間違った薬を使うと症状が悪化する寒暖差アレルギーを治す市販薬を解説 скачать в хорошем качестве

間違った薬を使うと症状が悪化する寒暖差アレルギーを治す市販薬を解説

【参考文献】 https://www.jstage.jst.go.jp/article/... 局所所見の違いで　血管運動性鼻炎とそれ以外を見分ける https://www.jstage.jst.go.jp/article/... 加齢性鼻炎 https://www.jstage.jst.go.jp/article/... https://www.jstage.jst.go.jp/article/... https://doi.org/10.11334/jibi1954.38.... https://doi.org/10.11453/orltokyo1958... https://www.jstage.jst.go.jp/article/... ♯新潟　＃新発田市　＃富田耳鼻科クリニック 0:00　タイトル 0:47　目次 1:20　血管運動性鼻炎 2:25　市販薬① 3:41　市販薬② 4:31　セルフケア 5:31　鑑別疾患 6:29　加齢性鼻炎の治療 7:05　まとめ このチャンネルでは、耳鼻咽喉科専門医が、みみ・はな・のどに関する医療の豆知識を発信しています。 正確な情報が知りたい方は是非チャンネル登録をよろしくお願いします。 今日お話する内容は5つです 寒暖差アレルギーはアレルギーではなく血管運動性鼻炎 効果がある薬は風邪薬や古いアレルギー剤 安全な市販薬はステロイド点鼻薬 体を冷やさないことが最も大事 60歳以上なら加齢性鼻炎の可能性もある それでは順番に解説していきます。 皆さん、寒暖差アレルギーってよく聞くと思いませんか。 実は正式な病名ではないと知っていましたか。 耳鼻科クリニックに行ってもこの病名と診断されることはありません。 正式な病名は血管運動性鼻炎です。 私たちの体が気温の差にうまく対応ができないことで起こる反応なんです。 鼻水の量を調節する神経が、気温の差でコントロールを失って、鼻水が出やすくなるのです。 その鼻水を調節する神経は、自律神経です。 自律神経の交感神経と副交感神経のバランスが崩れて、鼻の粘膜では、副交感神経が優位になっています。 そのため、鼻水が出やすくなるのです。 急激な温度変化で鼻水がでるのは、実は正常な防御反応です。 しかし血管運動性鼻炎では、それが過敏、過剰になっているので、鼻水が必要以上に出ます。 アレルギー性鼻炎と症状が似ていること、寒暖差で引き起こされるという2つの理由で、寒暖差アレルギーといわれるようになったのだと思います。 市販薬 寒暖差アレルギーは、体を守るための正常な反応なので、実際のアレルギー反応とは異なります。 なのでこちらの動画で解説している、花粉症の飲み薬フェキソフェナジンは効きません。 効果がある市販薬は、風邪薬です。 風邪薬の箱の成分表を見てみてください。 風邪薬の中の、クロルフェニラミンマレイン酸塩やジフェンヒドラミンといった成分が鼻水を止めます。 これらの成分が、抗コリン作用を持っているからです。 副交感神経が活性化すると、神経情報を伝えるアセチルコリンという物質が出て、鼻水がおおくなります。 このアセチルコリンを抑える抗コリン作用がクロルフェニラミンマレイン酸塩にあるのです。 ただし、副作用が強く、眠気が出たり、口が乾いたりします。 また、前立腺肥大や緑内障をお持ちの方は、尿が出にくくなったり眼圧を上げるので飲まないようにしてください。 フェキソフェナジンは抗ヒスタミン作用の薬で、抗コリン作用は出ないように改良されている薬です。 なのでフェキソフェナジンは寒暖差アレルギーには効きません。 そして風邪薬を飲むときに注意が必要なことがあります。 それは、風邪薬には、クロルフェニラミンマレイン酸塩だけの成分が単独で入っているわけではありません。 熱を下げるイブプロフェンなどの別な成分も入っていて総合感冒薬として売られています。 そのため非常用として使うにはよいですが、毎日何週間も寒暖差アレルギーに使うのは避けてください。 それでは安全に使用できる市販薬はないのでしょうか。 あります。それはフルナーゼ点鼻薬とナザールαARです。 この二つはステロイドの入った点鼻薬です。 過去の研究では、70から80％の人で、血管運動性鼻炎にステロイド点鼻薬を使ったら、改善したと報告されています。 点鼻薬といっても、ステロイド点鼻薬以外の点鼻薬は使わないようにしてください。 特に商品名にナザールがつく点鼻薬が、たくさんありますので間違えないようにしましょう。 なぜなら、ナザールαAR以外のナザールには血管収縮剤が入っていて、かえって症状を悪化させるからです。 血管収縮剤は、交感神経をブロックして粘膜の血管を収縮させます。 交感神経を抑える結果、副交感神経を優位にしてしまいます。 つまり、寒暖差アレルギーの状態を悪化させるわけです。 また、血管収縮剤を使いすぎると、血圧が慢性的に上がったり、はなが余計につまる薬剤性鼻炎になったりします。 なので、このステロイド点鼻薬２種類、これら以外の点鼻薬は使わないようにしてください。 ここで薬以外の治療方法、つまりセルフケアを４つお話しします。 ①まずは規則正しい生活や睡眠時間を確保する生活を送りましょう。 自律神経の乱れを回復することで、鼻の粘膜の自律神経のバランスを保ちます。 ②急激な温度変化が原因ですので、鼻の粘膜を温め、更に加湿をしておくことがよいです。 濡れタオルを電子レンジで温めて、鼻の上に当てて呼吸をしてみてください。 鼻全体の血行がよくなり温まり、鼻の中も加湿と加温がされ、自律神経のバランスが整います。 ③タオルがないような場合は、マスクをして上から手を当てて、自分の呼吸で鼻を温めましょう。 口から吸って鼻から吐いてを繰り返し、マスクの中の暖かい空気で鼻の中を温めます。 ④外気の気温の変化に負けないように、首巻きマフラーを利用することも重要です。 首を温めることで体を冷やさないようにしましょう。 そうすれば寒暖差アレルギーを和らげることができます。 寒暖差アレルギーは高齢の方に多い病気です。 花粉症と違って、目のかゆみはでませんが、鼻水、鼻つまりとともに、くしゃみが起こります。 あなたが60歳以上でしたら、症状が似ていて鑑別するべき病気があります。 それは加齢性鼻炎です。鼻の中の鼻水が、下を向くと穴からたれてくるのが特徴です。 年を取ることで鼻の粘膜がやせ細り、鼻での加温や鼻水を保つ機能が低下することで起こります。 そのため外の空気が乾燥して冷たくなる冬場に症状が強く出ます。 寒暖差アレルギーと区別する点は鼻つまりがあるか、くしゃみがあるかです。 鼻水がでてるのに鼻つまりがなくくしゃみもでないなら加齢性鼻炎の可能性が有ります。 また寒暖差アレルギーと思ってクスリを飲んだり病院に行ったけど治らない場合も加齢性かもしれません。 なぜなら、寒暖差アレルギーと異なり、この病気は、アレルギー剤や風邪薬は効果がないからです。 先ほど一押ししたステロイド点鼻薬も効果がありません。 耳鼻科に行けば鼻の粘膜を見ることで、診断がつきます。 ただし年齢による変化なので余り良い薬が無いのが現状です。 しかし、寒暖差アレルギー用に先ほど紹介したセルフケアは加齢性鼻炎にも効果的です。 首マフラーだけでなく、さらに足湯などで体全体を温めてください。 冷えをよくするために、人参養栄湯や補中益気湯などの漢方薬を飲んで体をあたためるのも良いです。 そのほか温かい生理食塩水で鼻うがいをすることも効果的です。 電子レンジで水をぬるま湯にし鼻うがい液を作ってみましょう。 はなうがいについてはこちらの動画で紹介しています。 以上、寒い時期に多い鼻水の原因と治療法についてお話ししました。 まとめます。 寒暖差アレルギーは実はアレルギーではなく血管運動性鼻炎 急激な温度変化による正常な防御反応が過敏に起こりすぎている状態 市販薬は風邪薬かステロイド点鼻薬 鼻を温めるセルフケアで予防が可能 鼻つまりがなければ加齢性鼻炎の可能性もある