のような環境の選択が重要になります： 1. 適切な職場環境の選択 ASD：一貫性やこだわりを活かせる研究職など ADHD：発想力や行動力を活かせるベンチャー企業や営業職など 多様性を認め、発達障害の特性をプラスに評価する環境 2. 環境調整の必要性 現在の環境との適合性の評価 必要に応じた関係性の調整 場合によっては環境変更の検討 3. 重度の場合の対応 福祉的サポートの活用 障害者雇用枠の検討 できる範囲での社会参加の模索 （４）まとめ 大人の発達障害の診断は増加傾向にあり、診断後の葛藤も少なくありません。しかし、「障害を知り受け入れる」「症状や特性の改善を図る」「合う環境を選ぶ」という3つの取り組みを通じて、状況の改善は可能です。 発達障害は確かに障害であり、取り組みにも限界はありますが、改善できる可能性は決して小さくありません。適切な理解と取り組みによって、より良い未来を築くことができます。 こころ診療所グループ（医療法人社団Heart　Station） 府中こころ診療所（東京都府中市宮西町1-1-3三和ビル2階、☎042-319-7887) こころ診療所吉祥寺駅前(東京都武蔵野市吉祥寺南町1-4-3ニューセンタービル６階、☎0422-26-5695) #大人の発達障害 　#発達障害 　#ADHD 　#ASD 　#精神科医　 【監修者】 医療法人社団Heart　Station　理事長　府中こころ診療所院長　春日雄一郎 精神科医（精神保健指定医、日本精神神経学会精神科専門医） 2005年東京大学医学部卒業、NCNP病院、永寿会恩方病院等を経て、2014年に府中こころ診療所を開設、その後医療法人化し理事長に就任、2021年8月に分院「こころ診療所吉祥寺駅前」を開業。メンタルクリニックの現場で、心療内科・精神科の臨床に取り組み続けている。