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佐原詩音 作品個展 vol.8 2025年12月23日(火)ムーブ町屋・ホール 奏楽 谷川俊太郎の詩による 2018年、山水美樹さん初のリサイタルにて作曲委嘱いただいた、独奏箏に歌唱を伴う作品。声を伴う明るい音楽がよいとお聞きし、谷川俊太郎さんの詩集『手紙』の『奏楽』に辿り着いた。いざ作曲を始めると、この詩に内包された詩と音楽の広がりに圧倒された。私の作曲した『奏楽』では、ひとりの人間がひとつの楽器に息を吹き込み、西洋・東洋・現代など種々の音楽を奏でる。冒頭、オーケストラの各セクションを模倣していく。「黄金の楽器」では金管楽器群によるファンファーレ(式典向きの華やかな楽曲)、「銀の楽器」ではフルートによる冷ややかな神秘のヴィルトゥオーゾ(技巧的なパッセージ)、「木の楽器」ではオーボエが織りなすダモーレ(愛情あふれる歌)、「肉の楽器」では不協和を伴うアパッショナート(熱情的な楽想)が奏される。これら4つの楽想を経て、音楽は息を待ち、最後には風を仰ぐパイプオルガンのように、会場という空間に深く響き渡る。 きららかの 黄金(きん)の 楽器に 憤る 息を吹き込め 冴え渡る 銀の楽器に 憧れの息を 吹き込め ぬくもりの 木の楽器には 忘却の 息を吹き込め 肉(ししむら)に ひそむこころを 解き放て 地平の彼方 我等また 風に鳴る笛 野に立って 息を待つ 星々の はた人々の たえまない 今日の吐息を